来年度予算の概算要求、膨らむことの懸念点
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、9月2日の放送に経済評論家の佐藤治彦が出演。「140兆円超えの予算を考える」というテーマで、来年度予算の概算要求において一般会計の総額が膨らむ見通しであることについて解説した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「財務省が先月30日に、日本の来年度予算の概算要求を締め切りました。高市早苗内閣にとって事実上、初めての予算編成となります。その金額を聞いてビックリ、と。一般会計の総額が143兆円前後に膨らむ見通しで。4年連続で過去最大を更新しました。高市政権が責任ある積極財政という看板を掲げて新設した、青天井の投資枠に10兆円を超える要求が集まって。全体を押し上げたかたちです」
長野智子「攻めますよ、強い経済をつくっていきますよ、と言って。すごく概算要求の金額が上がっている、ということですね」
佐藤治彦「この予算に関しては、市場のほうから、ほぼ赤信号の黄色信号が点灯している、と。そういうメッセージが突きつけられています。高市さんは、戦略17分野という、危機管理や成長投資に関して積極的に投資していきます、ということで。官民、合わせて370兆円以上の投資をします、と打ち出した。それを受けての今回の予算ですよね。でも私に言わせると、官はうまくいくことあるんですか、ということですよ」
長野「そのポイントですよね」
佐藤「我々の大切な税金を使って。本当なら災害、教育、福祉など、いろいろなことに使えるお金を回して。それがうまくいくのか、と。例として挙げたいのがクールジャパンです。アニメ、日本食、ポップカルチャー、ゲーム、ファッションなど、日本の文化を世界に売っていきましょう、と。経済産業省がバックについて1300億円、投資をした。日本のアニメってそんな、役所のバックがなかったら世界に売れないのか。そんなことありませんよ」
長野「はい」
佐藤「1300億円、投資してどうなったか。540億円の赤字ですよ。中身を見ればわかります。民間は10%しか出していない。民間が『これは儲かりそう』と思ったらお金を出すでしょう。官しか出していない。そういうものはうまくいかないことが多い」
長野「しかもクールジャパン機構の場合、理事の関係がある会社にばかり、という」
佐藤「変てこなことばかりして、バーッと使われる。17の戦略分野を持つのはいいんですよ。でも民間が日本国内で設備投資をして、もっと儲けよう、という環境をつくることに、より注力してもらいたいんですよ」
長野「こんなことするぐらいなら規制改革、緩和をして。それでも民間企業は、関係者に聞けば『投資しない』と言う。リスクを恐れているなら、リスクをとって失敗したとき政府がフォローアップする、みたいなことをすればいい。丸抱えでこれはどうか、と」
佐藤「民間がやろうとしていることに官が乗っかって、お金を出して。ナントカ機構、ナントカ機構、とつくって。それで予算をつけていく、ということ自体が果たしていいのか。お金を使うだけの価値があるんだろうか、と言ったら、なかなかないことが多く。無謀な予算を立てることにマーケットはノーと言っているわけです」
長野「官民投資以外にも防衛費など、事項要求と。具体的な金額を示さずに事業の項目名岳が記載された要望があります。これが多いんです」
佐藤「だから143兆円で収まらないかもしれないんですよ。こういうことにお金を使いたい、いくらになるかわかりません、必要なだけください。そして私がいちばん心配しているのが、我々の予算がどんどん、利払い費に消えていく、ということなんです」
このあとも佐藤が、予算に関する心配な点を解説した。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。
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