森永康平・古谷経衡、大企業調査と世間の実感のズレを指摘「主要111社調査のからくり。労働者の7割を占める中小企業には配慮がない」
お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ!』(文化放送・毎週月〜金曜11:30~15:00)。8月10日の放送では、大竹に代わり経済アナリストの森永康平氏と、小説家の古谷経衡氏が、共同通信社が取りまとめた主要111社へのアンケート調査結果に関する東京新聞の記事を取り上げた。
森永康平「記事を見ると『景気は今後1年間で緩やかに拡大する』が51%で一応過半数になっていますが、リスナーの皆さんがどう感じるかがすごく大事で、『本当かよ』と思っている方も多いんじゃないかと思います。これにはカラクリがあって、新聞のアンケートは各業界を代表する主要111社、要は大企業を対象にしているんです。日本の労働者の約7割は中小零細企業で働いていますから、事実上、全労働者の1割〜2割くらいを雇っている大企業の感覚がこうであるというだけで、それ以外の人たちは全くこうは思っていないんじゃないかなと思います。
個人消費の低迷に対して政府ができる対策は、教科書通りに言えば『給付』『減税』『利下げ』の3つです。ただ利下げに関しては、日本は逆に利上げを進めているので逆行している。給付もまだ実施できていない。減税に関しては来年4月からの閣議決定をしましたが、食料品だけ1%下げるというやり方には問題があります。店内飲食(10%)とテイクアウト(1%)で9%もの税率差が開けば、コロナ禍の時のように外食産業が大打撃を受け、政策不況を引き起こしてしまい兼ねません。それなら一律5%に引き下げた方がインボイス対応の事務作業も減り、よっぽど効果的です」
古谷経衡「2年後に税率を元に戻すとなったら、むしろ負担感が一気に増して景気が減速しますよね。いっそのこと恒久減税にするのは無理なんでしょうか?」
森永「僕も過去に政治家の方と何回も話したことがあるんですが、彼らは『増税するまでにどれだけの政治家が政治生命をかけてきたと思っているんだ!それを下げるなんてお前馬鹿か』と言ってくるわけです。でも国民からすれば『増税のために政治生命を落とした政治家の話なんか知らんがな』という話で、落としたのは政治生命であって実際に命を落としたわけじゃない。それなのに『下げるのは簡単だが上げるのは難しいから俺たちは下げないんだ』と偉そうに言ってくる。いやいや、それがお前たちの仕事だろうと思うんですよね」
古谷「海外でも期間限定で付加価値税を下げた後、元に戻した時にかえって物価が高騰したという研究結果がありますからね」
森永「結局、中小零細企業に対する配慮が本当に足りていないんです。インボイス制度1つ取っても、個人経営のカフェなどで発行された領収書が経費に落とせないからと、みんな大手チェーン店に流れてしまう。政治家や政策担当者が自分事として捉えていないから、見ている世界が大企業に偏りすぎているのだと思います」
現場の実情や中小企業の声が置き去りにされたまま進む政策に対し、スタジオでは実効性のある支援を求める声が上がった。
〈参考〉
景気拡大、半年で19ポイント減 予想慎重姿勢に、物価高逆風
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