大学ファンドが防衛投資解禁へ 防衛研究の底上げにつながる
6月30日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、「大学ファンドによる防衛関連企業への投資制限緩和」について意見を交わした。
油断すると日本の防衛力が空洞化しかねない
国が設置した10兆円規模の大学ファンド(基金)の投資方針を巡り、運用する科学技術振興機構(JST)が防衛関連企業への投資制限の緩和を決めたことが29日、分かった。国際条約で禁止された非人道兵器に関係する企業は引き続き投資対象から除きつつ、その他の防衛装備品を手掛ける企業への投資は原則認める。
大学ファンドは、大学の研究力強化を目的に国が創設した基金で、運用益を世界最高の研究水準を目指す「国際卓越研究大学」などに配分している。これまで武器関連の製造や販売で収益の50%以上をあげている企業は投資対象から外してきたが、大学ファンドを運用するJSTが23日の運用・監視委員会で制限を緩和する方針を決めた。
「大学ファンドから防衛関連企業への投資解禁という動きですが、これは田中さん、どうご覧になりますか?」(寺島アナ)
「世界標準的には良いんじゃないかな、と思います。日本は今まで憲法の拡張解釈をしすぎて、平和主義を研究分野にも応用して、少し締め付けが厳しすぎた面もあるんじゃないですか。ただ、今の国際情勢を考えると、ウクライナとロシアのドローンを使った戦争を見ていると、これ本当に戦争の在り方が異次元になってしまっていて。それに今の国内の研究環境が対応できてるのかな?という気がします」(田中氏)
「ええ」(寺島アナ)
「民間と自衛隊、あるいは海外の軍隊とのコラボみたいなものが、あまりにも酷い兵器開発でなければ、防衛的な観点からも推し進めていかないと、油断すると日本の防衛力が空洞化しかねないですから」(田中氏)
「そうですね。取り残される感はありますよね」(寺島アナ)
「そういった意味でも研究力をアップするためにも、ある程度、今くらいの枠組みであれば十分合理的だと思います」(田中氏)
「田中さんのご指摘の通り、非人道兵器に関連する企業は除くけれど、それ以外で研究は重ねていった方が良いということですよね」(寺島アナ)
「そうですね。やはり研究者の動機付けにもなると思うんです。“軍事利用”と考えるんじゃなくて、自分の国の“防衛力”“抑止力”を上げるという形で。しかも合理的な範囲であれば、それは研究者のマインドとしても十分やる気を刺激するだろうし。色んな国との技術開発によって底上げしていくんじゃないかな?と思いますけど。やはりこういった問題は、常に人道的な問題とか平和主義との関連で議論されますが。そういったところは議論していけば良いと思います」(田中氏)
「それはそれで議論をする、ってことですよね」(寺島アナ)
「日本学術会議みたいに“全部ダメ”とか、だけど“中国への人材流出はいい”と。それで中国で軍事転用される研究しちゃうこともあったと聞いてますし。そういったことになるのは日本学術会議はフリーだったわけですよ。正直言って、学術会議は早く廃止した方が良いと思うんですけどね。そういった縛りも徐々に無くなってきている現れかと思います」(田中氏)
背景には、防衛産業に対する国際的な評価の変化がある。欧州などでも「ESG(環境・社会・企業統治)」の観点から防衛産業が投資対象から排除される傾向があった。だが、2022年のロシアによるウクライナ侵略以降、安全保障を支える産業として防衛産業を再評価し、非人道兵器と通常兵器を区別して投資の可否を判断する考え方が広まってきた。
日本政策投資銀行も5月、防衛関連企業への投融資を解禁した。大手防衛関連企業は、民需部門を持つため従来の投資基準でも対象となりえたが、防衛事業を主軸とするスタートアップ企業が投融資を受けにくいという指摘がこれまで出ていた。
「他の金融機関にもこの動きが広がっていくのかどうか。田中さん、こういう動きもあるんですね」(寺島アナ)
「民間の金融機関が融資しやすいのと同時に、政府関連の金融も積極的に融資することができれば良いのかなと思います。まあ個人的には政府関連の金融機関は廃止した方が良い派なんですけど、官僚さんはそういったところの生き残りをかけて推し進めているんでしょうけど。大規模なお金が動く話なんで、良い面と悪い面が両方あると思うんです」(田中氏)
〈出典〉
<独自>大学ファンドが防衛投資解禁 安全保障支えるスタートアップの育成後押し | 産経新聞(https://www.sankei.com/article/20260629-DSB2CZ3KHJKSVAIHZTVFWYEHF4/)
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