憲法が国論を二分していいわけない! 大竹まことが法学者と憲法を語る

憲法が国論を二分していいわけない! 大竹まことが法学者と憲法を語る

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お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜11:30~15:00)。8月24日の放送は、有斐閣から発売中の『君主制原理: その生成、終焉、そして遺産』の著者である早稲田大学法学学術院教授で東京大学名誉教授の法学者、長谷部恭男氏を招いて話を聞いた。

大竹「今回のご本は『君主制原理: その生成、終焉、そして遺産』です。お話を進めながら、なんとかこの最後の君主制原理、これは一体どういうことなのかということまでたどり着ければいいなと思っております。まず最初に、憲法学者の第一人者である長谷部恭男さんがこういうご本をお出しになったということは、現在の高市政権が進める憲法改正の動きを相当危惧していらっしゃるというふうに思ってよろしいですか?」

長谷部「危惧はしております。確かにその通りです」

大竹「高市早苗さんは「どのような国を作り上げたいのか、その理想の姿を物語るものは憲法だ」とし、そのために憲法を改正する時はきましたというふうに述べております。いかがですか?」

長谷部「人の考え方っていうのは、それぞれいろいろですので、ですから、どんな価値観や世界観を持ってる人であっても、やはりこういう社会であってほしい、そういうあの理想じゃないといけないと思うんですね。例えば、どんな人でも差別をされない社会だとか、自分の思っていることを自由に言えるような社会とか、子どもであれば、ちゃんと大人になって困らないように、十分な教育をしてもらえる、そういう社会とか。ただ、そういう理想は、現在の日本国憲法の中にすでに書き込まれてるんです」

大竹「そうですよね」

長谷部「じゃあそれに加えて一体何を書き込もうとするのか?ということなんですが。ひょっとすると、これは特定の人たちだけが理想だと思っている、そういう理想を憲法の中に書き込みたいと」

大竹「なるほど」

長谷部「高市総理は思ってらっしゃるんじゃないのかって。それが、とても心配でして。そういうことを書き込んでしまいますと、かえって日本国憲法がどうもおかしくなってしまうんじゃないのか、そういう危惧を抱いております」

大竹「今の日本国憲法はとても、19条も含めていい憲法だなと私は思っておりますけども、それを今の憲法以上に何か手を加えようとする動きがある。そういうふうに考えていいわけですか」

長谷部「そうなんですね。現在の日本国憲法というのは、どういう理念を基礎に持っているかと申しますと、いわゆる近代立憲主義というものでして。ちょっとややこしい話になりますが要するに世の中には、いろんな価値観、いろんな世界観を持ってる人がいるものです。でも、どういう世界観、どういう価値観を持ってるかによって差別を受けたり、何かの不利益を与えられたりする社会であると非常に生きにくくなってくるわけですよね。ですから、どんな考え方を持ってる人であっても公平に扱うと、そういうふうに生きていくことができる社会、それを現在の日本国憲法は目指しておりますので、日本国憲法の目指す姿というのを、ちょっと歪めてほしくはないなと私は思ってるわけなんです」

大竹「高市さんは、国論を二分するというようなことをたまにおっしゃっていますけども、憲法が国論を二分していいわけない」

長谷部「いや、おっしゃる通り」

大竹「いいわけないですよね。やっぱり二分というよりか、全体とはいいませんが、みんなが「この憲法がいいな」として81年やってきた――まあ、できたのはちょっと後ですけども――やってきたわけで、それを、みんなで変えていこうっていうのと、じゃあ一部の人たちが変えたいなと思ってるのっていうのは、やっぱり齟齬はありますよね」

長谷部「その通りだと思いますね。私は、高市総理が目指してる国家というのは実は戦前の明治憲法の下での国家のあり方なんじゃないのかと、そんな心配をしていまして。というのは、明治憲法の下での国家というのは、国民のすべてが一つの理想を持っていると。目標を持っている。非常に簡単に言うと富国強兵ですよね。そのためにすべての国民はみんな貢献しなさい。その実現を目指してみんなで努力をするんだというふうに駆り立てられてた国家ですよね。そういう国のあり方はもうやめようっていうのが、戦争に負けた後で日本が選び取った道ですので。その選び取った道を示しているのが、現在の日本国憲法ですから。その現在の日本国憲法の下では、全国民に共通するような目標って実はないんです。何を目標にして生きるかというのは、一人一人が自分で決める。そういう社会に今はなってるわけですから。この社会を、やはり戦前の世界に戻してはいけないと私は考えていると、そういう次第でございます」

大竹「一人一人が自由にこの国でやりたいことをやって、思いたいことを書いて、発表したいことを発表する。一方方向を向かない。とっても大事で、それが一つの総意として国っていうものがまとまっていったらいいですねと。今の憲法はそれを、保障してくれてるように私は思いますけども。それを、富国強兵を筆頭に一方方向にみんなで向いていきましょうよ、みたいな意見が国民の自由な意思を曲げちゃうような気もします」

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