コロナ禍の特例貸付 当時は“返済の見通し”より“迅速な対応”

田中氏「当時求められたのは迅速な対応だったはず……」

コロナ禍で収入が減った世帯に特例で生活資金を貸し付ける国の制度を巡り、返済免除を求める申請が2022年10月末時点で、貸付総数の3割超（約106万件）に上ることが日本経済新聞の調査で分かりました。

既に約63万件の申請が認められ、約2108億円分の免除が決まっていました。制度全体の見通しの甘さが浮き彫りになった、という指摘もあります。

「田中さん、このニュースはどうご覧になりますか？」（寺島アナ）

「この制度が始まった2020年のコロナ初年度は、緊急事態宣言が発令されて多くの店舗が一時的に休業しなければならなかった。それによって職を失った人がかなりいました。そういう人たちの生活の困窮を救うために、時間が最優先だったわけです。審査について、今だと“甘く”という言い方をしますけど、当時は迅速にやらなければならないので“手続きの簡略化”が最優先されたわけですよね」（田中氏）

さらに、“本当に必要な報道内容”について語った。

「返済が不可能な3割超の世帯は、未だにコロナ禍の影響を引きずっているということですよ。貸付の甘さを叩くよりも、むしろコロナ禍の影響からいち早く脱却するための政策、それを後押しする世論形成が求められるんじゃないですか？」（田中氏）

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