国旗損壊罪の議論、国民のためになっているのか
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、6月29日の放送に政治ジャーナリストの角谷浩一が出演。議論が続く国旗損壊罪について、疑問に思う点を語った。
鈴木純子(文化放送アナウンサー)「国旗損壊罪について、6月25日の衆議院内閣委員会の裁決が通りました。法案の賛成側に国民民主党や参政党も入ったことから、参議院でも過半数で採決される見込みです」
長野智子「衆議院内閣委員会で日本維新の会の横田光弘議員、志田陽子参考人の意見交換が行われた、ということですね。一連の審議をご覧になって、いかがですか?」
角谷浩一「刑罰が伴うようなことよりも、敬うものに対しての道徳的な感覚って、日本人はどちらかといえば高い民族だと思うんです。法律に定めなくても、こういうことをしてはいけない、すべきだ、という道徳心がありますよね」
長野「はい」
角谷「最近、政府が法律にしようとしている者は、内心の自由というか、心にあるものに対して強制力を持たせることのように思うんですね。国旗を敬えと言うなら、祝日に掲揚しないことはどうして咎めないのか、という議論はなぜされないのか、という話です」
長野「そこですよね」
角谷「国旗損壊罪が制定されることで逮捕される人ってあまりいないと思うんですよ。立法事実がない。もし問題があるとすれば、国旗を破るなどする行為の前に、暴れる段階で公務執行妨害になって、そこまではたどりつかない。だけどこうやって国が決めたことに従わないといけませんよ、という法律が1つ2つ3つ4つと増えていくことで、やはり窮屈な社会が生まれる、ということを感じるべきでは、と」
長野「高市首相が2024年に政調会長としてこの法案を出した時点では『国家の象徴を侮辱する行為を処罰したい』という意図が明確にあった、ということです」
角谷「外国の国旗だと処罰されるのに日本の国旗だとされないのか、という理屈だけど、外交問題になるからですよ。国内については、国からひどい目に遭った、と思っている人は必ずいる。そうなる人がいない社会をつくるのが政治の仕事であって。これを敬え、というのは国会議員の仕事ではないと思う」
長野「衆議院内閣委員会で、憲法研究者の志田陽子さんが参考人として出て。『不快感や嫌悪感を処罰の根拠や構成要件とすることは非常に危うい、ということを大きな原則として述べたい』と。誰を不快にさせるからなのか」
角谷「逮捕者がいないような法律をつくるかもしれない。全体的に窮屈にしていくこと自体が、何を目的にしているのかわからない、不安だ。そうなるのではないでしょうか」
長野「選択的夫婦別姓制度のときなんかも、与党は『社会の理解が追いついていないからまだ審議は早い』みたいなことを言う。憲法研究者からも疑問が呈されているのに、審議時間は極めて短い」
角谷「たとえば連立のためだとか、総理がやりたがっているから、とか。事情が国民のためではないんですね。国民は物価などで困っている。2月の選挙ではみんな、消費税をこうします、と言っていた。いまは誰も言わない。経済や物価高問題ではなく、国旗損壊罪を法律にしないとダメだ、ということが最優先事項だ、と。それは違うんじゃないか、と思います」
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