食料品減税、2年間1%にする法案。根本的な議論ができていない
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、9月14日の放送にジャーナリストの二木啓孝が出演。10月5日から始まる見込みの臨時国会を前に、「国民にとってスジの悪い2法案」と題し、食料品減税の法案と衆議院の定数削減法案が抱える問題を解説した。この記事では前者の部分をピックアップする(長野智子は今週、夏休み)。
鈴木純子(文化放送アナウンサー)「食料品減税1%法案については?」
二木啓孝「総選挙が終わってから国民会議やいろいろなことをしたけど。なるほど、と膝を叩く人いるんですかね。きょう閣議決定した政府案って、来年4月から、食料品8%の消費税を1%にします、2年後には8%に戻します、と。2年間は中低所得者に6000億円の現金を給付しますよ、と。どう給付するのか、というのは置いておきましょう。これで7%、4兆3000億円が減収する。年間およそ5兆円、2年間で10兆円が必要だ、となります」
鈴木「はい」
二木「10兆円をどこから出すの、ということです。高市早苗首相は『赤字国債には頼らない』『歳出と歳入を見直す』。そこからひねり出すよ、ということで。来年度の概算要求は143兆円でした。べらぼうに増やした。官民投資で景気を上げるから。ただこの細目(さいもく)、17項目を見ると減税分の補填は入っていないわけです」
鈴木「歳出と歳入、見直したところでね。ちょこっとならどうにかなるかもしれませんけど」
二木「2年で10兆円ですよ。そもそも消費税というのは社会保障に充てる、という建付けになっているわけです。年金、介護、医療保険、教育、子育て。皆さん、最近のニュースで、介護保険の負担が増えます、それから医療保険は医療費も増額します、と。これを削って出すのかな、と想像する。でも今朝の閣議決定でも財源は明確になっていない」
鈴木「明確にならずとも法案って通ってしまうものなんですか」
二木「来月5日から始まる臨時国会で財源の話になると思う。減税にしても増税にしても、根本的な『消費税とは何か』という議論ができていない。偉いとは言わないけど、外国はメリハリがついた税率を既に導入しています。イギリスでは基本税率が20%、軽減税率が5%。軽減税率は家庭用の電気、ガスなんかに適用される。大半の食料品、本、医薬品は0%」
鈴木「そうなんですね」
二木「フランスはどうか。やはり基本税率20%、軽減税率で家の改修、交通費、飲食サービスなどは10%。さらに5.5%が食品、水道、本などが軽減税率になっている。特別税率というのもあって、新聞や雑誌、医薬品の一部もそうなっている。海外に行くと20%って高いね、と思うけど、これは国民が納得している、ということです。先ほど話した、8%を1%にして2年後に戻す、というのは意味がわからない」
鈴木「2年という期間も気になりますね」
二木「高市さん、『私が責任を持って戻します』って。2年後もやる気なんだな、と。消費税そのものが社会保障に引っかかる、原資だ、ということでいうと、いま日本が抱えているのは少子高齢化です。それで10年、15年、20年を目指して。たとえば国民負担率、直間比率をどうするか。その中で社会保障費をどう徴収して、我々が使えるようになるか。そういう話、根本的な議論をしないとわからないでしょう」
鈴木「そうですねえ」
二木「選挙公約で言ってしまった。景気対策として物価が高いから税率を上げます、と。小手先論の税制問題になっている。国民からすると、物価高で消費税が下がるから、という生活実感はあります。でもその先はどうなの、ということです」
放送ではもう1つ、衆議院の定数削減の法案についても二木が解説した。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。
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