木村草太「日本の家族法は欧米の家族法より遅れているのか?」
日本の家族法は欧米の家族法と比べ、遅れているのでしょうか?
7月28日の「武田砂鉄ラジオマガジン(文化放送)」では、憲法学者で東京都立大学教授の木村草太がこの問題について語りました。
木村「日本の家族法は欧米の家族法に比べ、遅れていると言われます。それは法学者の中にもある感覚ですし、一般の方にもそういう感覚があるんじゃないかと思います。
確かに同性婚や選択的夫婦別姓などを考えますと、そう言われても仕方がないという面があるかもしれません。しかし欧米の家族法の裏側を見てみますと、問題は単純ではないということがわかります。もともと欧米の家族法というのはキリスト教の影響を強く受けてきた分野でして、20世紀に入っても離婚が難しかったり、婚外子差別が苛烈だったり、マイナスの面も多く抱えておりました。
男尊女卑の制度という面からみますと、日本は新憲法の施行に伴い、1948年の家族法で男女平等を実現します。これはあまり知られていないのですが、ドイツやフランスでは男女平等が実現したのは1960~70年代の話でして、例えばフランスでは1970年代までは子どもの親権は父親のものとされており、妻が働くには夫の許可が必要といった男尊女卑的な内容が多く残っていました。ドイツでは婚姻後は夫の姓にするというのが原則だよという条文が最近まで残っておりましたし、アメリカの保守的な州では、今でも婚姻後は夫の氏にするのが原則だという条文が残っていたりしまして、別姓は選択できるけど、条文の内容を見てみると、かなり保守的で男尊女卑的な条文が残っているんです。親権を巡るトラブルを見てみますと、男尊女卑が過去のものとはとても言い難い面が見られます。欧米の家族法は進んでいるという議論は、きちんと欧米家族法の裏側まで見て考えて欲しいと思います」
番組では、この他にも木村草太がこの問題について語っています。
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