カウンセリングを受けた人のエッセイ『死ぬまで生きる日記』中元「カウンセリングを受ける疑似体験ができます」

カウンセリングを受けた人のエッセイ『死ぬまで生きる日記』中元「カウンセリングを受ける疑似体験ができます」

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『中元日芽香の「な」』が、12月18日(月)午前7時に更新され、「日芽香セレクション」のコーナーで中元が触れた映画や本、漫画から生き方や考え方、カウンセリングのヒントになるかもという作品について紹介した。

今回、中元が紹介したのは、土門蘭の『死ぬまで生きる日記』というエッセイ。生きのびるブックスから2023年4月20日に出版されている。

この本は土門が2年間オンラインカウンセリングを受けた体験をメディアに連載、それを一冊にまとめた作品。カウンセリングで土門がカウンセラーと2年間を通して話したかった内容は、「不意に死にたくなってしまう気持ちが小学生の頃から20年くらいずっとあった」ということ。カウンセリングを受けることにした経緯から約2年間のカウンセラーとのやり取り、カウンセリングの終了までが一連の流れで書かれている。

中元はこのエッセイを読んで、「これまでカウンセラーさんが書いた本は何冊か読んでいますが、今回は相談者さん側の視点から見たカウンセリングが書かれていて、勉強になりました」と語った。中元のおすすめポイントを2つ挙げてくれた。

中元「おすすめしたいポイントはいくつかあるんですが、まずは目次です。各章のタイトルがカウンセラーさんにかけてもらった言葉とか土門さんがカウンセリングを受ける中で感じた心の本音とかいったもので構成されているんです。なので、2年間という長い期間の中で心はゆっくりゆっくり変化していったと思うんですけれど、目次を読むだけで、その時間の流れが少し伝わってきます。ちょっとずつ変化していったんだろうな、1回1回、どんなやり取りだったんだろうっていうのは本を読むと詳細に書かれている。そして、目次に書かれているカウンセラーさんの言葉が暖かいんですよね。土門さんと中元は違う人生を送っていますし、他の読者さんも1人1人違った歩みをしてきているはずですけれど、それでも目次をぼーっと眺めているだけでなんだか励まされるようなとか暖かい気持ちになるようなそんな目次です。たとえば、第二章の目次のタイトルが「『死にたい』と感じてもいいのだと、自分を許してあげてください」っていうタイトルだったりして、これ思っちゃいけないって思っていたけれど、そんな気持ちを受け止めてあげていいんだっていうこととかっていうのが十何章繋がっているので、もうその目次の見開きだけでも素敵っていう本です。おすすめしたいポイント2つ目はカウンセラーさんと相談者さん土門さんの心の交流が丁寧に描かれていて、カウンセリングを受けるのってこんな感じなのかなっていう疑似体験ができます。カウンセリングってお話をする場なんでしょう。自分の悩みを話すってそれで何か変わるの?という方もまだまだたくさんいらっしゃると思うんですけど、カウンセラーさんの土門さんへの応答はいわゆる話を聞く技術を心得た上で、カウンセラーとして対応されているなっていうのが伝わってきました。なので、友人や家族に話すのとはちょっと違った答えが返ってくる。カウンセリングの空間って本来すごく閉ざされた場なんですよね。なので、こんな会話をしたとか、話した結果こんな気持ちになったというエピソードってあまり調べてたくさん出てくるわけではないので、そのエピソードは聞けるのは貴重だなって思うので、この点もこの本お勧めです」

更に、この本を読んだ感想を次のように語った。

中元「私がこの作品を読んでの感想ですけれど、私の場合は相談者さんの土門さんの立場を想像して読むこともできるし、カウンセラーさんの立場としての共感とかカウンセラーをやっていて、励まされるような記述もあったんですね。その中で、途中読んでいて一瞬ヒヤッとした場面もあって、それが土門さんにとって欲しい言葉ではないことをカウンセラーさんが発した時ですね。土門さんはゆっくり信頼を積み重ねて少しずつ心を開いていこうとしている中での、ほんのキャッチボールの中の出来事で、でも、それは言ってほしくないってがっかりするときは一瞬なんですよね。一方で、カウンセラーさんは土門さんのことを思って言葉を選んで放った一言に対して、リアクションが見れるので、いや違うなっていうのもすぐに察知して、撤回というかより適切な言葉を探してっていう描写がありました。この時のどちらの気持ちも想像できてしまうなあっていうことで、読みながらハラハラもしましたが、でも、人と人って言葉にしないと伝わらなかったり、分かり合えない感情っていうのがあるんですよね。なので、生身の人と人とのやり取りをしているんだっていうのが文字を読んでて伝わってくるってすごいことですよね。そういったすれ違いなんかも乗り越えて土門さんはこのカウンセラーさんのことを非常に頼りにしていたそうです。すれ違いを埋めるのも、また言葉だったりするんですよね。なので、この本を読んでいて緊張感とか暖かさとか文章から伝わってくるってすごいなって思いました」

『中元日芽香の「な」』は毎週月曜日午前7時に、Podcastにて更新中。
「過去の配信分もこちらから聴けます」

 

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中元日芽香の「な」

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