「都市伝説」という言葉はどのようにして生まれた?

「都市伝説」という言葉はどのようにして生まれた?

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女装パフォーマーのブルボンヌと、國學院大學教授・民俗学研究家の飯倉義之を迎えた2月23日放送「西川あやの おいでよ!クリエイティ部(文化放送)」。
「きょうのクリエイティブ」では「『都市伝説』をクリエイティブ!」というテーマでお届けした。

2006年頃、「夢の中で眉毛がつながった奇妙な風貌の男と出会った」という証言が、アメリカを中心に世界各国で多発。日本でも様々な噂が拡散された。

そんな都市伝説が日本で初めて映画化される。「This Man」というタイトルで2024年初夏に公開決定し、話題を集めている。

そもそもどうして都市伝説はここまで広まり、私たちは興味をそそられてしまうのか。

西川あやの「そもそも、この『都市伝説』という言葉、なんで都市伝説っていうんですか?」

飯倉義之「都市伝説っていうのは、元々はアメリカの民俗学者のジャン・ハロルド・ブルンヴァンっていう人がいたんですけども、この人が1970年代から80年代に編み出していった学術用語だったんですね」

西川「へぇー!」

飯倉「英語で『Urban Legend(アーバン・レジェンド)』。都市近郊(アーバン)の伝説(レジェンド)。それまで民話っていうのは、前近代の生活の産業、その生活を基にして話されていたものを民話として研究してきたわけですけども、ブルンヴァンさんが気づいたのは『私たちの都市的な生活の中でも、本当はなかったのに本当のことのように話されているいろんな話があるぞ』と。これは都市で新しく生み出されたレジェンド(伝説)だってことで、都市伝説(アーバン・レジェンド)っていうことで、それらに目を向け始めたんですね」

西川「アーバンレジェンドっておっしゃいましたけど、でも口裂け女は岐阜発祥なんですよね?」

ブルボンヌ「ね。アーバンじゃないわよね、あんまりね(笑)。こないだ日本で4番目の百貨店が無い県になってしまって、高島屋がもうすぐ閉店するものだから。“アーバンじゃないレジェンド”でしたね」

飯倉「この場合のアーバンっていうのは、空間としての都市というよりも“都市的・現代的な生活様式”だって考えていただけるといいんじゃないかなと思います。たとえば口裂け女だと、夕方の塾とか学校の帰りに女の人が『私、きれい?』って話しかけてくるみたいな、その生活様式ですよね。子供たちが学校とか塾とかに夕方通ったりするのは街中で起きることであろうと。そういう意味での都市・現代が、都市伝説(アーバンレジェンド)の一つの特徴になってくるってことですね」

西川「塾通いっていう文化が広まって、親御さんたちもちょっと心配じゃないですか、子供たちを夜に歩かせることが。そういうので『口裂け女が出るかもしれないから気をつけて歩かなきゃいけないよ』みたいな教訓みたいな意味もあったんですかね」

飯倉「そうですね。でもやっぱり子供たちの不安とかが先に立ってたと思うんですよね。それまでは子供って夜になったら家に帰るものだったのが、70年代くらいから学習塾が流行って、夜に子供がうろつくようになっていくんですよね。そうなってくると昼間に見かけない大人がいるわけで、こういう知らない大人の中に、もしかして自分たちに被害を加えるような怖い人がいるんじゃないかっていう不安は薄々持ってるんですよね、みんな。そこに『口裂け女』っていうわかりやすいものがポンっと投げ込まれると、その不安を持っているみんなにバァーっと広まっていって『口裂け女が追いかけてくる』っていうふうにみんなで噂するようになる」

西川「どんどん広まりますね」

さらに、2ちゃんねるのスレッド内に投稿された都市伝説「きさらぎ駅」や、今後広まっていきそうな都市伝説などについても話した。

「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜〜金曜の午後3時30分〜5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6kHz、radiko)で放送中。また、radikoのタイムフリー機能では1週間後まで聴取できます。

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