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2012年1月31日 子ども子育て新システムの「理想」と「現実」

 きのうのランチは写真のラーメン。好みはあるが、文化放送がある東京・浜松町界隈で、私が「一番うまい!」と思うラーメン。1000円もするが、具材の全てにこだわりが感じられるところがいい。
 しかし、仮に誰でもラーメン店なら開店できるように仕組みが変わったらどうだろう? 「安かろうまずかろう」の店が乱立し、一杯1000円も取る店は、いくらこだわりがあっても潰れてしまうかもしれないね。
CA7TQD9S.jpg 同じことが幼児保育でも起きるかもしれない。社保と税の一体改革と並行して政府が進めている幼保一元化、いわゆる「子ども子育て新システム」は、文科省所管の幼稚園と厚労省所管の保育所を一元化し、就学前の全ての子どもが、「こども園」(仮称)で、親の生活スタイルにかかわらず、良質な教育を受けられるようにするというもの。うたい文句には、「少子化対策」「ワークライフバランス」など、耳障りの良い言葉が並ぶ。
 しかし自治体に一括して交付金が支払われ、認可保育園制ではなく、会社やNPOなどでも自治体がOKすれば保育に参入できるようになる点、3歳未満と3歳以上に分け、3歳未満には保育士資格のない「保育ママ」を充てようとしている点など、保育の質の低下が懸念される内容なのが実情。
 そうなると、マジメにやってきた保育園が潰れ、経営手腕に長けた企業が幅を利かす恐れもある。
 保育関係者の話を聞きたいと、7~8箇所、保育園に取材を申し込んだら全部NG。「役所に聞いてくれ」「我々は公務員だから話せない」とは情けない。おそらくバイアスもかかっているのだろう。
 しかし、疑問に思えば語るべきだ。それを素通りしてしまうから、考え方は良くても、核論でまちがった方向へと進んでしまうのではないか。
 今国会のハイライトは消費増税や普天間問題、そして震災復興や原発対策だが、それらだけが焦点じゃない。この新システムのほうが要注意だ。
 うまいラーメン屋が潰れるのも困るが、一生懸命やって来られた保育施設が無くなる恐れがあるような制度はもっと困る!
 

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