小中学校で「情報」を教科化 「既存の学習を強化した方がいい」
9月1日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、「次期学習指導要領での『情報』の教科化」について意見を交わした。
求められているのは“フェイクニュースに踊らされない良識”と“理知的な観察力”
中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別部会は31日、次期学習指導要領の全体像となる審議まとめ案を示した。人工知能(AI)の普及などデジタル社会の進展を踏まえ、小中学校から「情報」を教科として組み込んで情報活用能力の向上を目標に掲げた。一方、英語ではAIの活用が初めて明記された。
審議まとめ案では、子供を「民主的で持続可能な社会の創り手」と明記した。AIの発達に伴ってインターネット上の誤情報・偽情報(フェイクニュース)が問題になっている中で「社会が分断され、主権者・有権者として適切な判断ができない状況を放置していいのかという問題意識があった」(文科省幹部)という。そのための具体策として、教科の新設を含めて情報教育を大幅に拡充する。
「AIの普及などデジタル社会の進展を踏まえ、小中学校から『情報』を教科として組み込むこの動き。田中さん、こちらはどうでしょう?」(寺島アナ)
「これも程度の問題ですよね。求められているものは一体何なのか? 特に小学校の教育は国語力とか社会に対する基本的な学習、あるいは歴史的な学びに力を入れた方が、フェイクニュースに踊らされないしっかりとした知識を身に付けられるんじゃないかと思います。こういった“情報学習を入れよう”という裏側には、“これで一丁儲けてやろう”という勢力があるわけです」(田中氏)
「ええ」(寺島アナ)
「だから結局“踊らされちゃいけないな”と思いますよ。たしかにフェイクニュースで子供が惑わされてしまうのは社会問題になっているかもしれませんが、そういったところに振り回されず、基礎的な学習をより大切にして欲しいと思います。英語よりも自国の言語をしっかりしないとダメ。もちろん理系科目であるとか、算数の基本的な計算能力ももちろん重要ですよね」(田中氏)
「はい」(寺島アナ)
「だから従来の教育に多少乗せる程度の『情報学習』であればいいですが、ここがクローズアップされて教科の中で重きを置いてしまうと、本末転倒になりかねないと思います」(田中氏)
記事のなかで、東京学芸大・大森直樹教授は「子供にとって必要であることは確かだが、導入には慎重さが求められる。すでに子供の学習環境にはデジタル端末が浸透しており、社会や理科など教科の調べ学習を豊かにさせている面もある。『情報教育のための情報教育』が学習の形骸化を招くことは避けねばならない」と指摘している。
「この大森教授の言っている通りですよね。政府がでたらめに力を入れているものってあるんですよ。そういったものが、いかにその時々の政治的な利害であるとか、あるいは民間や官僚を含む既得権益に振り回されてきたのか。東京学芸大学の教授はその現場に近いところにいると思うので、よく分かっているんでしょうね」(田中氏)
「ええ」(寺島アナ)
「これは個人的な意見ですけど、はっきり言って『情報学習』はいらない。むしろ既存の学習を強化していった方が絶対に得るところは大きいと思います。大森教授が言っている通り、すでに学習の中に入っていて、その中で十分に注意を促していますから。いま求められているのは“フェイクニュースに踊らされない良識”と“理知的な観察力”です」(田中氏)
〈出典〉
小中学校で「情報」を教科に、英語ではAI活用初明記 次期学習指導要領、中教審まとめ案 | 産経新聞
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