「ヌーヴェルバーグ」~あなたも革命の目撃者に

「ヌーヴェルバーグ」~あなたも革命の目撃者に

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こんにちは、文化放送の鈴木BINこと鈴木敏夫です。
このコーナー、2年以上塩漬け状態でした。久しぶりの再開です。
 
復活第1回は、アメリカのリチャード・リンクレーター監督の「ヌーヴェルバーグ」
7月10日(土)からすでに全国公開中です(一部のシネマでは日程要確認です)。

©JeanLouisFernandez

こちら映画のH.P.→ ヌーヴェルヴァーグ

映画「勝手にしやがれ」が誕生した際の人間模様を再現した「ヌーヴェルバーグ」は、私が出演させて頂いている「長野智子アップデート」の中でも2度ほど触れる機会がありました。長野さんも観てくれて、そして「絶賛」してくれたので、自信をもってコーナー復活1作目に選んだ次第です。

リンクレイター監督は私の好きな「ビフォーサンライズ」や「スクールオブロック」「6才のボクが、大人になるまで。」など、何度も観直したくなる素敵な作品を作り続けている名監督。ハリウッドから遠く離れたテキサス州の州都オースティンに住んでいることでも有名です。テキサスと聞くだけで保守的でマッチョな所をイメージしますが、オースティンはとてもリベラルで、テキサスの中では異色の街だそうです。大作の焼き直しが多い昨今のアメリカ映画界において、オリジナリティ溢れる作品にこだわり続け、独自の道を歩んでいるリンクレイター監督らしい街なのかなと勝手に想像しています。

実話をベースにした映画の筋はとてもシンプル。フランス、そして世界の映画を変えた「ヌーヴェルバーグ(新しい波)」という新しい映画運動、その波の最初のひと搔きをしたジャン・リュック・ゴダール伝説の映画「勝手にしやがれ」という作品がどのように誕生したのか、その舞台裏を描いた人間ドラマです。映画界に名を遺す実在の人物たちを、俳優たちが演じています。そうです、実に映画愛に溢れた作品なのです。

主人公は長編映画に初挑戦した偏屈でわがままな映画評論家のゴダール。そのゴダールに振り回されるアメリカの女優ジーン・セバーグ。そしてセバーグを励ましながらひょうひょうと演技を続ける陽気な駆出し俳優のジャン・ポール・ベルモント。もちろんヌーヴェルバーグ革命の戦友フランソワ・トリュフォーも登場する群像劇。

©JeanLouisFernandez

「勝手にしやがれ」が生まれたのは、ド・ゴールが共和国初代大統領に就任したばかりの1959年。アルジェリア戦争への厭戦気分が社会を満たす殺伐とした空気の中、変わらぬパリの甘い空気も流れている、いろいろな匂いが混ざり合った50年代のパリの街。既存の体制にしなやかに闘いを挑んでいった若い映画人たちの姿が何とも清々しいです。彼らの映画の斬新さにいち早く気づいたのが、大島渚や吉田喜重、篠田正浩ら日本の若い監督たちであったことも忘れてはなりません。とにかく、この「ヌーヴェルバーグ」は難しいことを考えずに、「体感」する映画です。

映画好きにとっては、まるで撮影現場で立ち会っているような没入感が味わえるはず。そしてすぐにでも「勝手にしやがれ」をもう一度観たくなるはずです。

映画「ヌーヴェルバーグ」配給:AMGエンタテインメントで全国公開中です。

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