賃金を上げるためには何が必要か

賃金を上げるためには何が必要か

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大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日11時30分~15時)、7月9日の放送に立教大学経済学部教授の首藤若菜が出演。先月発売した著書『なぜ賃金は上がらないのか』にちなみ、日本の賃金が上がらない原因を解説した。

大竹まこと「(首藤若菜の著書『なぜ賃金は上がらないのか』のタイトルについて)みんなの疑問ですよ。こんなに賃金が上がらないのに、国会は何しているんだ、と。いま確か、あちこちで人手不足だと言われていますよね。普通の流れなら、人が足りない、たくさん給料を払ってウチに来るようにしよう、となるはずでしょう」

首藤若菜「本当にそうですね。本の中でも書いていて、人手不足の産業ほど、賃金の上昇率が抑えられているんですね。いろいろな要素はあるんでしょうけど、賃金を上げるためには会社の原資が必要になるわけです」

大竹「はい」

首藤「原資を上げるために価格を上げなければいけない、というところがある。介護や保育といった分野は法定価格があって、簡単には変えられない。あとトラック業界もなかなか賃金が上がらない。下請けの構造、過当競争など、原資を確保できないような仕組みがある。それによるところもあるかなと」

青木理「介護や物流、コロナのときに注目されて。僕も当時、エッセンシャルワークという言葉を知った。現場で、必要で、体を動かす。そういう仕事の給料が上がらない、というか低賃金に抑え込まれている。どうしてなのかと思いますね」

首藤「エッセンシャルワークは社会インフラを支えている。社会にとって本質的に必要な部分ではある。でも原資をなかなか確保しづらい、というところがあって。いまも賃上げって大手企業では進んでいる、あまり人手不足でないところで。本当に人が不足しているところだと、必ず上がっているわけではないかな、と」

大竹「中小企業が5000件、潰れていると。人手不足、賃金が上がらない、大手は大丈夫で中小がダメ。ほかに原因があるのでは?」

首藤「すべてつながっている話だと思います。賃上げを進めなければと言われていますが、大手でいかに賃上げするか、という話から、中小において賃上げするための原資をどうやって持ってくるか。企業間取引の中で適正な取引をしているか、価格転嫁が進んでいるかどうか、といったところにフェーズは移っていて。それがうまくいかないと、中小で賃上げは起きないね、と」

大竹「価格転嫁がうまく機能しているのか、という問題は大きいですよね」

首藤「大きい。そこをもっと進めていかないといけない。消費者からすると、この間、いろいろな商品が上がっているでしょう。カップ麺、パンなど。苦しいという方も多いと思うんですが、それでも中小のところの価格転嫁は充分ではないと。もう一歩、価格転嫁していかないと、中小の働く人たちの賃上げはなかなか実現できないな、という気がします」

青木「かつてデフレだったとされるとき。アベノミクスが正しかったかどうかは別として、大手が上がっていけばトリクルダウンするんだ、みたいなことを言っていたけど起きなかった。いまは物価高、インフレ局面になっている。物価高はさらに進むだろう、と。でも中小は賃上げできず、人手不足や物価高で潰れている。この先、大手はそこそこ賃上げ、商品も値を上げると。いずれ中小にも波及するのか。そこはどうなんですか?」

首藤「業種や業態にもよると思います。介護のような分野で賃上げしようとすると、制度の改正も行わないといけない。物流だと当然、荷物が運べないとビジネスができない。運べないぐらいなら高い運賃を払わないといけない、となる。ただ現状、2024年問題で逼迫(ひっぱく)する、と言われながらもそこまでは上がっていない。どこまでトリクルダウンしてくるのか、というのは読めないところもあるかな、と思います」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午前11時30分~15時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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