「国力研究会」の発足メンバーから見えてくるもの
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、5月14日の放送にノンフィクション作家が出演。5月21日に自民党内で新たな政策研究会、「国力研究会」が発足することになった件について解説した。イメージされやすい勉強会とはどういった点が違うのだろうか。
長野智子「国力研究会。なんなのでしょうか?」
常井健一「先週、5月7日。自民党所属の全国会議員の国会事務所に2枚の書類がポスティングされました。きょうはそのコピーを手元に置いてお話しします。タイトルには『国力研究会の発足とご参加のお願い』とあります。一見すると、よくある勉強会の案内です。しかし何が違うかというと。こういうとき、まず発起人の顔ぶれを見ます。11人もいます。全員、大物です」
長野「そうですねえ」
常井「麻生太郎さん、茂木敏充さん、加藤勝信さん、西村康稔さん、萩生田紘一さん、小泉進次郎さん、小林鷹之さん、中曽根弘文さん、松山政司さん、有村治子さん、山谷えり子さん……。高市さんを総裁選で支えた人たちから、候補として戦ったライバルまで。呉越同舟、派閥横断ともいえる顔ぶれです。その下に、A4用紙の2/3ぐらいを使って、呼びかけ文がつらつらと書いてあります」
長野「はい」
常井「一部抜粋すると、政府与党一体となって、いま求められているのは、現実的な政府与党の連携。いまこそ自民党は政府と連携しながら力強く支援、と。要は政府と与党は連携していこう、というメッセージですが、政治の世界で一体感を強調するときほど、一体になっていないんですよ」
長野「ああ(笑)」
常井「政府と与党の間に隙間風が吹いていて不安があることの裏返しですよ。高市総理の心理を浮き彫りにしているな、と思いました。といいますのは、衆議院選は大勝ちしました。内閣支持率が依然として高いと。予算審議も法案審議も外交も思いどおりになっていません。不安なわけです。結論からいえば、来年の総裁選での高市再選に向けたキックオフだといわれますが、同時に、高市さんの急所である党内基盤の弱さ。これを早めに補って、高市さん自身の不安を解消するための取組では、といわれます」
長野「呉越同舟といいますけど、林芳正さんら、いない人もいます」
常井「いいところに気がつきました。林さんが入っていないことで党内はざわつきました。ただし林さん側近の松山参議院会長の名が発起人にあります。そういうことだ、ということです。実際にこのペーパーが流れた途端、林さんは傘下の申し込みをしてきたそうです」
長野「えっ?」
常井「結果的にウイングが広く、挙党態勢の絵をつくることには成功しました。林さんもそうですが、発起人になっていない大物は誰か。ここが重要です。石破茂さん、岸田文雄さんといった総理経験者の名はありません。あと武田良太さん、石井準一さん。この方々の共通点は何か。自民党の派閥が復活している、というニュースが春ごろ、流れましたね。その文脈で取りざたされたのがこの方々です。石破さんのスタンスは言うまでもありません」
長野「はい」
常井「武田さん、石井さんはそれぞれ新たな党内グループを立ち上げました。岸田さん周辺も定期的に集まっています。同じ宏池会の流れを汲む林さん陣営とは別れるかたちで、岸田さん陣営は、木原誠二さんを中心に動いています。つまり高市さん、麻生さんらが神経をとがらせている相手。この人たちを発起人に入れていない。この国力研究会は、反主流派をあぶりだして封じ込めたり牽制したりする意味を持っているんですね」
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