熊本地震で断水も深刻。日本の水道が抱える問題、復旧に時間がかかる理由
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、8月13日の放送に元・日刊スポーツ編集局長でジャーナリストの久保勇人が出演した。熊本地震の発生から2週間が経っても多くの場所で断水が続いている、という現状も踏まえて「地震と水道」をテーマで解説を展開した。
長野智子「地震などがあると本当に水道は復旧に時間がかかります」
久保勇人「阪神淡路大震災のときは完全復旧まで3ヶ月ぐらいかかっています。東日本のときは5ヶ月。10年前の熊本地震で3ヶ月半。能登半島地震で5ヶ月かかっています。熊本県の場合、熊本市は10年前から耐震化をかなり進めていて。数日で割と市内は復旧しているんですね。でも八代市や氷川町といった周辺自治体は耐震化が遅れているせいで水道管の破損や漏水がいたるところで起きている、と」
長野「はい」
久保「現地からの報道を見ると、当事者の方々は、まだ破損や漏水を確認しきれていない部分もあるぐらいだ、と。なぜこんなに時間がかかるかと思いますけど。そもそも水道というのはダムや水源から、まず浄水場に行って、配水池に行って。それから家庭、というように。木の枝のように、幹があってそこから枝が分かれる、みたいなイメージなんですね」
長野「ええ、ええ」
久保「能登半島地震のとき現地の応援に入った、東京都の水道局を取材したことがあるんです。水道局の方々がおっしゃるには、水道の復旧作業は上流から下流に向かって区間を少しずつ区切って、そうした区間に水をいくらか流すようです。流れている間、道の上から聴診器のような、音調棒という棒を地面に当てて。水が流れているかな、漏れているかな、というのを判断するそうです」
長野「はい」
久保「これはおかしい、となったときに初めて道を掘り返して水道管を取り換える、といった作業をしていると。取り替えたら、また水を流すなどして、正常になっているかどうかを確認するまでがセットだ、と。その作業は、あたかも尺取虫のようにジワジワと進んでいくしかないんだ、とおっしゃっていました。それぐらい時間がかかる、と」
長野「日本全国、こうだと老朽化もしている大変でしょうね」
久保「水道管の総延長、日本は75万キロメートルぐらいあるんです。地球と月を往復できるできるほどの距離らしくて。それぐらいあって、現場の方たちが日々、メンテナンスしているという状態です。国はこの水道網のうち、道でいうと国道、鉄道でいう本線みたいな、そういう主要な基幹の水道管のうち、地域で想定される最大地震でも重大な影響を及ぼすことがない割合になっているかどうかを、耐震適合率という言葉で目標にしているんです」
長野「そうなんですか」
久保「だいたい60%ぐらいにしているんですが、24年度末の時点で全国平均44%ぐらい。最も進んでいるのが神奈川で74.4%。60%に達しているのは福島、神奈川、東京、千葉、愛知だけ。最も低い秋田は27%ぐらい、熊本は36%ぐらいで、まだまだなんです。耐震適合率よりさらに厳格な地震への対応の指針として、耐震管率というものがあります。断水の原因として、水道管と水道管のつなぎ目の部分が抜けたり破損したり、というのが多いらしい」
長野「はい」
久保「つなぎ目の部分を、耐震性のある、どんな地震が来てもまず抜けないものに変えているか、という割合を見るのが耐震管率。これでいくと全国平均は29.8%に過ぎません。耐震対応だけを見ても地域格差がすごく大きいんです」
このあとは久保が、地域格差が出る背景についても詳しく解説した。その様子はradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。
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