AI全振りで「現場」が消える? 朝日新聞の方針に勅使川原真衣が抱く不安
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。5月13日(水)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、水曜前半レギュラーの組織開発コンサルタント・勅使川原真衣が、最近の報道の在り方や、大手新聞の方針についての不安を吐露した。
勅使川原真衣「今日は『メディアの役割とAIについて』を入り口に、お話ししたいと思っています。ですが、『AIを使うなんて!』みたいな話じゃないですよ、これは。
今日問いたいのは、メディアがAIで何ができるかに夢中になる前に、そもそもですね、『人間の記者がやるべきことをやってますか?』っていうのを話題にしたいと思っています」
武田砂鉄「はい」
勅使川原「もっと言えば、新聞やテレビ、大手メディアが『権力の監視』っていう
本来の自分たちの仕事を本当に果たしているのかどうか。
ここがね、なんか疑問を持たざるを得ない事象があまりに散見されるような気がするので……。
きっかけは直近ですよね。5月11日の参院決算委員会。高市早苗総理が、自らの陣営が他候補を中傷する動画をSNSに投稿したとする週刊文春の報道について問われた際です。このこと自体じゃなくて、その新聞報道を私、扱いたいと思ってるんですけど。
一応、答弁を確認しておくと、立憲民主党の森ゆうこ議員が『動画を大量に流して世論操作をしたという具体的なやり取りが報じられていますけれども、あれ事実無根なんですか? 捏造なら捏造と言えばいいと思うんですけど』という風におっしゃいましたよね。そうすると総理は『そういうことは一切行っていないと報告を受けている』『私は秘書を信じる』などと答弁しました。
で、この時の朝日新聞をチェックしたいんですけど。拝見すると『何々を批判をしたことはないと主張した(マル)』とか、『私は秘書を信じると述べた(マル)』っていう風なところに終始しているわけなんです。
いや、それは事実なんですけども、権力者がこう言いました、以上(マル)って、これ、メディアの仕事なんでしょうか?
権力者の言い分を右から左に流して『はい、報じました』でいいのかどうなのか。
これじゃあ国会中継の文字起こしと変わらないんじゃないかと」
武田「うん……」
勅使川原「私、この手の記事を読むたびに申し訳ないですけども、新聞をはじめとする、いわゆるレガシーメディアってやつですよね。これ、これからどうあろうとしているのかなって、すごく不安になります。
事実を報じれば報道なんでしょうか?
マスメディアの役割、果たせてるんでしょうか?
え、じゃあ文春が報じた具体的なやり取り、私たち何か幻でも見たのかっていうことになっちゃいますよね。
果たして関係者に一度でも当たってるんでしょうか?
SNSの運用の実態、一体どうなってるのか、アカウントがあるわけだから誰が管理してるのかとか、外部業者はどれぐらい入ってるのか、どれぐらいのお金をかけているのかとか。選挙期間中にどのような情報発信がどの程度組織的なものだったのかとか。全部いまだに有耶無耶なままなわけですよね。
これこそ『調べるのが新聞ではないのかな?』と思わざるを得ません。
で、これ面白いのが、それがまあかなり衝撃的だったので。
だって『AIに全振り』って言葉使っちゃってますし。なので、日本経済新聞が朝日新聞のこの社長に、えーと、後日インタビューをしてるんですよね。
その記事が4月に上がっていて、それも話題になっていたというところで、こちらを私参照しました。何が書かれているかというと、角田社長が『AIに日々の取材成果を分析させながら次の取材先を決めるんだ』とか、『考えをまとめるニュースが発生したら背景を素早く取材して、また記事を書いていくんだ』と。で、さらには、この言及、なかなかだったんですけども『AIの普及により、従来のようにデスクが原稿を確認する時代は終わるかもしれない』という風にもおっしゃったと。どうなんですかね、これ。砂鉄さん」
武田「『全振り』っていう言葉とね、そしてこの『スーパージャーナリスト構想』っていうのが出てきた時に『これはまずいぞ』というね。
やっぱり『スーパー』とか『ハイパー』とか付けるっていうのはあまりいい動きではないですから、不安になりましたし。
この朝日新聞社の社長がそういう風にこう『スーパージャーナリスト』であるとか『これからはAIの時代だ』『もうデスクなんていうのはいらないんだ』っていう風に言ったというのは、かなりの衝撃を持って受け止められましたよね、この記事自体がね」
この後も、勅使川原真衣さんが新聞社に対する辛辣な批判や不安を表明しています。気になる方は、radikoのタイムフリーでご確認ください。
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