文化放送

鎌田實×村上信夫 日曜は頑張らない

鎌田 實
鎌田 實
(かまた みのる)

医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、 東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会 放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」 「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。

村上 信夫
村上 信夫
(むらかみ のぶお)

1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com

過去の記事

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2025年6月 6日

6月1日 第673回放送 

ジャズの名曲『ムーンライト・セレナーデ』が随所に流れる話題の映画『うぉっしゅ』
企画・脚本・監督をした岡﨑育之介さんがゲスト。認知症の女性をテーマに、介護と縁
のなかった孫娘が祖母との触れ合いから距離を縮めていく様子を描くストーリーです。

31歳の岡﨑さんは昭和の芸能史に名を残す放送作家でタレントの永六輔さんが祖父、
母親はフリーアナウンサーでエッセイストの永麻理さんという環境で育ち、その名が常
について回ることは「嬉しくもあるが、複雑な心境でもある」と吐露。16歳から芝居
の勉強を始め18歳で俳優としてデビューし、日米で演出家としての勉強も続ける中で
「永六輔の孫」が意図しないこともあったから。本作で認知症の祖母を演じる研ナオコ
さんに出演交渉する際も、無視されることを覚悟のうえで、永六輔の孫とは名乗らずに
所属事務所の公式ホームページから出演料も明記して出演依頼のメールを送ると「一切
の妥協なし」が条件で出演快諾の返事をいただいた。さらに映画の製作費をクラウドフ
ァンディングで募っていたが締切日に出演料の10倍の金額を投資してくれたと告白。
物語はソープ店で働く孫娘が一週間だけ母親に代わり祖母の介護を引き受けて、祖母の
家とソープ店を行き来して「人の身体」を洗い続けるダブルワークをすることになる。
会うたびに「初対面」を繰り返してゆく2人の間で「どうせ忘れる」ので本当のことを
素直に打ち明けられている自分に気付き、変化を感じ取る。また祖母のそれまでの人生
が垣間見えてくる...。「風俗と介護」というややもすれば暗くなりがちなテーマですが
本作は、終始明るいムードが漂う作品です。岡﨑監督は「誰もが楽しめる明るく楽しい
映画を作りたかった」と語り、カラーボールが軽やかに弾むシーンが象徴に残ります。

放送分を聴く
放送日:2025年6月1日

日曜はがんばらない : 10:24

2025年5月30日

5月25日 第672回放送 

医師生活50年の鎌田實さんは『諏訪中央病院』で多くの患者さんに接してきました。
またホスピスではたくさんの終末期の患者さんを診てきました。更に病院の外では対談
や取材を通じて今は亡き多くの著名人にも会う機会を得ました。そのように今まで出会
った人々や自身の体験から導き出した結論は「人生うまいこと生きれば、ちょうどいい
死に方ができる」といいます。今回は『うまいように死ぬ』をテーマにお届けします。

鎌田さんは「人は"下り坂"でこそ上手な人生のギアチェンジができると思う」と言い
年齢を重ねると物事を忘れる"忘却力"というパワーが全開になり、それを上手に利用
すると「ちょうどいい忘却」の状態が起きます。それにより、若い頃にはできなかった
「ちょうどいいわがまま」や「ちょうどいい堕落」ができるようになり、その延長線上
に「ちょうどいい死に方」が待っているという。古代インドの聖人が人生を四つの時期
に区切った最後の「遊行期」は人生のしがらみから解放されて正直に生きる大切な時期
とされています。それを見事に体現したのが俳優の樹木希林さんで「死ぬときくらい、
好きにさせてよ」と言って「病気でも好きなことは我慢しないで、やりたい仕事は最後
までやる」という姿勢を貫いて、死ぬ2か月前まで撮影に参加しました。永六輔さんは
「旅が好きだから、行き倒れがいい。死体をひっくり返して、このアゴの長さは永六輔
だよと言われるような終わり方がいいな」と言いながらも「最期は自宅がいい」と翻意
家族に囲まれて逝きました。歌うことが好きだった鎌田さんの岳父は末期がんで入院し
最期は讃美歌を歌いながら逝ったそうです。昨年春に中学時代からの親友ケンイチさん
を亡くし遺った旧友3人組で悲しみに区切りをつける「卒哭忌」での逸話も語ります。

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放送日:2025年5月25日

日曜はがんばらない : 13:14

2025年5月23日

5月18日 第671回放送 

教師ではなく先輩が後輩に教えて一緒に学び鍛え合う「薩摩の郷中教育」を手本にした
独自の教育システムを創り20年間で2万6千人の若者に「やる気スイッチ」を入れた
総合人材プロデュース企業『株式会社キャリアコンサルティング』代表の室舘勲さん。
金もコネもなく劣等感の塊だった青年が夢を見て、夢を叶えるための歩みを語ります。

室舘勲さんは青森県むつ市生まれの54歳。中学高校はバスケットボール部に所属しま
すが、補欠に甘んじて下級生を応援することもあり、その立場から学んだこともある。
村上さんとの共通点は中学生までオネショした体験があり母親への感謝は尽きません。
地元の高校を卒業して上京し「スーパーマーケット」に就職したが1年で退社。19歳
で再就職先に選んだ「歩合制の教育関連事業会社」ではセールス担当ながら、口下手で
人見知りで、劣等感に苛まれて、営業成績は、ビリからのスタート。上司から"才能が
ない。青森に帰れ!"非常に厳しい指導に耐え抜き、一年半後には営業成績がトップに
なりましたが、会社の経営が行き詰まり「無給」の状態に陥り、退職者も相次ぎますが
退職せずに歯を食いしばり、一社員として会社を支え続け、窮地脱出に3年掛かった。
その厳しい「人生修業」を経て、2003年に独立して若者の人材育成を行う『キャリ
アコンサルティング』を興し経営者として日本の未来を託す若者教育に尽力する日々。
教育事業の「カリキュラム」の『しがく<志学>』は、リーダーを目指す向上心あふれ
る社会人・大学生が将来像を実現していくためのリーダーシップの基礎を養うコース。
『歴史に学ぶリーダーシップ講座』は二宮尊徳、上杉鷹山、渋沢栄一など卓越したリー
ダーシップの本質を人間力旺盛な歴史上の人物から学びます。やる気誘発の教育です。

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放送日:2025年5月18日

日曜はがんばらない : 11:18

2025年5月16日

5月11日 第670回放送

好きな音楽を聴くと活力が湧いてきたり楽しかった思い出に浸ることができます。更に
歌うことでストレスが発散できたり、身体的には嚥下や心肺機能、筋肉など加齢と共に
衰える機能を補う効果もあり「好きな歌の効用」は心身によい影響を与えてくれます。
郷愁に!心身安定に!様々な思いが込められた投稿に応える『リクエスト特集』です。

◆板橋区の女性。水前寺清子『365歩のマーチ』はお皿洗いや洗濯物を干しながらの
「足踏み体操」のBGMにピッタリな作品とリクエスト。普段の生活で「ながら体操」
を心掛けており、運動が苦手な人も簡単に筋力アップが出来ると信じて続けています。
◆葛飾区の女性。音楽は瞬時にその時代に連れて行ってくれます。とても懐かしい曲で
オーティス・レディング『ドック・オブ・ザ・ベイ』を希望します。同曲は1968年
全米1位ヒットを記録しますが、彼はその朗報を知る前に飛行機事故で旅立しました。
◆宇都宮市の女性。森昌子さんが転校されるまで同じ小学校に通っていたのでデビュー
してからも、ずっと親しみを感じて応援していました。ヒット曲もたくさんありますが
「母の日」に因んで『おかあさん』をリクエスト。1974年に発売されたヒット曲。
◆荒川区のナイアガラーを自称する男性。精神障害に加えて肺疾患を抱えて不安と人間
関係に悩みながら過ごしていますが、そんな日々の中で、大好きな大滝詠一作品を聴き
ながら毎日を乗り切っているナイアガラーです。大瀧詠一の『恋するふたり』を希望。
◆草加市の男性。新緑と花々が自然界の息吹を感じさせてくれるこの季節が好きです。
5月はバラのシーズンでもあり、母の好きだったザ・コーデッツ『アテネの白いバラ』
をリクエストします。なお、この曲はギリシャ出身のナナ・ムスクーリ盤も有名です。

放送分を聴く
放送日:2025年5月11日

日曜はがんばらない : 09:12