防衛増税、現役世代の負担を大きくしていいのか
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、7月22日の放送に経済評論家の佐藤治彦が出演。今年4月から始まった「防衛特別法人税」の内容と、今後の動きについて解説した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「今年4月から法人税に上乗せして課せられる『防衛特別法人税』が始まりました。防衛力強化の財源を確保するための付加税です。一方で相続税についての改正、負担増の部分は見送られるなどしています。『法人じゃん』と思うことでもないんです。今後、所得税も付加税というかたちで課せられる、ということです」
長野智子「防衛特別法人税とはどういうものでしょうか?」
佐藤治彦「2022年、岸田文雄内閣の時代ですね。隣国である中国との軍事的な緊張が高まった。同年に5年間の防衛費を43兆円と定め、そのとき必要な追加の財源として14兆6000億円必要だね、と。歳出削減や税外収入、いろいろやっても足りない、と。こういうふうに防衛費が多くかかるのだから、その分を法人税、所得税、たばこ税で少し穴埋めしてくださいね、ということで始まった。敏さんの言うように4月から法人税は上がりました」
長野「はい」
佐藤「この法人税の増税、けっこうよくできているんですよ」
長野「そうなんですか」
佐藤「わかりやすく言うと、中小企業の多くは実質的な負担ゼロになっている。500万円の控除があるんです。新しい税として払うわけではないから負担しなくていい、と。これから、たばこと、個人が払っている所得税で出してもらいましょう、というとき。東日本大震災で始まった復興特別所得税で、税額の2.1%を割増して払っている。おぼえていますか、最初は法人もあったけれど、あっという間になくなって個人の分だけ残っている」
長野「はい」
佐藤「これが2.1%で、1.1%にして、1%分を防衛費に回しましょう、と。復興特別所得税はほぼ半分になるので、あと10年で終わるはずだったものを、あと20年払ってください、と。復興特別所得税で払う金額は減っていないんですよ。その分、新たに1%、防衛費のために所得税を多く払ってね、ということ。選挙も勝ったし来年からやろうかね、ということに、いまなっているわけです」
長野「パッと見、相殺しているみたいだけど復興税も払う」
鈴木「ちなみにもう、たばこ税は少し上がり始めていて。これから段階的に進む。所得税は今後、ということになります」
佐藤「本当におかしな税金だと思うし、これから消費税を減らそう、様々なかたちで援助していこう、というときになんで防衛費のために所得税で増税するんだ、と。所得税ってどういうことか。現役世代と、老後になっても年金だけじゃ暮らせないから一生懸命に働いている人、その人たちに防衛のための新たなお金を払ってね、ということでしょう」
長野「子育て世代も含まれるわけですね」
佐藤「65歳を過ぎて70になって、現役は終わった、お金はある。自分の資産で過ごしていきましょう、という人は1円の負担もしなくていい、ということじゃないですか。なんで現役世代だけ防衛費に対して新たな負担があるんですか」
長野「なぜ所得税に、ということになったんでしょうか」
佐藤「ハッキリ言いましょうか。とりやすいから、ですよ」
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