ヨーロッパで安楽死の合法化をめぐる議論が起きている
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、9月23日の放送に毎日新聞論説委員でノンフィクション作家の小倉孝保が出演。ヨーロッパで議論が起きているという、安楽死の合法化について解説した。
小倉孝保「2014年か15年だったと思います。イギリス人で生活に疲れた、病気で治る可能性がない、という人がスイスまで自殺のために行く、安楽死ツーリズムみたいなものがたくさん出ている、と話題になっていたんです。イギリスでも自分の死ぬ権利を認めるべきでは、という雰囲気が高まっているときでした。80代後半ぐらいの女性でひとり暮らしをされていて、生涯結婚せず、子供もいない。でも健康、という方がいました」
長野智子「はい」
小倉「その人はスイスまで行って安楽死をした。なぜ、したかというのが話題で。デジタル化社会についていけない、と。どんどんネットなどが出てくる。本人は高校か中学のフランス語の教師をしていた。フランス語と英語ができるからスイスの人とも直接、やりとりができて。自分は死を選びたい、と。それについて賛否両論がありますよね」
長野「ええ」
小倉「喧々諤々の話が出てきた。1人では行けないんです。必ず誰かがついていって、2回、本人の意思を確認して。本当に大丈夫ですね、選ぶんですね、と。スイスの場合は医者が措置するのではなく、自分で最後のスイッチを押す。僕、ついていった姪御さんに、なぜそうなったか、家族はどう反応したか、と聞いて。姪は2人いて。上の姪に最初、相談したら、そんなことは許されない、と。体が平気なのにデジタル社会についていけないから死を選ぶなんて許されない、支援したくない、と断った」
長野「はい」
小倉「もう片方の姪が、『でもあの人、1人でこれからどう生きていくか悩んでいる。死ぬ権利も認めてあげたら?』ということでついていって、見届けた」
長野「これは難しい問題ですね」
小倉「イギリスがそれを認める法律をつくろうとしたら今回、否決されたんですね。細部は違うけれど、同じような法律。7月にフランスは法律を通している。ヨーロッパの英仏で対応がまったく違った、という現象が起きた。日本で詳しい人があまりいないので簡単に誤解の内容、説明しますね」
長野「はい」
小倉「安楽死といってもいろいろと種類があって。たとえば『積極的安楽死』と呼ばれる、お医者さんが直接、薬を投与、処方などして自殺させる、という方法です」
長野「不治の病で治らない、というような方」
小倉「先ほど話したスイスの例は非常に稀です。ほとんどが余命を宣告されて、それが6ヶ月以内で、苦痛を避ける方法がない場合など。どうしようもないときに、ということが多い。もう1つ、医師はそういうことを行わない、薬なんかをもらって自分でやる、医者はそれを幇助(ほうじょ)する、という方法です。これは『自殺幇助』というんですね。『消極的安楽死』の場合は、主に尊厳死にすごく近い」
長野「はい」
小倉「無意味な延命治療をしない。心臓マッサージしなくていい、こういう措置をしたら2、3日が延びるかもしれない、というときに家族が『もう本人は希望していないからやめてください』。これも尊厳死、もしくは消極的安楽死と考えたほうがいいのでは、というところがあります」
「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時~5時、火曜~金曜午後3時~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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