ポーランドとウクライナの間に歴史認識の溝。向こうの英雄も逆からは違って見える

ポーランドとウクライナの間に歴史認識の溝。向こうの英雄も逆からは違って見える

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ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、7月15日の放送に毎日新聞論説委員でノンフィクション作家の小倉孝保が出演。ポーランドとウクライナの間に亀裂が生じ始めた、というニュースについて解説した。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「ロシアとウクライナがまた攻撃の応酬、という感じになっています。そんな中、ロシアによるウクライナへの侵攻開始以降、最も積極的に難民を受け入れて軍事面の支援を行ってきた国の1つであるポーランドとウクライナの間に亀裂が生じ始めています。ポーランドはウクライナのゼレンスキー大統領に授与した最高位の勲章を剥奪する、と発表しました。なぜそのような事態になっているのでしょうか」

長野智子「ポーランドとウクライナの間に何が起きたのでしょうか?」

小倉孝保「もともとの話をすると。ポーランドの白鷲勲章というのがあるらしくて。国家元首らに与える最高位の勲章とされているものです。2023年にポーランドがウクライナのゼレンスキー大統領に授与したらしいんですね」

長野「はい」

小倉「ロシアに攻撃されているところを一生懸命、がんばってくれている、戦ってくれている、ということで。ポーランドはロシアの脅威をすごく感じている国なので。そのポーランドがゼレンスキーさんに、非常に不信感を持った事柄が今年5月にあったんです」

長野「今年の5月」

小倉「何かといえばウクライナの精鋭コマンドの1つに『ウクライナ蜂起軍の英雄』という名誉称号を与えたんです。ウクライナの中でロシアと戦う精鋭コマンドに、あなたたちは英雄だ、と」

長野「特殊部隊みたいな人たちですね」

小倉「それがポーランドにとっては屈辱的な名前だったんです。1943年から45年ぐらいにかけて。だから第2次世界大戦中に、現在のウクライナ領、だけどかつてポーランド領だったところで大虐殺事件があったんです。ポーランド系住民の10万人ぐらいが死んだと。虐殺したコマンドの名前がウクライナ蜂起軍だったんです」

長野「UPAというようで」

小倉「UPA、ウクライナ蜂起軍というのは、ウクライナ人にとっては、今度は独立の英雄でもある。対ソ連共産党であるとか。そこに挑んで、いい戦いをしたと。でも一時、ナチス・ドイツが攻めていたとき、ナチス・ドイツと旧ソ連軍は非常に激しい戦いを、いまのウクライナで実行している。そのときUPA、ウクライナ人でつくっている部隊が、ナチス・ドイツ側について、ソ連共産党軍と戦ったと」

長野「はい」

小倉「そのときポーランド人も殺しているわけです。ポーランド側にとっては、UPAというのは自分たち側を虐殺したとんでもない部隊、という記録なんです」

長野「歴史認識の溝、みたいな」

小倉「ウクライナ人にとって、この人たちは祖国の英雄です。ゼレンスキーさんは、いま戦っているウクライナの部隊に対して、祖国の英雄の称号を与えて、称えていることを伝えたかったんだと思う。でもポーランド人から見たら、自分たちのおじいちゃん、おばあちゃんが殺されている。ゼレンスキーさんが不用意だったと思います」

「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時~5時、火曜~金曜午後3時~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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