インドで若者たちから熱烈な支援。「ゴキブリ人民党」とは何か
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、7月29日の放送に毎日新聞論説委員でノンフィクション作家の小倉孝保が出演。インドで若者を中心に支持を受けているという「ゴキブリ人民党」とは何か、解説を展開した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「モディ政権を追い込んだ、インドの『ゴキブリ人民党』とは何か、ということで。インド政府の不満の受け皿となり、若者を中心に広がりました。政党なのか、と思いますが、SNSで広がった架空の政党、ということです。ただしSNSだけではなく、数千人規模のデモにまで発展しています」
長野智子「なぜゴキブリなのか、という話も含めて。詳しい経緯を教えてください」
小倉孝保「時系列が複雑ですけど。大学入試で、医学部の統一試験みたいなものが5月初めにありました。そのころ、それの入試問題が漏洩した、と発覚して。おかしいじゃないか、と若者が不満を溜めていた。5月15日に、インドの最高裁判所の長官であるカントさんが、入試とは別の話の中で、法律の資格を悪用するような事件か何かがあって。審議中に、失業中、要は仕事をしていない若者のことを『そんなやつらはゴキブリのようだ』と発言して」
長野「ひどい」
小倉「それが問題になったんです。インドって若い人たちの失業率がすごく高いんです。働きたくても働けない人が多い。それなのに最高裁の長官がゴキブリ発言をした。若い子たちが怒った。その中に在米のインド人で、アビジート・ディプケさんという方がいて。ボストン大学を卒業する学生だったんです。この人が最高裁長官の発言に、実態を知らないんだな、と憤って。SNS上に架空政党を立ち上げた。それがゴキブリ人民党なんです」
長野「ああ」
小倉「これがゴキブリ人民党、CJPです。モディ政権の与党、BJP(インド人民党)というのをもじって。ここに入党したかったら失業者か怠け者かネット漬けか毒舌の人間でないといけない、と。ユーモアをまじえて、ゴキブリ人民党を立ち上げるわ、と。SNSですごく反応されて、3日間で1100万人のフォロワーに。そのあと1ヶ月ぐらいで2000万人ぐらいのフォロワーになっているんです。モディ政権のBJPのフォロワーが880人ぐらいだから、3日間で追い越してしまった。盛り上がっていたわけです」
長野「若い人がほとんどですか?」
小倉「ほとんどそう。恐らく若い人の人口が大きい国なんです。盛り上がっていたところで、最初に言った医学部の入試の件がさらに問題になって。5月12日に再試験をやる、と発表した。それに憤ったというかショックを受けた学生がいた。220万人ぐらい医学部に、医者になろうと思って受けている。インドっていま、ものすごく格差が大きいんです。医者になったら貧困から抜け出せる、と思っている人が(多い)。親なんかも借金してこの子に教育を受けさせて医学部に入れたい、と」
長野「はい」
小倉「1日10時間ぐらい、毎日何年間も勉強する。ようやく試験が終わった。そうしたら問題が流出していた、と。どれだけ勉強したと思っているんだ、という話です。入試に怒った人たちが、ゴキブリ人民党に期待をかけたわけです。俺たちの怒り、この人民党を介して政府に当ててくれ、と。けっこう深刻な問題でね」
長野「亡くなった方もいる、と」
小倉「医学部の統一試験を受けて、恐らく通った、と思ったらナシだよ、再試験だ、とされる。精神的ショックで10人、20人以上が自殺している、と言われているんですよ」
番組では「ゴキブリ人民党」の活動、その影響についてさらに小倉が解説した。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。
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