ロシアが最大脅威…ドイツ軍備強化の狙いをドイツ人が分析 武田砂鉄「びっくりします」
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝のラジオ番組、『武田砂鉄 ラジオマガジン』。4月27日は、月曜レギュラーでドイツ出身の翻訳家・エッセイストのマライ・メントライン氏と、ドイツの軍備強化についてトークを繰り広げた。
マライ「今日は軍の話をしたいなと思います。日本でも報道されていると思うんですけど、ドイツって今、軍備強化をしているんですね。それがすごく議論を呼んでいるんです。4月22日、ドイツ政府が『欧州への責任』というタイトルの新たな軍事戦略文書を公表して、2039年までにドイツ軍を欧州最強の軍隊へ強化する目標を掲げました」
武田「タイトルがすごいですね。『欧州への責任』と、これはドイツがそういうステートメントを出してるわけですか?」
マライ「そうなんですよね。これを聞いてどう思います?」
武田「ちょっとびっくりしますよね。ということは、これまではあまり責任を果たせてなかった、ということにもなるんでしょうかね」
マライ「(笑)なるほどね。確かに言われてみると、なるかもしれないですね。でも、なんとなく、このタイトルはドイツ国民を納得させるためのタイトルでもあるんじゃないかなっていう気がするんですよね。自分たちじゃなくて、欧州の中にいるわけだから、それに対する責任を我々は果たすんだっていう。ちょっとミッション感みたいなのが出るんですよね。これ、何をしようとしているかというと、まずは、ロシアを最大の脅威と位置付けるんですね。その上で、現役兵力を2035年までに、今は18万人いるんですけど、それを26万人へと増やすわけです。予備軍を入れると最終的に全体で46万人規模を目指すと。そのために徴兵制――前はあったんですけど、ちょっと止まってたんですね――それを、今年から再スタートさせると。ただ、核兵器は持たないということですね。その背景には、ロシアによるウクライナ侵攻があるんですね。それが長期化していると同時に、トランプ政権になってからアメリカとの協力関係がどんどん縮小していて、今後どうなっていくのかという不安もあって、NATOと一緒に何かする必要があるわけで、そうすると欧州諸国が頑張らないといけない。自助努力っていうものですね。その中で、ドイツはヨーロッパの中で経済的にもすごく強い国なので、大国として責任を負う必要があるという話になるわけなんですよね。世間ではドイツの軍備強化に対してこんな声が出ています。「ドイツ、過去に戦争を起こした危険な軍事大国の復活で怖い」 2039年までに強化を果たすということなので、「2039年って第二次世界大戦が開戦した1939年の100周年だよ。ドイツは歴史への復讐を狙っているに違いない」ちょっと陰謀めいた声ですけど。「ドイツはナチ時代の反省で軍事面を抑制する国となっていたはずなのに裏切った」 これはあくまでネットの声なんですけど、じゃあ新聞はどう報じているかというと、例えばフランスのルモンド紙はこんなタイトルをつけてるんですね。「ボリス・ピストリウス、ドイツを戦争に導く人物」ボリス・ピストリウスは担当大臣ですね。なかなか攻めたタイトルですね。英語だと「Boris Pistorius, the man preparing Germany for war」、戦争のために準備しているみたいな、なんか2つの読み方ができるんですね。戦争をふっかけられたドイツを強化するっていう読み方もできるんですね。この文脈だと、どっちかというとドイツが積極的に戦争を始めるんじゃないかみたいな読み方もできて、なかなか興味深いタイトルだなと思ってるんですけど、中身はすごく普通に、ただ何が起きたか報じてるだけの記事なので、タイトルと中身がちょっと乖離があるなって思ったんですよね」
武田「そういうタイトルで釣るっていうのはどこの国でもやってるんでしょうね」
マライ「結局ね」
武田「クリックさせてね」
マライ「そうです。実際に重要だと思われる観点をいくつか紹介したいと思います。まずアメリカ問題ですね。ドイツ政府の声明にもあるんですけど、ヨーロッパに対するロシアからの脅威の中で、リアルな軍事大国=アメリカ、というかトランプですよね。が今、反NATOと親ロシア的な姿勢を強めているんですよね。それがまずい。その中で、ヨーロッパのNATOの軍事的中心であるドイツが動かないわけにはいかないだろうっていう考え方ですよね。2つ目は、ロシアによる攻撃の可能性ですね。これに関してはちょっと前から言われてるんですけど、ドイツの軍事専門家が、ロシアが2029年までにNATO加盟国を攻撃できると推測してるんですね。これに関してちょっと調べたんですけど…」
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