国旗損壊罪、海外の「ダンス禁止法」と似たものを感じる
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、6月17日の放送に毎日新聞論説委員でノンフィクション作家の小倉孝保が出演。高市早苗首相の肝いりの政策ともいわれる国旗損壊罪について、かつて海外であった「ダンス禁止法」と比較して解説した。
長野智子「今回の特集タイトル『ダンス禁止法と国旗損壊罪』、どういうことですか?」
小倉孝保「先日、(毎日新聞の)コラムでダンス禁止法を引き合いに出したんですね。私、この国旗損壊罪の議論が盛り上がってきたとき、ヨーロッパでのダンス禁止法の議論と重なるな、と思ったんです」
長野「はい」
小倉「どういうものかというと、1930年代、恐らくヨーロッパでナチス・ドイツが台頭してきて。スウェーデンでも社会をどちらかというと規制する流れが強まってきたときじゃないか、と。レストランやバー、そういうところでダンスを突然踊ってはいけない、という法律です。お客さんが音楽に合わせて踊りたくなるなら、事前に店側が国に申請をして、許可をもらいなさいと」
長野「ええ?」
小倉「通称『即興ダンス禁止法』です。1930年代ぐらいにできて、50年代に強化される。罰則がつく、みたいなことで。ダンス禁止してどうなるの、と感じるでしょう。突き詰めていけば、即興で盛り上がればそれが政府への抗議活動や社会を乱すようなこと、不安定化などにつながる。それを警戒したんだと思う。お客さんがダンスするなら店側が申請して許可をもらいなさい、違反したら店側が罰金、最悪の場合、営業許可の取消しです」
長野「昔の『フットルース』という映画に似ていませんか? 自由に自分を表現することを押さえつける、みたいな」
小倉「今回の国旗損壊罪について思ったのは、国民の多くは『それってどういう効果があるの?』と疑わしく感じるだろう、ということ。国旗の話なら、国を愛する心を育てましょう、ということでしょうが、それに本当につながるのか、と。そういう法律でも、できてしまうとなかなか疑問を挟めなくなる。スウェーデンの場合、お店の人や市民の多くは『おかしいんじゃないの、外国なら簡単に踊っているよ』と」
長野「はい」
小倉「そう思われるのに、廃止しようとなると『また不安定化するんじゃないか』。2016年ごろから国会で議論していて。廃止されたのは2023年、つい最近です。3年前までスウェーデンのバーやレストランで、即興でダンスしたらお店が罰金だったんです」
長野「私、去年スウェーデンに行ったら、みんなABBA(アバ)踊っていましたよ」
小倉「廃止されているから。『ダンシング・クイーン』も、廃止されるまでは『踊らないで』と。僕が何を言いたかったかというと。法律は社会の秩序の維持に必要な部分は多い」
長野「はい」
小倉「一方で個人の自由を、どこかで縛るんですよ。禁止している部分があるのだから。できるだけ本来は、必要なことを確認して、こういう法律はこういう狙いがあって、これに効果があるからつくりましょう、と。効果がハッキリしているものでなく、なんとなく『あったほうがいいんじゃないの』でつくると、それによって自由を制限される部分がある、というのを日本人はもっと、知らないといけないんじゃないか、と」
長野「今回も国旗存在について、野党は『立法事実がない』。日常的に事件が起きて、理不尽に感じている人が多いわけでもない、と」
小倉「よくわからないのにできてしまったら、スウェーデンのダンス禁止法になりかねない、ということです」
「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時~5時、火曜~金曜午後3時~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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