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2015年3月27日 へきがのゆくえ・・・

いよいよ2020年に迫った、東京オリンピック。


私は前回大会、1964年の市川崑さんによるドキュメンタリー映画「東京オリンピック」が大好きっす。

あの作品はまー、アートです。
どのシーンを切り取っても、ナイスなポスターができる感じ。

で、その、前回大会。
国立競技場では立派な壁画でお迎えしたのをご存じですか?しかもその数、13点。

もともと国立競技場の壁は真っ白だったんですって。
1964年の東京オリンピック開催が決まったことを受けて、世界中の皆さんを華やかにお迎えしようと、壁画が作られることになりました。
戦中・戦後を代表する作家の皆さんが、当時最先端の技術だった"タイルを貼る"という方法を使って、配置や色合いも、国立競技場でのバランスを考えて作ったんだそう。

壁画、こちら。はいどーん。
(写真ご提供:この作品の作者である大沢昌助さんのお孫さん、昌史さん。)

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選手や観客の皆さんと一緒に東京オリンピックを過ごした、1964年の顔ともいうべき13点の壁画...ですが、バブルの時代からだんだんと存在が薄らいでしまいます。

そして再び決まった、2020年の東京オリンピック開催。実は13点のうち、11点の壁画は、保存の検討すらされておらず、そのまま廃棄処分される運命にあったんです。

かろうじて処分を逃れた壁画の保存期間は、3年。
3年以内に保存先が決まらなければ、1964年の顔は姿を消しちゃうんです・・・。

で、作品の保存には、この壁画ならではの課題が色々あるんですって。

まず、その大きさ。一遍の長さは、なんと8m。一時保管するにも、小さく分割しなくちゃいけない。(一つの作品を2週間かけて切り出す作業が行われています。)

そして壁に張り付けたタイル壁画は、額縁のように作品だけを動かすことができないんですよね・・・。
建物の鉄筋も含んだ競技場の壁ごと切り取る必要がある、と。

当時と同じように13点を一緒に展示するためには、十分な広さのスペースが必要。
また、分割した壁画をもとに戻す費用もかかる・・・。
何より、保存先は、分割される前の実物を見ることなく引き取りを決めなきゃならない・・・。

2020年の東京オリンピック。
再び壁画を見たいなぁ・・・・・。

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