長期金利3%、30年ぶりの高水準 片岡剛士氏「デフレからの本格的な復帰」
10月1日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、エコノミスト・片岡剛士氏と寺島尚正アナウンサーが、長期金利の上昇による2027年度予算への影響に関するニュースについて意見を交わした。

片岡氏「財政が悪いから長期金利がその分上がっているっていうのは、あんまり信憑性がない」
長期金利が3%前後という30年ぶりの高水準で推移するなか、政府は年末にかけて綱渡りの予算編成を迫られる。2027年度予算を巡り、経済財政諮問会議の民間議員は市場動向をふまえて政策の総点検を求めた。国債費の増加が重荷となる。
長期金利の指標となる10年物国債の利回りは世界的な金利上昇などを受け、3%前後まで上昇している。9月1日に30年ぶりに3%の大台に達した。利払い費が膨らむ流れにある。
寺島アナ「長期金利の上昇で、利払い費が膨らんで予算編成に影響すると。まず、長期金利の歴史的な水準ですが、これはどうご覧になりますか?」
片岡氏「30年ぶりっていうのがキーワードなんだと思うんですよね。ちょうど30年ぶりっていうことは、30年前の長期停滞を乗り越えて、ようやく金利が元に戻ったと。デフレの状況からの本格的な復帰っていうところが、この長期金利3%っていう話に集約されているんだと思うんですよ」
寺島アナ「はい」
片岡氏「長期金利って、なんで上がるのかっていうことなんですよね。一つは“短期の金利が上がっているから”っていう要素ですよね。『金利の期間構造』っていうような言い方をするんですけれども。いま日銀がいちばん短期の政策金利、翌日物のコールレートの金利が1.25%。そうなると当然、10年物国債っていうのが長期金利ですので、10年間お金を借りた、政府がお金を借りた場合の金利っていうのは1.25%よりも高くならないといけないわけですね。以前ですと、マイナス金利だったわけですね。だからそれと比べれば1.25%になっているから、当然それに応じて長期金利も上がるっていうのが、これが第一の理由です」
寺島アナ「はい」
片岡氏「それから第二の理由が、『リスクプレミアム』っていうふうにいわれるんですけど。日本政府にお金を貸して、ちゃんと返ってくるのかどうなのかと。もちろん10年間ずっと国債として、お金を貸して待っているコストっていうのもあるわけですよね。そういったものを含めて、リスクプレミアムっていうふうに言うんですけれども、これってインフレが進む中ですと、国債の需要が減ってリスク資産、株式、他の債券、そういうものにニーズが増えるとか、そういった要素によって変動するわけです。世界のデータを見ていきますと、いまは世界的にインフレが進んでいて、そのことによってアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、そういったようなところも軒並み長期金利が上がっているんですよね。日本はそうした国際的な金利上昇の影響っていうのを期待インフレ率、将来のインフレ率が上がってくるのと同時に受けていて、そうした部分がリスクプレミアムを押し上げているというふうに考えられます。で、日本の財政状況が悪いから、それから、責任ある積極財政っていうんだけれども、非常に大胆な財政支出をするから、そのことが心配で金利が上がっているんじゃないかというふうに言われるところがあるんですけれども、少なくとも現状、財政赤字対GDP比、要は足元でどれくらい財政赤字が、国の経済規模と比べてあるのかというものを見ていきますと、日本は0.2%とか0.3%。いろいろな取り方があるんですけれども、一般政府っていう枠組みでいうと、日本はほとんどいま財政赤字対GDP比っていうのが、赤字じゃなくて黒字化しつつあると。で、アメリカとかを見ますと5〜6%で、G7の中ですと、いちばん財政赤字が蓄積している国の一つなんですよね。ですから、アメリカとかその他のG7の国と比べても、日本の財政状況は非常に良いので、だから財政が悪いから長期金利がその分上がっているっていうのは、あんまり信憑性がないっていうか、実際のデータと突き合わせると、そういったところは言えないかな、っていうふうに思います」
寺島アナ「そうですかぁ」
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