木村草太「軽度の知的障がいのある方が警備員になる資格を否定する法律は違憲とした判決について」
最高裁判所が軽度の知的障がいのある方が警備員になる資格を否定する法律を違憲と判決しました。4月14日の「武田砂鉄ラジオマガジン(文化放送)」では、東京都立大学教授で憲法学者の木村草太がこの判決について解説しました。
木村「原告の方は少し障がいがあるということで財産管理を手伝ってもらう保佐人という制度を使っていました」
西村志野「保佐人ってどういうことなんですか?」
木村「財産を管理したりする時に自分だけでは土地を売ったり、買ったりする契約ができず、保佐人の同意がないと契約ができないようにしておく制度です。そうすると、何か騙されそうになった時に保佐人が『これは危ないですよ』と止めてくれたりするんです。この当時の警備業法ですと、保佐人をつけている人は警備員になれないと定められておりまして、この法律が違憲とされたということなんです。
つまり財産の管理が保佐人の判断が必要だという状況だからといって、生活のあらゆるところで判断能力を欠いているわけではなくて、個別に問題がないというふうに判断されれば、警備員になる資格だって認めても問題ないでしょうという判決が出ました。この時、違憲判決が出たということ自体も非常に興味深いことなんですが、憲法学の観点からみると、もう一つ注目すべき点があります。
保佐人をつけると警備員になれないということですから、具体的には憲法22条が保証する職業選択の自由の侵害だけで違憲の結論を出せるのにもかかわらず、わざわざ平等権や差別されない権利を保証する憲法14条違反も併せて認定しました。
なぜ、わざわざ差別されない権利に言及したのか、恐らく裁判官は保佐人制度の利用者に対する差別感情があるのではないかと考えて、平等権を保証する14条違反、労働権の侵害も認定したのではないかというふうに思われます」
番組では、この他にも木村草太が軽度の知的障がいのある方が警備員になる資格を否定する法律を違憲と判決したことについて語っています。もっと聴きたいという方はradikoのタイムフリー機能でお楽しみ下さい。
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