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2016年4月27日 東京六大学野球

「今年の東京六大学野球は立教と東大が強い。他の4大学も紙一重」
 アマ野球好きの友人からそんな話を耳にしたので、久しぶりに神宮球場に出かけることにした。
 お目当ては第2試合の慶應対明治。


 外苑前で降り、秩父宮ラグビー場を右手に見ながら球場に近づくにつれ、第1試合が白熱しているのであろうか、早稲田のブラスバンドが奏でる応援歌「紺碧の空」がだんだん大きくなってきた。
o96eb3y6jwa.M.3-50914-1-attach-d3.jpg チケット売り場で学生証を見せ、ワンコインで入れる応援席へ。
 目の前に球場のパノラマが開けてくると同時に、一塁側を埋めた立教の応援席から割れんばかりの拍手が降り注いできた。
 母校・早稲田の敗戦。主戦・澤田を崩せず、最終回、満塁のチャンスを潰したらしい。
 しかし、きょうの目的は慶應の応援。チアに促されるままに、応援席のほぼ中央に座った。


 学生や院生時代、何十回となく通った学生野球の聖地。30年前、隣の席で「明治をぶっつぶせ~」と大声を挙げていた彼は今何をしているのだろう。「早慶戦ってこんなに盛り上がるんだ...」と妙にはしゃいでいた彼女は、幸せに暮らしているだろうか。
 青春時代の甘酸っぱい思いがふとよみがえってきた。
o96eb3y6jwa.M.3-50913-1-attach-d3.jpg 今は、この春、慶應に進んだ娘と「明治をぶっつぶせ~」を連呼している。「加藤、おさえろ~」「柳町~、放り込めぇ」などと叫んでいる。
 娘も学年を重ねていくうちに、神宮でさまざまな思いを身にまとうようになるのかもしれない。そして、やがては親として子どもと一緒に「明治をぶっつぶせ~」をリフレインすることになるかもしれない。


 伝統の東京六大学野球。数々の名勝負を生んできた年月は、個人の歴史であり親子の歴史でもある。
 
 


2016年4月25日 地域の声に耳を傾けて

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熊本県益城町。
熊本地震でもっとも被害が大きかった地域です。


避難所に入りきれず、車の中で生活する家族は
車をとめた校庭で、
炊き出しのスープを幼い娘に食べさせていました。


普段は別の家で暮らしてるおばあちゃんも
築100年以上の立派な農家の家が壊れてしまい
車の中で一緒に生活しています。


おばあちゃんは
「こんなことなら長生きするんじゃなかった」とこぼします。
「もうこれで老人ホームで暮らすことになるわ」とも。


避難している人の疲れはたまり、
複数の避難所で、口論などが起きているといいます。
避難所で暮らす家族に「どんな物資が必要か」を尋ねようと
「今一番欲しいものは何ですか?」と聞くと
「やすらぎです」という答えが返ってきました。
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ただ、救いなのは
熊本の皆さんは、普段から人と人との結びつきが比較的強いということです。
熊本城の近く、熊本市立城東小学校の避難所では
震災から二日目には、被災者自身が様々な役割を担う組織ができあがっていました。


若い世代の地域のリーダーが
それぞれの人脈を縒り合せ支援の輪を広げていました。
物資に関しても「どこにどんなものが必要なのか、必要でないのか」を
地元に学部がある東海大学の学生らが調査してまとめ
機敏に対応していました。


また、別の避難所では、そこに避難していた高校のサッカー部のメンバーらが
物資を配布するボランティアにまわりました。
東日本大震災でもそうでしたが
被災者が被災者の悩みを聞き、互いに助け合うという構図がみられます。


被災者が被災者を支援する構図が生まれてくる背景には
行政の対応が後手に回りがちだということもありますが
それ以上に「地域の人のことは地域の人が一番よく知っている」
ということが挙げられます。


ですから行政も、自治会長など地域のリーダーの話をよく聞くなどして
地元の求めているものを
きめ細かく把握する必要があると思います。


今回も指定の避難所ではない所で自主避難をしている人が多いため
行政は実態を把握しにくく、
物資や健康面でのケアが心配されています。
余震に怯えながらも、幼い子や高齢者がいるために自宅から出られず
そのため物資がなかなか得られない人もいます。


こういうケースこそ、地域の人から聞いた情報を活かすべきです。

2016年4月21日 くまモンが泣いている~熊本地震取材

 熊本地震の取材に行ってきた。空路、福岡(博多)に入り、博多から熊本県北部の荒尾まで在来線。そこで九州産交の臨時バス⇒タクシーと乗り継いで熊本入り。博多から5時間もかかってしまった。
QZarYRxJtXyzQ.3-50799-1-attach-d3.jpg 被災した熊本城。遠目からも大天守の瓦が落ちているのが見える。城は熊本県民の誇り。多くの方から「お城がこんなになってしまって」という嘆きの声を聞いた。
QZarYRxJtXyzQ.3-50800-1-attach-d3.jpg 重要文化財の櫓や長塀まで倒壊していて見る影もない状態。震度7が2回。それ以降も震度5強を超える大地震の連鎖は、清正公が築いた名城を無残な姿に変えていた。城の復旧には10年余の歳月と巨額の資金が必要になる。観光へのダメージも大きいはず。
mtA5gaYpRYnIU.3-50813-1-attach-d3.jpg 熊本市内で倒壊したビル。断水地域も多く、温泉が出る公衆浴場には2時間半待ちの列が。普通に顔が洗えてお風呂で足を伸ばせる自由すらないのが被災地の真実。
mtA5gaYpRYnIU.3-50811-1-attach-d3.jpg 益城町の状態はもっと深刻。本瓦の家は大半が倒壊。亀裂ができて主な道路は通れない。「ここは子どもも教職員も全員被災者」...避難所の飯野小学校で校長の声が胸に響いた。
 mtA5gaYpRYnIU.3-50816-1-attach-d3.jpg  我々報道陣は数日の取材で戻れるけど、被災した皆さんは先の見えない生活が続く。どんな言葉で現状を伝えても、本当のところは伝えきれないのが実にもどかしい。


 期間中、各避難所のリーダーらたくさんの方にご協力をいただいた。元文化放送アナで東海大教授の小林寛子さんには、自宅への宿泊も含めてお世話になった。
 現地で必要なのはモノより現金。浮いた宿泊費は、あす、小遣いをプラスして義援金として現地に送りたい。

2016年4月18日 つなぐミサンガ。

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東日本大震災の後、
被災地では多くの人が
住まいや仕事を失いました。
避難所で暮らした方も大勢いましたが
自宅などで暮らしたかたも多かったのです。


ところが避難所には人手も物資もたくさんあったのに
自宅に残った被災者のところへは、
物資も情報もほとんど届かない
そんな時期がありました。
職を失い、収入の途絶えた被災者には
痛手になりました。


実はこれ、
今の熊本の被災地も
良く似た状況にあります。


東日本大震災によって被害を受けた宮城県気仙沼では
職を失った被災者が少しでも収入を得るために
「あるプロジェクト」が生まれました。
それが
「気仙沼ミサンガプロジェクト」です。


当時、被災者の悩みを聴くボランティアをしていたみなさんが
「職を持たないストレスに悩む人の多さ」に気づきました。


そして
手作りのミサンガを販売し、
その収入がほぼそのまま作り手に入る、
「ひとりひとりが個人事業主になれる」しくみを作ったのです。

失礼を承知で書けば、
売上自体は高額ではありません。


しかし
働いて、その対価を得られるという経験は
被災者の皆さんを力づけました。


さらに
一つひとつのミサンガに
つくり手の名前を明記することで、
どこか遠いところに住む買い手と
気仙沼のつくり手を直接つなぎ、
単なる商品の売買ではない
"つながり"を生み出しました。


さて、
この気仙沼ミサンガプロジェクトのスタッフは
自分自身も被災者です。
熊本の被災状況を見て、
その痛みがわかるだけに
このほど
被災された障がい児者のご家族、
又は母子家庭に
ミサンガの売上から義援金を送ることにしました。


事務局長の平田さんは自らを振り返り
こう語ります


「震災後、何をするのにもお金が必要でしたが、
様々な義援金を頂いたのは7月以降でした。


また、障がいを抱えての被災者は本当に大変でしたが
私には何も出来ず
胸が痛くなったことを覚えています」


ミサンガについての問い合わせは
以下のHPからどうぞ。


「気仙沼ミサンガプロジェクト
気仙沼ボランティアネットワーク聖敬会」
※画像提供も
『ここをクリック』


ちなみに「聖」は平田さんの娘さんの名前、
「敬」は愛するだんなさんの名前です。

2016年4月14日 地方創生系学部が続々

 私は、まさしく"ニュースパレードのあとで"、某名門大学院の博士後期課程で、地方創生、地域活性化策について学んでいる。(えらいっしょ?)
 オフの時間はもっぱら研究と論文作成。その研究テーマの1つが、「全国に300あるコミュニティFMは役立ってるのか?」(あ~、つらいわ~)
20GfUuKYozQvc.3-49517-1-attach-d3.jpg そのために、週末には和歌山の「FMマザーシップ」(写真上)を訪ねたり、またあるときは彦根の「FM彦根」(写真下)にヒアリングに行ってる。この先も、沖縄だの佐賀だの遠征してヒアリングの予定が...(お金、かかるのよ~)
20GfUuKYozQvc_3-49518-1-attach-d3.jpg 地方創生のツールとしては、行政の施策のほか、コミュニティFM、ゆるキャラ、B級グルメ、ふるさと納税、アンテナショップなどもあるけれど、今、注目してるのが「地方創生系学部」。(目のつけどころがシャープでしょ)
gXIOuZzYIEqJ6.3-50709-1-attach-d3.jpg もともと、早慶など有名私大では、大学院を軸に「公共政策」分野が充実していたのだけど、今春、国立大で地域をテーマにした学部が続々誕生してるんだよね。(お~、国立も追いついてきたかーっ)
宇都宮~1.JPG 高知大を皮切りに、今春は、愛媛大の社会共創学部、宮崎大の地域資源創成学部、そして宇都宮大(写真上)の地域デザイン科学部など。地方国立大も大学創生&地方創生に動き出したわけ。近々、取材してレポートするね!(宇都宮、行くどー)

2016年4月12日 八重桜

総理と桜を見る会。例年より1~2週早い観桜会。
選挙イヤーらしく支持者支援者で埋め尽くされた新宿御苑だった。
 さくら①.JPG
安倍総理は挨拶で
「安倍政権もきょうの八重桜のように6分咲きという思いで頑張ってまいります」と、
ややウケ狙い。
          ~八重桜~満開に見えますが・・・
 さくら②.JPG
満開だとあとは散り行くのみ、敢えて6分に見立てたのかもしれません?

 

 伊勢志摩サミットPART2

石森記者に先を越されましたが先月末に迅英もG7伊勢志摩サミットの
会場となる志摩観光ホテル視察会に参加してきました。
まずは伊勢神宮で参拝。
安倍総理はおそらく各国首脳を伊勢神宮参拝のエスコートがしたい
のでしょう。が、各国首脳に「神道」の精神が理解できるだろうか?

ISE JINGU.JPGのサムネール画像
志摩観光ホテルは石森記者も書いているように、
ベイスイートとクラッシックが主要会場になります。
加えて志摩観光ホテルが昭和26年に開業した当時から建つ
「旧館」も使用するとの事。  ~手前の赤い屋根が「旧館」~
SUMMIT伊勢志摩③.JPG
少し気になったのが、関係者の本音とも取れる呟き~
「島だから警備がしやすいというのは妄想。隠れるところが一杯ある」
確かに、警備の盲点が結構ありそうだというのが迅英の感想です。
******
最後に、仕事を離れた感想ですが、こういう風光明媚で
ゆっくり時間が流れるところで余生を過ごしてみたい!と思いました。
石森記者、どうですか?

文化放送報道制作部では「ニュースパレード」を中心に、日々のニュースをお伝えしています。

その一方で、私たちの周りには普段のニュースでは伝えきれないような話が溢れています。

それをお伝えする場所が、このリニューアルしたブログ。
部員それぞれがゆるやかに伝えていきます。
ニュースの「おまけ」として楽しんで頂ければ幸いです。
よろしくお付き合いください。

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