詫びているようで詫びていない。よく聞くと変な「国会話法」
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、10月12日の放送にジャーナリストの二木啓孝が出演。「永田町話法〜脅威の詭弁力〜」をテーマに、国会でよく使われる言葉、その実態などを解説した。なお、この日は文化放送で番組休止。北日本放送、西日本放送、高知放送でのオンエアとなった。
鈴木純子(文化放送アナウンサー)「簗和生(やな かずお)農水大臣の『私を支持しなかった首長がいる自治体には予算を削った』という発言がありました。簗大臣は『誤解を生むような発言をした』と言いますが、果たして誤解なのでしょうか。永田町では独特の言い回しが平気で通用しています。きょうは二木啓孝さんに『国会話法』を検証していただきましょう」
長野智子「国会話法、独特の言い回し、ですか」
二木啓孝「国会答弁なんか皆さん、聞き慣れたと思いますが、その言葉だけよく聞くと、恐るべき詭弁の数々。何か言っているように見せて何も言っていない。辞書を引くと『詭弁』とは『一見、もっともらしい推論、ないしは結論。相手を欺いたり困らせたりする議論のときに使われる』と。簡単に言うとウソ、ということです」
長野「昔からあるんですね」
二木「簗大臣、『誤解を招いたとしたら申し訳ない』とよく言うでしょう。謝罪しているように見えるけど、これは詫びていない。私はちゃんと意図を伝えようと思ったけれど、それを誤解した国民が悪い、ということです。『誤解を招いたとしたら』、仮定でしょう? あなたたちが誤解した、僕は悪くない、と。『申し訳ない』は、つけたしですよ」
長野「今回は全然、当てはまらない。何を言っているんだ、と思います」
二木「舌足らずだった、みたいなことも言う。赤ちゃんかよ、と。それと『誠に遺憾に思う』。詫びているかなと思うけど、『遺憾』を辞書で調べると、『謝罪の意味がなく、まずいことが起きたということ』。高市(早苗首相)さんが、トランプ米大統領が国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子さんを制裁対象にする、というときに高市さんは最初『遺憾』と言っていた。昔、岸田文雄首相のときに秘書官の息子が公邸で忘年会を行って。あのとき岸田さんが『誠に遺憾に思う』」
長野「まずいことが起きた、と」
二木「よく言われる『仮定の話にはお答えできない』。質問の回答に窮したりごまかしたりするときの常套句、『仮定の話』。でも政治家って、たとえば災害対策、国民生活といった将来のことに対する想像力、構想力が問われている。それなのに『こういうことになったらどうする?』と聞かれたら『お答えできません』。想像力も構想力もないのか、と。それと皆さんもよく聞いたことがあるでしょう、『答弁を控えさせていただきます』」
長野「変なの」
二木「謙譲語を使っているようだけど、早い話が、答えない、答弁しない、ということ。おもしろい調査があって。立命館大学の櫻井純理教授という方が国会の議事録で『答弁を控えさせていただきます』を調べたと。1970年は7回、安倍晋三政権、菅義偉政権の2017~2019年までは年間500回」
長野「追及されると言いますからね」
二木「この前、国会中継を見ていたら。元の官僚が何度も『答弁を控えさせていただく』。野党が追及したら『だから、控えさせていただくと言っているじゃないか』と。なんかおかしいよね、と」
長野「『答弁を控えさせていただく』誰に対して丁寧に言っているのか」
二木「へりくだっているけど、絶対に答えないぞ、ということですね」
長野「こうして一文、抜き出して聞くと意味不明です」
「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時、文化放送(FM91.6MHz、 AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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