「科学否定論」「地球平面説」とは何か
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日11時30分~15時)、9月9日の放送に社会学者で大阪大学大学院人間科学研究科の准教授、松村一志が出演した。6月に発売した著書『科学否定論はなぜ人をひきつけるのか——地球平面説から反ワクチンまで』の内容について語った(大竹まことはお休み)。
水谷加奈「本は『科学否定論はなぜ人をひきつけるのか——地球平面説から反ワクチンまで』というタイトルです。科学否定論とは何か、と聞く前に。帯にもある『地球平面説』とは何か、というところから伺います」
松村一志「その名のとおり、地球が平面である、という説です。疑似科学、ニセ科学とされています。あまり耳慣れないかなと。昨今、アメリカを中心に広がってきていて。英語で2010年代の後半ぐらいからYouTubeなどで『地球は平面である』と主張している動画が出てきて。たとえばNBA選手らがその立場で発信して話題となった。日本にも少しずつ入ってきている。地球も『球』と入っていて、みんな球体だと思っています。平面説は、地球がまあるい平面で、真ん中が北極、外周の部分が南極になって、南側が開かれて平面になっている、みたいな。『トゥルーマン・ショー』のような感じのものです」
水谷「あ~、そうなんですね」
松村「それにボール状の半球が平面の上に乗っていて、そこに天体がついている、そういう感じの説なんです。中心は球体でない、と主張しているところから、球体でなければ平面で、どんな形なのか、と議論している人たちがいる、そういうことです」
水谷「なぜ『平面だ』となるんですか?」
松村「たとえばどういう説明があるかというと。普通、世の中では地球が球体である、という画像を見ています。でも自分の目で見たことはない、宇宙に行っていないから。写真や教科書で知っているけど、これがウソだったらどうなるんだ、という考え方です」
水谷「理屈は通らないですよね」
松村「今、私が仮に地球平面説的な立場だとして話します。たとえば地球はものすごい速さで回転している。でも体感はない。体感的にはそうかも、と思ってしまうような理屈がいっぱい用意されていて。読んでいくと、確かに地球は平面かも、と感じるようなタイプの議論になっています」
砂山圭大郎「地球は丸い、と思っている人がそっちに移ってしまう、ということも?」
松村「そうですね。普通は球体だと思っているけど、平面説に触れて『あれ? 平面かも』と思っていく、ということで、けっこう不思議な現象というか」
水谷「平面説が正しいと思う人たちは、何をしたいんですか?」
松村「人によってモチベーションが違うところがあるので、いろいろだとは思います。たとえばみんなNASAの画像を受け入れている。そういう外から来ている情報で我々の知識の世界はできています。それを疑ってみよう、というのをメディアリテラシーとも呼ぶ。モチベーション的にはそれに似ている、というか。自分の経験していないことを信じていいのか、と言っている人もいます」
水谷「はい」
松村「もっと趣味的に楽しんでいる、そんなに信じていないけど楽しく見ている、という人もいます。モチベーションは人それぞれです。意外とクリティカルというか批判的にモノを見よう、という発想を持った人もいる、ということです」
番組では松村が、著書名にある「科学否定論」についても詳しく説明した。その様子はradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。
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