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2017年3月14日 6年という時間

2011年3月11日、東日本大震災発生。
マグニチュード 9.0、最大震度7、そして15メートルを超える巨大津波が各地を襲い、
東京電力福島第一原発では水素爆発が発生、10万人を超える住人が
避難を余儀なくされた。岩手、宮城、福島各県を中心とした被害は死者15,893人、
行方不明者2,553人(警察庁調べ<3月10日現在>)に上る文字通り戦後最悪の自然災害だ。
また、避難中の体調悪化などが原因の震災関連死は2016年9月末現在、
全国で3523人で前年比116人も増加している。
これは、まだ震災被害は収束していないことを裏付ける辛い数字だろう。
6年という月日は長い。
震災発生時に福島県立双葉高校2年生だった渡辺郁也君は去年4月、晴れて
社会人となった。地元のテレビ局の福島中央テレビに入社し、報道記者として奮戦中だ。
渡辺君は福島第一原発の地元~大熊町出身で震災以降、家族ともども避難生活を
余儀なくされてきた。
文化放送は震災直後から渡辺君を度々取材している。
震災直後には震災の苦難を乗り越え、夏の甲子園の予選に臨む双葉高校野球部員の
ひとりとして、そして卒業後は故郷を離れ、都内の大学に進学しながら
自分の進路を模索する大学生として、様々なインタビューに答えてもらった。

その渡辺郁也君が3月7日(火)日本テレビの午前中の生放送PON!に
系列局の記者として出演をしていた。
テーマは、「甲子園に3回の出場を誇る県立双葉高校最後の夏」
自身も双葉高校野球部OBとして最後の試合を取材し、原発事故に翻弄された
母校の無念を伝えた。福島第1原発からわずか3.5キロに立地する双葉高校は
今年3月に「休校」となる。
テレビ画面で久し振りに見る渡辺君はややふっくらした感じだったが、顔つきは
随分大人っぽくなっていた。いろいろな報道現場で厳しく揉まれているのだろう。
甚大な被害で時間が止まったままの被災地も多い。被災地を取材し、
「復興」を基準に考えると、どうしてこんなに時間がゆっくり流れるのだろう?
と感じることがどんなに多いことか。
しかし、時間は流れている。震災から6年。あの時、まだ幼さの残る表情で
インタビューに答えてくれた渡辺君は渡辺記者となり、震災と原発事故の現状~
「被災地の真実」を伝える。バトンはしっかりと繋がっているんだ、と思う。
文化放送報道スポーツセンター 部長 関根英生

文化放送報道制作部では「ニュースパレード」を中心に、日々のニュースをお伝えしています。

その一方で、私たちの周りには普段のニュースでは伝えきれないような話が溢れています。

それをお伝えする場所が、このリニューアルしたブログ。
部員それぞれがゆるやかに伝えていきます。
ニュースの「おまけ」として楽しんで頂ければ幸いです。
よろしくお付き合いください。

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