詩人の谷川俊太郎さんが亡くなって早一年。一周忌にあたる１１月１３日に縁の方々が
集まり【谷川さん、そちらはいかがですか？】というイベントが横浜で開かれました。
共に過ごした家族だから知る「隠れたエピソード」を長男の谷川賢作さんが語ります。

詩の世界は奥が深いので難解な作品もありますが、谷川作品は『生きる』や国語教科書
に載った『朝のリレー』など親しみやすく分かり易く素直に受け入れられる作品です。
賢作さんは１９６０年東京都杉並区生まれのピアニストで作曲家。１９８６年映画音楽
でデビューし、ピアノのソロ活動のかたわら、９５年からは父の俊太郎さんの詩を歌う
バンドＤｉＶａを結成。父と共に全国で音楽と朗読のコンサートを開催しました。また
父子の共同作業は「校歌」もあり代表的な作品には杉並区立天沼小学校校歌の『世界は
不思議でいっぱいだ』の歌詞は秀逸。１番は晴れた日に考える２番は曇る日は思いやる
３番は雨の日もたくましく...晴曇雨それぞれの日に谷川ワールドの世界が展開します。
「谷川俊太郎の息子」というレッテルに苦悩した時期もあったが父の「人はそれぞれが
それぞれのところでしっかりやればいいんだよ」とボソッと言ってくれたことに安堵。
「９２歳でもＴシャツとＧパンが似合うような人で歳とっても謙虚な人でした」と語り
俊太郎さんの介護の話に及ぶと「自宅で最後まで生活したいという本人の意思を尊重し
療養というか生活というか、ヘルパーチームと家族でシフトを組んで対応。最後の２年
間は、足が弱くなり２階から１階に移り、着陸態勢に入った感じです」と詩作を続けな
がらも体が自然に衰弱している様子を語り「ソフトランディングで逝った」そうです。
鎌田さん朗読『ふくらなぎ』と賢作さん朗読の『いや』と『うし』もお聴き逃しなく！

放送日：2025年11月30日

« 11月23日 第698回放送 | メインに戻る