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2016年6月 8日 証言

東京・秋葉原の歩行者天国で男女17人が死傷した無差別殺傷事件の発生から
8日で8年を迎えました。
現場となった交差点にある献花台の前では
通りかかった様々なかたが足を止めて手を合わせていました。
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あの日、先に現場に到着した奥山記者(当時)に続き秋葉原に入りました。
秋葉原に着くと、
加藤死刑囚が乗って人々に突っ込んだトラックが警察署に運びこまれるところでした。
現場では混乱の極みの中、たまたま居合わせた皆さんが
医師や救急救命の心得のあるかたの指示のもと救命活動にあたりました。
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被害者が全て搬送されたあと、
助けた皆さん自身もその惨状に大きなショックを受けており
取材に答えてくださるのは困難な状況でした。
ただ、私の持っていた文化放送の名前入りのマイクを見た男性は
「自分はトラックドライバーで、文化放送をいつも聴いている。
ラジオは信頼できる」として、証言してくださったのです。
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20160608okisan.jpg
このかたは都内に住むトラックドライバーの沖正水さん。
以前から救急救命に関心が高く
人工呼吸用のマウスピースも持ち歩いていました。
沖さんは職業上、加藤死刑囚の運転するトラックの動きが目にとまり
突っ込んでくる様子を目撃していました。
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自分が助けようとした人に、黒い札(救助の優先度を選別するトリアージで死亡と判断された場合につけられる札)がつけられていく悔しさをかみしめながら
次の人は、次の人はと、助けていきました。
警察や救急隊員が手一杯だったあの状況下で、
救助にあたった沖さんたちの功績は本当に大きなものでした。
警察署は皆さんに感謝状を贈っています。
沖さんの話を聞くたびに
とっさにこのような事態に遭遇したときに
「自分だったらどこまでできただろうか」と自問自答してしまいます。
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一時は歩行者天国も中止された秋葉原ですが
今は明るさを取り戻しています。
地元のかたがたが連携、警視庁などとも協力して
防犯活動に努めていることも大きいでしょう。
「いつもと違うことはないか?」という目を持てるのは
そこで暮らし、或は仕事をしている人々です。
ひとりひとりの防犯意識、またいざというときの心得の大切さを感じます。
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献花台に気付いた通行人は「ああ、もうそんなにたったのか」と話していました。
あれ以来、毎年ここで手を合わせている沖さんですが
年々人々の記憶の中からこの事件が風化していくのを憂いています。

文化放送報道制作部では「ニュースパレード」を中心に、日々のニュースをお伝えしています。

その一方で、私たちの周りには普段のニュースでは伝えきれないような話が溢れています。

それをお伝えする場所が、このリニューアルしたブログ。
部員それぞれがゆるやかに伝えていきます。
ニュースの「おまけ」として楽しんで頂ければ幸いです。
よろしくお付き合いください。

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