『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    熟年離婚が増えている?

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』    熟年離婚が増えている?

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情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2023」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定コラム。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。

今回は特別編として、夫婦問題研究家、結婚・離婚カウンセラーの岡野あつこさんをゲストにお迎えした3月3日放送のダイジェストをご紹介します!

熟年離婚が増えている

大垣
最近の離婚の傾向は?

岡野
熟年離婚が結構増えています。過去最高、離婚全体の2割、20.15%の方たちが熟年離婚している。これは数的に凄いことなんです。

大垣
熟年離婚の定義は?

岡野
結婚生活20年以上で、子どもの手が離れている、と言うのが熟年の定義ですね。子どもがまだ小さい場合は熟年には入りません。

残間
80年代、バブルの頃にも熟年の離婚は多かったですよね。そこからずっと増え続けている?

岡野
そうですね。2007年に年金分割が施行されて、さぞや離婚が増えるだろうと言われたんですけど、実際のところは増えませんでした。それがこの頃、コロナもあって、夫婦が家の中で一緒にいるから、熟年離婚の傾向が要するに…定年退職して熟年離婚、毎日顔を突き合わせるから。
それが若い人たちの世代に、コロナによって熟年離婚傾向が移ってきているような感じです。

大垣
20年ということは、50歳くらい?

岡野
そうですね。30で結婚したとして、50代ですよね。

大垣
ちょっと前、濡れ落ち葉離婚っていうのがありましたよね。べったりくっついてうっとおしいっていう。当時も熟年離婚って言葉がありましたけど、その頃は、言われてるほどは離婚件数はなかったんですか?

岡野
そうなんです。やっぱり経済的な問題とか、女性が社会になかなか進出できなかったから、もう年取ってから仕事もなかなかないっていうところで。皆さん、ガマンの人生だったんです。

残間
それがガマンしなくなった?

岡野
はい。今はホント長生きの時代になっちゃって。あと、いろんなコミュニティができていて、友達もいる。だからガマンしなくなりましたね。

大垣
確かに55くらいだったら…まあ、別にね。

岡野
そう、まだまだ。

残間
確かに人生が100年とか言われると、えー、この男とあと50年もいるのかと思うとイヤになるもんね。

岡野
残間さんとか私とかはね、早くにね、もう…まだまだ人生があるみたいな。トツゲキ~みたいな(笑)。

夫が死ぬまで待てない!?

残間
最近、長く結婚生活を続けている、60過ぎても一緒にいる人たちも、それはそれでありだな、って。結婚って60以降までガマンした人はそれなりに落ち着いてる人多いけど。でも一方では70代でも離婚してる人いますね。

岡野
そうですね。70代でも本当に夫の度重なる浮気だとか…

大垣
70で!?

岡野
はい。70代でも…大垣先生のご専門ですけど、お金のことで揉めるんですよ。離婚しないと財産を分けられないから。夫が自分の通帳にお金を貯めてたら、それを妻は使えないわけですよ。離婚することによって、財産分与で半分もらえるから。この人といてもお金が回ってこないと思ったら、死ぬまで待ってられないって(笑)。離婚しちゃう人が、70代でも多いんです。

大垣
年金分割はね、あんまし得じゃないですよね。やっぱり財産を分けてもらうってことですね。

岡野
そうですね。

残間
なんか男の人って、定年するとケチになる人が多くなって。奥さんがイヤになるんだよね。

岡野
ホントそうなんです。

鈴木
そうなんですか…(笑)。

大垣
そういうこと言われてもしょうがないよね、お金がなくなるんだからね(笑)。

残間
そうは言っても、昔は女の人が夫の給料が振り込まれる通帳持ってて、お金は自由になったけど、そうでもないのかな。

大垣
というか、男がもう55歳ぐらいから役職定年だ、定年になって給料下がって、延長になってまたしがみついて…みたいな、本当に会社に濡れ落ち葉みたいになってくると、魅力がなくなるんじゃないかしら。

岡野
濡れ落ち葉くらいはまだかわいいもので、やっぱり「オレの金だ」って言い出す。もう世の中は「二人のお金」って、そういう時代になってるのに、「オレが一人で稼いで一人で貯めたお金だから全部オレの金だ」って言って、奥さんがブチッってキレちゃう。

大垣
それはダメだね。

残間
だからやっぱり離婚して、ちゃんと財産分与してもらおうって思うんですよ。

やり直すにはどうすれば

鈴木
岡野さんは、ふだん、どんな離婚の相談にのっていらっしゃるんでしょう?

岡野
そうですね、うちにいらっしゃるのは、離婚したくない、夫婦を修復したいという人が半分以上なんですね。男性も女性も、離婚したくない人が、どうやったらやり直せるんだろうって。

大垣
まあそうでしょうね。離婚しちゃうんだったら弁護士さんとこに行きますよね。

岡野
そうなんです。離婚だとお金のこと、法律がからんでくるから弁護士さんとこに行くんですけど。ほとんどが「やり直したい」「どうしたらいいだろう」っていうところで。でも、もううちに来るときはそうとうヒビが入っちゃってるので。それを直すのはやっぱり、けっこう至難の業なんです。

大垣
男性と女性、どちらが多いですか?

岡野
近頃は男性も多くて。それこそ、もう奥さんに引導を渡されて。もうあなたとは離婚よ、って家を出てかれちゃってから、慌ててくる人が。で、たいがいの理由が「モラハラ」。モラル・ハラスメントって言って、やっぱり言葉とか態度の暴力で。もう、奥さんが、気づかないうちに体がおかしくなっちゃったりしている。

残間
反省しながら来るの?

岡野
しながら、どころじゃなくて、もう本当に反省して、頭こすりつけて、土下座してもいいぐらいの気持ちで。だけどもうダメなの、奥さんの方は。

大垣
喫水線越えちゃうんですね。

残間
でも男性の方は急には変えられないでしょう。

岡野
でも、子どもとか、奥さんの親…身内の力を借りて、説得すれば、その中の何%か3,4割程度は戻すことができるんですよ。子どもがかわいい、親が大切ということで。

大垣
男性は何歳ぐらいの方が多いんですか。

岡野
やっぱり50代…40代の人も多いですね。

「夫婦がベストパートナーに変わる」魔法を教えます

大垣
岡野さんのご著書に「夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法」があります。これを聞かれている男性の皆さんは、危機に陥る前にその「魔法」を聞きたいだろうと思うのですが…。

岡野
まず、夫婦ってお互いを尊敬したり、認めあったりがあってこそで。上下関係を作ったら、そこがなかなかうまくいかないんで。仕事で上下関係があったとしても、家の中ではホントに対等。

大垣
でも40代ってことは。僕らより20ぐらい下でしょう。確かに僕らの世代は、そういう上下関係があったかもしれないけど、2回りぐらい下の世代でも、男女の上下関係とか、あるんですか。

岡野
そうなんですよ。団塊ジュニア世代とか、そのへんの人たちは、やっぱり親を見て育ってるから。父親が威張ってるのを見て育ってたりすると、けっこう、平等感覚がなくて。

残間
団塊世代って、一見男女平等のようでも、根っこは親が明治、大正の人だったりするから、絶対あるよね、男尊女卑みたいのがね。

岡野
それがまだまだ残ってて、そういうのがやっぱり夫婦生活に出てくるから、家事も分担しない、分担してても女性から見たら不満足。家事・育児のところでけっこう、40代の方たちっていうのは、揉めて、揉めてきてる…っていう感じですね。

大垣
あんまり変わってないんだね。

残間
最近のイクメンとかっていうのは、もっと若い? 30代後半とか…

岡野
そうですね。

大垣
どっかで急に変わるんだね。

岡野
住んでる地方によっても風習があるから。やっぱり育った環境っていうのが、すごく影響してますね。

残間
この番組って「家」がテーマなんだけど。離婚のときに、家とか財産ってどんなふうになるの? 女の人はさっさと捨てて家を出てっちゃうの?

大垣
家は分けちゃうんですよね。

岡野
いや、それが、なかなか…家に思い入れがあって。もう、こっちに住みたいという攻防戦があったりして…。

大垣
そんなこともあるんですか!?

岡野
はい。売って仲良く半分に分ければいいけど、ローンの借金があるとそう簡単に売れなかったり…。家問題は、離婚には永遠に付き物なんです。

まずは「心をこめて挨拶」

岡野
やっぱり、気持ちが大切。やり直すんだっていう覚悟が大切なんですよ。そして、まず自分をあらわさなきゃいけないから、第1章の1では「心をこめて挨拶する」っていうところから入れてるんですけど。

残間
挨拶? 夫婦で?

岡野
そうです。「おはよう」とか「おかえり」とかっていうところから。おざなりに言ってると伝わらないんで。朝から「おはよう!」って明るく笑顔で言う、っていうのが大切で。そういうのがね、やっぱり、伝わっていくんですよ。毎日毎日、やっていくと。ホントに、2週間ぐらい続けると、今までがヒドかったから、けっこう効果があったりして(笑)。

あと、割と具体的にどうしたらって…さっきも言ったように、本当に…相手の親に、頭の上がらない人に頼む。それか、かわいい子どもに頼んで、「離婚しないで」って言ってもらうとか。そういう回りをビリヤード方式で使う、というのもあります。

そして本当に、弁護士さんを頼むときにも、…浮気の慰謝料請求をするときも、愛人をあまり怒らせちゃうと、取られちゃいかねないので、そういう時は、ちょっとこう…穏便な先生に頼みながら「もうあなたがこれ以上しなければ、これぐらいの慰謝料にしてあげるけど。もしうちの夫ともう一回連絡とったらこれだけ戴くわよ」みたいな、二段階論法で。そうやって取り戻すというのもあります。

残間
それでちゃんと修復して、仲良くなっちゃう人もいるの?

岡野
浮気じゃない場合は、けっこうありますね。誤解が解けたりして。

残間
第三者に入ってもらうことで、お互いが分かるっていうことがあるんですね。

パートナーの立場で「説明」

岡野
相手の立場に立って、相手がどういう気持ちでこういうことをしたのかっていうのを考えるとけっこう分かって。とにかく夫が子どもをいじめる、私にもひどい嫌がらせばっかりするって言うんだけど。ここはなぜかって言ったら、この夫が、奥さんが、もう息子と犬をかわいがって。旦那をおざなりにしてるから。もう旦那は意地悪で返してくるっていう、コドモみたいな旦那なわけ。奥さん7つも年上なんだけど、…まあ、そういうことで、なんか、奥さんに甘えたいのに甘えられないっていう、その若い旦那さんの葛藤が…息子へのイジメという形で出てくるわけ。

大垣
そういうの、あるかもね。

残間
僕の妻のはずだったのに、母親になっちゃって。

岡野
そう。だからそれも、奥さんが旦那のその寂しい気持ちを分かってあげれば、直ることなんだけど。でもね、その奥さん、面白いんですよ。「もうやってらんない」「そんな人なんですか?」とか言ってて。じゃあ、別居して出ていったら? って言うと「うーん…」って考えちゃって。まだ愛情があるわけですよ。…っていうのを、ひも解いてって、くっつけてあげる、というのが、割と職人技で、楽しいです。この仕事は(笑)

残間
別れた方がいいのに、って言う人もいるでしょう?

岡野
残間さんなら一発でそう言っちゃうと思うんだけど。「そんなのガマンしとくことないわよ」って(笑)。未来の女ですから。でも、やっぱりそこには情とか、いろんな思いがあって…。その人は経済力もあるんですよ。だけど情とかが、絡んできて。旦那の気持ちが分かってないから、どうしても誤解して「ひどい旦那だ」って。

残間
そういうことを、知ってる友達じゃなくて、知らない第三者である岡野さんに聞いてもらうことで分かる、ってことがあるんだね。

岡野
普通の人は、その奥さんに相談されたら、その人の立場になっちゃうわけ。パートナーの立場になれないから。でも私が、パートナーの立場になって説明してあげると「えー!」ってなって。すごいんですよ、これが。

残間
妻側の友達は妻を擁護するしね。夫側は夫を擁護するから、それじゃダメなのね。

岡野
そう。だから素人とか友達に相談してると、どうしても一つの考えしか出てこないけど。カウンセラーみたいなプロに相談すると、いくつかの考え方があって、それを長年暮らした奥さんが「あ、うちの夫はこういう考えの人です」って、結論が出てくるんです。

鈴木
やっぱりプロに相談するのも、一つの選択肢ですよね。
岡野あつこさんの著書「夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法」はサンマーク出版から定価1760円で発売中です。ぜひお手に取ってご覧ください。

残間
いろんなノウハウが書かれていますからね。

鈴木
ありがとうございました。今日のお客様は岡野あつこさんでした。

大垣尚司 プロフィール
青山学院大学 法学部教授、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構代表理事。

第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。

東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」(現、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』など。

家とお金に関するご質問、お待ちしてます
番組では、家とお金にまつわるメールやご質問をお待ちしています。
宛先は、otona@joqr.netまで。

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。必ず最新の情報をご確認ください。

お知らせ
パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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