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2013年9月23日 済美・安楽、肘痛で散る!

 各地で行われている春のセンバツをかけた秋季大会。その注目選手の1人が157キロ右腕、済美の安楽智大投手だろう。
 その安楽擁する済美が、秋季愛媛大会1回戦で古豪・西条に2-4で敗れ、早くもセンバツが絶望的となった。


「安楽の問題ではない。普通に西条が強かった」・・・試合後、指揮官の上甲監督は敗因を語って見せた。しかし、そうだろうか?


 確かに新チームの西条は強い。練習試合と公式戦を含めた戦績は36勝1敗(対今治西戦)2分け。2009年、秋山(現・阪神)を擁して春夏、甲子園に出場したときより安定している。
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 しかし、きのう(22日)の済美敗退は、安楽投手が肘に違和感を覚えたことが大きく影響している。
 1回表、西条打線に連打を浴び、5番白川に2点適時打を許した頃から、坊ちゃんスタジアムでは、いつもと違う安楽に気付いたファンが多かったという。


 3回にはさらに2点を献上しライトへ引いた安楽。肘を気にする姿がスポーツ紙などでも取り上げられたように、今年春のセンバツで772球を投じたときから指摘されてきた懸念が、ついに現実のものになってしまったのだ。


 酷使による怪我。
 7月、灼熱の中での愛媛大会。8月、甲子園での熱投。9月、U18日本代表として台湾での世界選手権で登板。安楽の右腕は悲鳴を上げていたに違いない。
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 上の写真2枚は、先日、松山の済美高前で撮影したもの。よく見ると「夢叶うまで挑戦」と書かれている。
 済美高野球部にとっての「夢」とは、夏の選手権で優勝することだ。
 かつて宇和島東をセンバツで初出場初優勝に導き、済美に移ってからも同じ偉業を成し遂げた名将・上甲監督にとって、夏の甲子園での全国制覇はまさに悲願のはずだ。
 ただ、その「夢」のために、安楽を起用し続けたとしたら、指導者として結果責任は問われる。


 安楽は、世界選手権の代表メンバーとして、、西谷監督(大阪桐蔭高監督)や捕手の森(同主将)から、速球だのみではなく制球によって打者を打ち取る投球術を学んだ。
 同じ2年生で代表入りした高橋光成(前橋育英高)からもフォークなどを学び、大きく進化して松山に凱旋してきた。
 その矢先の肘痛降板は、愛媛県民だけでなく多くの高校野球ファンに「案の定・・・」という思いを与えたのではないだろうか。


 安楽本人の自己管理の問題ももちろんあるが、「安楽は投げ込んだほうが力が出る」「小さくまとまらず速球を追及してほしい」という指導法で臨んできた上甲監督の育成方法に疑問が再燃するのは避けられまい。
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 私の出身校は、済美と覇権を争ってきた今治西。13度目の春を目指す今治西にとって安楽を擁する済美は目の上の大きなこぶだった。
 しかしその済美の敗退を喜ぶ気にはとてもなれない。むしろ高校野球界の至宝、安楽の肘の状態が心配でならない。

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