「御嶽山噴火」遺族と気象庁長官らの意見交換…石森則和記者に聞く
毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワ-」
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今週はおよそ12年前に発生した「御嶽山噴火災害」についてお送りしました。
先月、噴火で亡くなった遺族の家族会「山びこの会」が、気象庁で野村竜一(のむら・りょういち)長官らと初めて意見交換を行いました。
取材にあたった文化放送報道部の石森則和記者に話を聞きました。

御嶽山噴火、どのような状況で被害が発生したのか…石森記者によりますと
『2014年9月27日午前11時52分、長野県と岐阜県の県境にある御嶽山が噴火。週末の昼下がりで登山シーズンだったため、多くの登山客が山頂付近にいて、噴煙が直撃した。この災害により58人が亡くなり、今も5人の行方が分かっていない、戦後最悪の火山となった。
この災害をめぐり、遺族が長年問い続けてきたのが「噴火警戒レベル」の運用。当時、御嶽山の警戒レベルは「活火山であることに留意」という最も低い「レベル1」。そのため登山は可能だったが、もしレベル2に引き上げられていれば、火口周辺への立ち入りが規制され、多くの命が守れたのではないかという思いを遺族は抱いてきた』
また、国家賠償訴訟については…
『遺族らは、気象庁が火山活動を適切に評価せず警戒レベルを引き上げるべきだったとして、国と県を相手に国家賠償訴訟を起こした。しかし今年1月、最高裁判所は遺族側の上告を退け、当時の火山活動の変化だけではレベルを引き上げる法的義務があったとは認められないという判断が確定。それでも遺族は、裁判だけでは伝えきれない思いを直接気象庁に届けたいと対話を求め続けてきた。噴火から12年を経てようやく実現した今回の意見交換会には「山びこの会」のメンバーら14人が参加し、非公開でおよそ2時間半にわたって行われた』
長男の英樹さん(当時37歳)を亡くした堀口純一さん・寛子さん夫妻は『息子がなぜ亡くなったのか、レベルがなぜ2に上がらなかったのか、経緯を詳しく聞きたいという思いで質問した。気象庁長官が「空振りになるのが怖い」と話していたが、小さなことでも噴火の可能性があればレベル2に上げてほしかった。そうすれば犠牲者はもっと少なかったはず。そういう反省を「わかりました」とは言っていたが…あまり聞かれなかったのは残念』と話していました。
石森記者は『火山噴火の予測は現在の科学でも極めて困難。24時間体制で地震、地殻変動、火山ガスなどを監視しているが、いつ、どこで、どの程度の噴火が起きるかを正確に言い当てることはできない。それでも気象庁は教訓を無駄にしないため、監視体制の強化を進めている。地震計や傾斜計の増設、火山ガスの観測強化、ドローンなどの新技術導入に加え、噴火速報や詳細な解説情報の提供など、自治体や登山者向けの決め細やかな情報発信を行っている。
日本には111の活火山があり、そのうち50の火山が常時監視されている。登山者一人ひとりが「活火山に登るのだ」という意識を持ち、日常的な備えをすることが命を守ることに繋がる。科学の限界を認めつつ防災をどう進化させるか、そして災害の記憶を次世代へどう繋いでいくかという点で、今回の気象庁と遺族の対話は前向きな一歩』と話していました。

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来週は「令和8年8月千葉豪雨」についてお送りします。


気象予報士・防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子
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