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2013年9月25日 解体される震災遺構

130925.JPG東日本大震災の津波で宮城県気仙沼市・JR鹿折唐桑駅前に打ち上げられた漁船の解体作業が進んでいます。
     
この漁船、気仙沼市は「震災遺構」として保存することを目指していましたが、
市民のアンケートでは7割近くが「必要ない」と回答したため、保存を断念しました。
     
    
毎日、漁船の近くを散歩しているという近所の男性は、
「船の保存よりもっと他にお金をかけるべき」と考えて解体に賛成しましたが、
解体されていく漁船を見るにつれ、「残した方がよかったのかも」と考えるようになったそうです。
    
一方、南三陸町の防災対策庁舎も撤去が決まりました。
後世のために残すべき、つらいものは見たくない、地元の人たちの中でも意見は分かれています。
    
土台だけが残り、雑草が生い茂るなかにたたずむ大きな船を見ると、
「いやはや、どうしたものかなぁ」ととても煮え切らない気持ちになります。

2013年9月23日 済美・安楽、肘痛で散る!

 各地で行われている春のセンバツをかけた秋季大会。その注目選手の1人が157キロ右腕、済美の安楽智大投手だろう。
 その安楽擁する済美が、秋季愛媛大会1回戦で古豪・西条に2-4で敗れ、早くもセンバツが絶望的となった。


「安楽の問題ではない。普通に西条が強かった」・・・試合後、指揮官の上甲監督は敗因を語って見せた。しかし、そうだろうか?


 確かに新チームの西条は強い。練習試合と公式戦を含めた戦績は36勝1敗(対今治西戦)2分け。2009年、秋山(現・阪神)を擁して春夏、甲子園に出場したときより安定している。
DSC00680.jpg
 しかし、きのう(22日)の済美敗退は、安楽投手が肘に違和感を覚えたことが大きく影響している。
 1回表、西条打線に連打を浴び、5番白川に2点適時打を許した頃から、坊ちゃんスタジアムでは、いつもと違う安楽に気付いたファンが多かったという。


 3回にはさらに2点を献上しライトへ引いた安楽。肘を気にする姿がスポーツ紙などでも取り上げられたように、今年春のセンバツで772球を投じたときから指摘されてきた懸念が、ついに現実のものになってしまったのだ。


 酷使による怪我。
 7月、灼熱の中での愛媛大会。8月、甲子園での熱投。9月、U18日本代表として台湾での世界選手権で登板。安楽の右腕は悲鳴を上げていたに違いない。
DSC00679.jpg
 上の写真2枚は、先日、松山の済美高前で撮影したもの。よく見ると「夢叶うまで挑戦」と書かれている。
 済美高野球部にとっての「夢」とは、夏の選手権で優勝することだ。
 かつて宇和島東をセンバツで初出場初優勝に導き、済美に移ってからも同じ偉業を成し遂げた名将・上甲監督にとって、夏の甲子園での全国制覇はまさに悲願のはずだ。
 ただ、その「夢」のために、安楽を起用し続けたとしたら、指導者として結果責任は問われる。


 安楽は、世界選手権の代表メンバーとして、、西谷監督(大阪桐蔭高監督)や捕手の森(同主将)から、速球だのみではなく制球によって打者を打ち取る投球術を学んだ。
 同じ2年生で代表入りした高橋光成(前橋育英高)からもフォークなどを学び、大きく進化して松山に凱旋してきた。
 その矢先の肘痛降板は、愛媛県民だけでなく多くの高校野球ファンに「案の定・・・」という思いを与えたのではないだろうか。


 安楽本人の自己管理の問題ももちろんあるが、「安楽は投げ込んだほうが力が出る」「小さくまとまらず速球を追及してほしい」という指導法で臨んできた上甲監督の育成方法に疑問が再燃するのは避けられまい。
今治西~1.JPG
 私の出身校は、済美と覇権を争ってきた今治西。13度目の春を目指す今治西にとって安楽を擁する済美は目の上の大きなこぶだった。
 しかしその済美の敗退を喜ぶ気にはとてもなれない。むしろ高校野球界の至宝、安楽の肘の状態が心配でならない。

2013年9月12日 ブエノスアイレス

行ってきました、IOC総会の取材でブエノスアイレスに。


ロゲ会長が「トーキョー!」と発表した瞬間、私は
ミックスゾーンと呼ばれる取材エリアに各国の報道陣とともにいたんですが、
発表直前、皆が固唾を飲んでるその時、
どこかの国の記者が、「イスタンブール!!」と叫んだので、
一瞬、「え!東京ダメだったの!?」という動揺が。
しかし、イタズラだと分かり、みんながイラッとするというハプニングがありました。


さて、東京に決定の話題は他の記者も触れていますので、今回は別の話題を。


car2.JPG


これは、車を丸ごとスキャンする機械です。
総会会場の周辺は警備がとても厳しく、
当然ながら車も厳しいチェックが行われますが、
写真のゲートみたいなところにを車ごと通してスキャンするんだそうです。


他局の記者さんが興奮気味に教えてくれたので
思わず撮った1枚です。


他の話題については、あらためて・・・。 (~の予定です)

2013年9月11日 稀代のヒーローか大うそつきか

 祝!2020東京五輪!
 決まった瞬間、東商ホールで思わず飛び上がってしまった・・・。
2020-1.jpg


 しかし、手放しで喜べるだろうか???
 プレゼンテーションでの安倍総理の「汚染水は完全にブロックされている」「コントロール下にある」発言のことだ。


 いい方に取れば、これで福島第1原発の汚染水処理は国際公約になったということ。
 滝クリさんの「おもてなし」プレゼン同様、安倍さんの言葉が東京招致の決め手の1つになったとすれば、それが実現できないとなると、稀代の大うそつきになってしまう。


 安倍さんがヒーローになるかホラ吹き男で終わるか、期限はあと7年しかない。


 東京開催が決まり10分も経たないうちに、東商ホールに貼られていた招致用のポスターが写真のものに変わった。
「あのとき、選ばれて良かったね」と本当に言えるかどうかは、これから次第だ。

2020-2.jpg


 こちらの写真は、決定の瞬間、喜び合う松岡修造さんと三浦雄一郎さん。
 五輪効果で、経済も私たちの気持ちも盛り上がることは確かなので、これを機にいろんな意味でニッポンが再生されればいいんだけど・・・。


 今年の流行語を先どりして言えば・・・

◎「じぇじぇじぇ」=安倍さんの「汚染水完全ブロック」発言にじぇじぇじぇ!
◎「アベノミクス」=これで安倍政権はますます押せ押せムード、ちょっとくらい消費税上げてもちゃんと補正組めば なんとかなるかな?
◎「今でしょ?」 =汚染水対策、悠長なことやってらんないよ!早くやんなきゃでしょ!
◎「おもてなし」 =日本人の持つホスピタリティを思い出して、今から海外からのお客さんを迎える心構えを。
◎「倍返し」   =安倍さん、約束したことができないと有権者はおろか国際社会から大きなしっぺ返しを受けるよ。あっ、7年後はさすがに総理じゃないか。


 それはそうと、五輪招致特番で、実に4ヶ月ぶりにQRのオンエアでレポートしたけど、掛け合い勘が失われてて、ど下手くそだったなー。
 報道にいて4ヶ月もオンエアに出なかったこと、入社以来ないもんなー。やっぱ、レギュラー出演枠がないとダメだなー。ガハハ。


 

2013年9月10日 都庁もカラフル

130910.JPG2020年の東京オリンピック開催が決まり、
東京都・猪瀬知事らが都庁都民広場で報告会を開きました。
およそ6,000人が集まり、「ありがとー!」という声と拍手が。
都庁もごらんの通り、オリンピックカラーに。(スミマセン、少しブレてますが・・・)


その後の記者会見では、7年後に向けての課題についても話が出ました。
フェンシング男子の太田雄貴選手は
「標識ひとつとっても、グローバルな社会を目指すなら、海外の人の目線で東京を見る必要がある」

パラリンピック陸上女子の佐藤真海選手は
「パラリンピックを日本で開催することでバリアフリーにつながると思う。
ハード面だけでなくスポーツを通じて、互いを称え合う大会になるよう努力することが大切」

    
    
7年後、東京はどんな街になってるんでしょうかねぇ。

2013年9月 8日 3才と59才

前回東京でオリンピックが開催されたのは半世紀以上前、~1964年(昭和39年)、
私が3才の時だ。
実家のアルバムには原宿のオリンピックプールの観覧席に母とともに観戦している
写真があるが、残念ながら記憶は全くない。
学生時代、飛込み競技に青春を燃やし、オリンピックプールで度々日本選手権を戦った
感慨は今でも熱い。
もし叶うなら、2020年の東京五輪では元アスリートの端くれとして、放送を通して
勝敗だけではない多くのドラマを伝えたいと思う。
迅英は2020年の東京オリンピックは59才で迎える。
文化放送の社員として半世紀ぶりの東京オリンピックに係り合えたら幸せだなぁ。
    2020.jpgのサムネール画像
 (写真は泊まりアナの多田記子さんが招致決定を信じて作ったケーキ)
 

 2020 TOKYO!

7年後、2020年の夏のオリンピック・パラリンピックの開催都市に東京が選ばれた。
素直に喜びたい。
東京招致に対しては賛否が両論あり、オリンピックより被災地復興、東電福島第一原発の
放射能漏れ対応優先、オリンピックへの税金投入を不必要だとする根強い反対意見も
耳にする。が、一方、オリンピアン・パラリンピアンたちが戦う純粋なひたむきさは
万人に感動と勇気を与えるはずだ。また、イデオロギーや政治的信条を超えて
多くの日本人が日本人選手、日本チームを応援する一体感は稀有で貴重、そして
良質なナショナリズムとしてこの国を包み込むだろう。
東京招致決定はゴールではない。東京で開催するからには2020年に向け、あと7年、
政府は国民に対する責任と国際的責務を果たしていかなくてはならない。
IOC総会でノルウェーの委員から東電福島第一原発の放射能流出問題について
「東京に影響がないという根拠はなにか」と質問が出た。これに対し、
安倍総理は「汚染水は港湾内で完全にブロックされている。
抜本解決のプログラムを私が決定し、着手している」と答えた。
「完全ブロック」にクエスションマークを付けた人も多いのではないか。また、
「抜本解決」が上滑りな口約束になってはいけないと危惧する人も相当いるだろう。
私は東京開催を歓迎する一方で政府には有言実行を求める。その上で、
景気、雇用、社会保障~先行き不確定な現代社会において7年後の東京オリンピックは
数少ない確定した光明と捉えたい。
2020年、東京オリンピック開会式は7月24日、この日私は59才の誕生日を迎える。
                     文化放送報道スポーツセンター部長  関根英生

2013年9月 6日 THE CITY OF TOKYO ! 

2020年に開催する夏季オリンピック・パラリンピックの開催都市が
間もなく決まります。
ブエノスアイレスで開かれるIOC総会には報道スポーツセンターから
永野景子記者が出張しています。地球の裏側~時差はちょうど12時間。
永野記者は現地に到着早々から精力的に取材を行っています。
自信たっぷりの猪瀬知事とはウラハラに、予想以上に東京電力福島第1原発の
汚染水問題に対する各国メディアの危惧は大きいようです。
反対にオリンピック招致を経済危機からの立て直しのツールにすることを
アピールするマドリッドの評価が上昇しているとの見方が強い。
ただし、いずれも「下馬評」。最終的にはIOC委員による無記名の投票で決まる。
ロゲ会長と日本、スペイン、トルコの委員を除く98人が投票します。
最初の投票は日本時間のAM3時半に行われ、この投票で過半数の50票を
獲得した都市が出ればそれで決まり。
おそらく1回では決まらないだろうというのが大方の予想。
つまり決戦投票は候補が2都市に絞られた第2回の投票になる見通しで、
発表は日本時間のAM5時過ぎになります。
文化放送では9月8日(日)朝5時から6時まで特別番組を編成し放送します。
タイトルは、
「オリンピック開催都市決定! 文化放送・報道スペシャル」
でも東京で決まったら、その瞬間から
「オリンピック東京開催決定! 文化放送・報道スペシャル」
としてお送りします。
ロゲ会長が封筒から決定都市が書かれた紙を取り出し、
THE CITY OF ...TOKYO ! とコールする瞬間を是非、文化放送でお聴き下さい!
                    文化放送報道スポーツセンター部長  関根英生

2013年9月 2日 届かない声。 

20130823okadanisimati.jpg
『ここに入る前には畑で草取りしたり散歩したり普通の生活してたの。
ここに入りさえしなければ、もっと長生きできたのではないかなあと思う人がいるわ。
ごめんなさい・・・もちろん住むところをいただけたのは感謝してるの。それは本当に。
でもね、頭と体と心がアンバランスなの。
頭はおりこうさんだからわかってるの、でも心がそういう風にはならないの。
みんなそういう気持ちを抱えているよ。本当に亡くなった人は気の毒。
医療費減免措置は3月に打ち切られました。
仮設のみんなで措置の復活を行政に訴えても今のところ返事は無いの。
収入が無いんだもの。アルバイト募集のチラシは入るけど、でも65歳以上はお断り。
財産投げたくて投げたんじゃない。もってかれて何も無いんだ。
行政で、もっとがんばってくれてもいいんじゃない?
あたしたちのとこは、仙台の汚水処理場も背負ってるんだ。
それなのに、こないだの選挙運動でも、ここを素通りしていったわ。
ごめんね、長々と話をして。でもね、肩書きのある人は話を聴いてもらえても、
普通のおばあちゃんの声は聴いてもらえないのよ』
~~~(仙台市内沿岸部の仮設住宅にて)~~~
宮城県では医療費の窓口負担などの免除措置が3月いっぱいで打ち切られたことにより
後期高齢者医療制度の被保険者を含め約25万人にのぼる被災者が新たに負担を強いられている。
4月以降、医療機関の半数が継続的な診療が必要なのに来院していない患者を抱えている。
県議会は仮設住宅住民らが提出した請願を6月に全会一致で採択しているが、
県側は「国による財政支援がなければ財源が確保できない」として免除再開は困難としている。
震災後、国の政策が鈍いため地方行政が立ち往生することは良くあった。
ただ自治体側も、市政のうち何にプライオリティを置くかを見直す必要がある。

文化放送報道制作部では「ニュースパレード」を中心に、日々のニュースをお伝えしています。

その一方で、私たちの周りには普段のニュースでは伝えきれないような話が溢れています。

それをお伝えする場所が、このリニューアルしたブログ。
部員それぞれがゆるやかに伝えていきます。
ニュースの「おまけ」として楽しんで頂ければ幸いです。
よろしくお付き合いください。

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