『面倒だから言わない』が一番ヤバい! 「夫婦別姓刑事」騒動を組織論で読み解く

『面倒だから言わない』が一番ヤバい! 「夫婦別姓刑事」騒動を組織論で読み解く

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フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄 ラジオマガジン」(文化放送)。7月15日(水)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、水曜前半レギュラーの組織開発コンサルタント・勅使川原真衣が、先日起きたフジテレビのドラマ「夫婦別姓刑事」でのトラブルを振り返り、様々な方向から検証した。

勅使川原真衣「『面倒なことになるから言わないでおこう』って、
判断すること、たまにありません?
『あるけど、あれが一番ヤバいぞ』っていう話をしたいと思います。
きっかけがありまして、フジテレビの『夫婦別姓刑事』っていうドラマの撮影で、
俳優の佐藤二朗さんと橋本愛さんとの間に起きたとされる
ハラスメント騒動のお話がきっかけです。
ただですね、もちろん私、現場にいたわけではありませんので、
現状公開されている情報から、慎重に話をしていきたいと思ってます。
特にフジテレビが公開している社内調査の結果と、あと対比的な意味で、
週刊新潮で佐藤さん側の主張っていうのも公開されましたので、
それも参考にしました。
で、観点としては私の専門性として、組織論とか、その中でも
コミュニケーション論の観点からお話をしようと思ってます。
なので、『誰が悪い』とかいう話は今日は一切いたしません。
ただですね、扱う価値はかなりあるんじゃないかなと思っていて。
というのも、この騒動から見えてくるのは、芸能界だけの特殊な話では
どうもなさそうだなという感じがするんですね』

武田「はい」

勅使川原「ちなみにですね、報道で公開されてる範囲で出来事を
おさらいさせていただきますと、今回橋本さんにオファーがあった時点で
『身体接触への配慮事項』っていうのが発生する可能性があるという旨、
制作側にはしっかり伝えられていたということは明らかになっています。
なんですけども、それを佐藤さんのマネージャーまでには伝わってたのが、
マネージャーから佐藤さん本人にっていうところに関しては、
橋本さんの事務所側も『お任せします』という言い方があったということも
明らかになっています。なので結果的には佐藤さんは知らないまま、
橋本さんの顎を触るっていうようなアドリブがあって。
それに関してやっぱり橋本さんがびっくりしちゃうので、
『やっぱりちゃんと伝えてもらえますか?』ということを佐藤さん側に
改めて言ったら、佐藤さんは佐藤さんでびっくりしてしまって、
橋本さんの楽屋に突撃しちゃったと。
で、しかも『俳優を続けるべきではない』というような言い方をしてしまって、
関係がさらにこじれたということですよね」

武田「うん」

勅使川原「騒動後を見てると興味深いのが、橋本さんは全く発信をしていない。
けれども、佐藤さんの側からSNSであるとか、週刊新潮を使って、
『本当のこと』とか『全真相』といった言葉が繰り返されているような
状況であります。橋本さん側は7月3日のステートメントのみです。
私まず着目したいのは、やはり『必要な情報が必要な人に
必要なタイミングで届かなかった』っていう点、ここが非常に気になります。
これ職場でも本当によくありまして、こういうことないですか?
『あの人に言うとややこしくなるからやめたほうがいいよ』とか、
『今言うと面倒だからやめよう』、
『プライド高いから逆ギレするよ、あの人』とか。
『そんなんやってる時間ないし』とかも言うし、あとは『それがあの人の
やり方だから、あんまり余計なこと言わないほうがいいよ』とか、
そういうのってあると思うんですけども。
これで何が起きるかって、結局こうして伝えるべきことが伝えられないまま
話が進んでいくと、『情報の非対称性』って遅かれ早かれ明るみに出るんですよ、
いろんな人と仕事してると。
すると、知らされなかった側は、後から当然ですけども、『え、なんでもっと
早く言ってくれないの?』と。もっと事態が進行してしまうと、
『いやなんか俺コケにしてる?』みたいな。
『なめてんのか』みたいなことにもなりかねないと。
でもそれ、怒りの前には、怒りは二次感情なので、おそらく
『傷ついちゃった』ってことだと思いますが、そういうことって起きるかなと」

武田「本当にありとあらゆる組織で起きているトラブルの性質と言いますかね、
『言った言わない』っていうのは本当にもう、トラブルの定番ですもんね」

勅使川原「定番。なかなかなくせない。本当そうですね。じゃあ一方で、
配慮を先に求めていた側っていうのはどうかっていうと、
『いや、言ってあったのになんでこうなるんだろう』っていう風に
当然思うわけですよね。『なんで約束を反故にされちゃうんだろうか』と。
で、それでまた傷つき、不信感が募るってことが起きます。
じゃあ今回で言うと、間に入った人たちは全く考えなしだったのかというと
そんなことはないわけで。
おそらく今こう思ってらっしゃるんじゃないかなと思うんですよね。
『え、いろいろ考えたつもりだったんだけど、どうすりゃよかったの?』」

武田「うん」

勅使川原「それにしても、結果的にはですね、誰の安全も守れなかった。
面倒を避けたはずが信頼の土台から壊れてしまったということだと思います。
『あの人に言うと面倒になる』とか、『現場がギクシャクするから
やめとこう』とか、そう考えて情報を止めること。これきっとこの前には
過去にはうまくいっちゃったことも多々あるのかなという気もします」

この後も勅使川原真衣さんの、この騒動への分析と考察は続きます。気になる方は、
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