不登校の子を持つ親に知って欲しい、「介護休業制度」の正しい使い方
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄 ラジオマガジン」(文化放送)。8月27日(木)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、木曜前半レギュラーの日本文学者・ロバート キャンベルが、不登校の子供を持った親が仕事を辞めずに休むことが出来る制度について、詳しく語った。
ロバート キャンベル「砂鉄さん。来週の火曜日でもう9月になるわけですよね」
武田砂鉄「そうですね」
キャンベル「ということは、東京都内の小中高校の夏休みの最後の日が月曜日で、翌日始業式があるわけですけれども、私は毎年この時期のカレンダーを見て、思い出すのがいわゆる『9月1日問題』というものなんですよね。
厚労省の今年3月に発表した統計によると、昨年の1年間に自殺してしまった小中高生は538人で、統計がとられて以来最も多くなっているということなんですね。
全体では自殺者数は前年よりは減ってはいるけれど、子供だけが増え続けていて過去最多を更新したというニュースがありました」
武田「はい」
キャンベル「主な原因はいじめや人間関係、進路に関する悩みなどと言われているわけですけれども、同じプレッシャーが多くの生徒たちに共有されていて、これはもう英語の辞書にも載ってしまっているわけですけれども、不登校の原因とも共通しています。今年不登校生が35万人を超え、12年連続で増加をしているわけですね。
一方では不登校の保護者、親たちも仕事と子供の養育の板挟みになっていて、離職に追い込まれる、いわゆる『不登校離職』というのが、深刻な社会問題になっているわけです。今日はその話について少しさせていただこうと思います。
最近の不登校の状況で注目すべきは小学生の増加なんですね。過去10年間で小学生の不登校は5倍に増えているけれど、学年別で見ると小学校1年生が6.5倍、2年生が6.7倍という具合に、日中の見守りが不可欠な低学年の子供たちの不登校が急増しています。
7月に厚労省が発表した国民生活基礎調査というのを見ますと、18歳未満の子供を持つ母親の就業率が81%と過去最高を記録していて、つまりほとんどが共働きであり、養育のかなりの部分は家庭にもよりますけれども、やっぱり母親に頼っているという状況です。
まあ朝になってみないと子供の状態が読めない不確実性ですとか、いつも自宅で誰かが見守りをしないといけないということで、これは民間団体の調査ですけれども、不登校の保護者のおよそ5人に1人が離職を余儀なくされたという実態が、浮き彫りになっているわけです」
武田「はい」
キャンベル「専門家に話を聞きますと、学校への行き渋りが始まる、いわゆるその初期の兆しが強くなってくる時が一番混乱が起きやすくて、親が追い詰められるまま進んでいくと、パニックに陥って、子供を守るか仕事をとるかっていう板挟みになって、結局離職や転職に踏み切ることが多いそうです。保護者たちの立場からすれば、もはや日常の延長ではなくて、例えば親の介護と同じぐらいにエネルギーやリソースを必要とする状況になっているということなんですね。
で、先々月の参議院厚生労働委員会で答弁がありまして、大臣の『不登校を契機に保護者が望まない離職に追い込まれることがあるのは大きな問題だ』という発言があったばかりで、やはり国もいよいよ不登校離職を雇用の課題として認識していることがわかりますね。
しかしあまり知られていないことですけれど、法律で定められた『介護休業制度』っていうのがあって、これは不登校家庭でも活用はできます。行政が使いましょうというふうに呼びかけているにもかかわらず、介護休業の利用者が全く増えていない。その背景には企業も労働者も、介護休業とは高齢の親のため、あるいは障害を持った家族のためだというふうに認識していて、かなり強い誤解があると言われているわけですね」
武田「はい」
キャンベル「よくある誤解を具体的に言いますと、例えば『介護休業は親やおじいさんおばあさんにしか使えない』とか、『医師の判断、つまり診断書がなければ休むことはできない』とか、『1回しか使えない』とか、『アルバイトでは使えないんじゃないか』とか、『会社の就業規則には書いてないから使えない』とか、『無収入になるんじゃないか』っていうように、いくつも誤解があるんですね。
厚労省には『介護休業制度』を使えるかどうかの判断基準というものがあって、しかしそれは厳密にとらわれず、個別の事情に応じた適切な対応を呼びかけているわけですね。
先ほど申し上げましたように、『介護休業制度』は実際には不登校家庭、共働きや一人親世代で苦労してる人たちも利用できるようになっているんですね。
で、その制度を使うことで、国から介護する人に対し、最大93日間分、給与のおよそ67%が給付金として支払われますし、勤務先にも助成金が入るので、これは親にとっても雇用主にとってもかなりメリットがあるっていうこと。これは国も主張しています」
武田「親にしても企業側にしてもそれを知らなければ、『ああ、もうそういう状態になったらやっぱり会社辞めなければならないな』っていうふうに思ってしまう。
会社側もそれを知らなければ、『いや、こんな状態で休まれたら困るんですけど』っていうふうな言葉とか態度を出してしまうんですね」
「介護休業制度」を認知させるための、ロバート キャンベルさんのお話はまだまだ続きます。後半には「不登校離職を解消するための初めての電子ツール」の紹介もありますので、気になる方は、radikoのタイムフリーでご確認ください。
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