西川美和の最新作『わたしの知らない子どもたち』は「子どもが観られる戦争映画」

西川美和の最新作『わたしの知らない子どもたち』は「子どもが観られる戦争映画」

Share

大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日11時30分~15時)、10月7日の放送に映画監督の西川美和が出演。原案、脚本、監督を務めた映画『わたしの知らない子どもたち』(10月16日公開)について語った。

大竹まこと「映画『わたしの知らない子どもたち』(10月16日全国公開)、観たんです。いろいろなことを感じさせていただけて。一言でいうと『すごい映画だ』。よくお撮りになったな、と思います」

西川美和「発案したのは2020年3月ぐらいです。1作前の『すばらしき世界』という、役所広司さんが主演してくださった映画を、撮影して編集して、あとは音をつけるだけだな、と言っているころでした。そこにコロナ禍がやってきて。それで一度、制作がすべてストップしてしまって。やることがない、次のアイディアでも練るか、となった。『すばらしき世界』という映画にはモデルがいまして」

大竹「はい」

西川「戦後の混乱期、母親に捨てられて戦争孤児たちと同じ時期に街で生きてきた1人の男性で。手を差し伸べてくれるのが裏社会の人たちである、といった中で犯罪に巻き込まれて、刑務所に出たり入ったり、という人生になってしまった。そういうバックグラウンドがあったんですが、幼少期のころから1本の映画にまとめて描く、ということができなくて。その男性が長期の服役から社会復帰を目指す、という後半生を描いたんです」

大竹「うん」

西川「そういう子どもたちが結局、裏社会に吸い込まれたんだな、ということが気になっていたんです。それまでは戦争ものを撮ろう、戦争孤児に知識があった、というわけではない。でももう一度、その時代に子どもたちが街に放り出されて、どう生きたのか。これだけ時間があるなら調べたい、と思ったのが最初でした。そこから調べ始めたんですが、戦後のことだけ調べればいいわけではなく。調べるうちにどんどん時間が経っていきました」

大竹「それが2020年で、ガザのこともウクライナのこともまだだった。期せずして、世界がこうなった。ちょうど重なりましたね」

西川「物語を発案したころは遠い昔のような気がして。世間はコロナからどう回復するか、ということが第一課題でした。戦争は遠いもので、これをつくりあげるころには忘れ去られていく物語だと思っていました。でもそういったことが世界のあちこちで始まって。当初は子どもたちが攻撃される、親を失う、ということがあまり起こらないのでは、と。でも始まるとなかなか止まない。やはり、こういう物語は古くならないんだな、と。残念ながら」

大竹「いまの若い人たちがどう受け止めるかな、という興味がとてもあります」

西川「この題材を思いついたとき、1つ目標をつくりまして。子どもが観られる戦争映画が減っている気がしていたんですね。親やおじいさん、おばあさん世代すら戦争を体験していない子どもが増えてきた。そういう中で81年前の戦争のことを知ることのできる材料って教科書以外になんなんだろう、と思ったとき。子どもや若い人があまり抵抗なく観られる描写、そういうものに限りながら描いていこう、と。届くのかな、という思いもありました。でも最近、長崎で小学6年生、大阪で高校生に観てもらって」

大竹「どうだったんですか?」

西川「ものすごく真剣に観てくれて。まっすぐな目で私たちを迎えてくれました。広島に原爆が落ちて、長崎に原爆が落ちて、8月15日に終戦した、ということは知っていた。でも8月16日から、いまと変わらない平和で豊かな生活が来たと思い込んでいた、という感想が多かったんですね。それが印象的でした。戦争が終わっても戦争は終わらないんだ、と。この映画で主役を演じた小八重葵美(こやえ あみ)ちゃんも、観てくれた子たちも同じような感想をくれました」

このあとも西川が、広島県出身でありながら東京を舞台にした理由、タイトルに込めた思いなど、『わたしの知らない子どもたち』について語った。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午前11時30分~15時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

で開く

※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。

Share

関連記事

この記事の番組情報


大竹まこと ゴールデンラジオ!

大竹まこと ゴールデンラジオ!

月〜金 11:30~15:00

その他の主な出演者

“面白い”けれど”真剣に”、”くだらない”けれど”正直に”。 …