勅使川原真衣、公共の場で授乳して批判された母親の自省に胸が詰まった。
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄 ラジオマガジン」(文化放送)。6月24日(水)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、水曜前半レギュラーの組織開発コンサルタント・勅使川原真衣が、SNSで起きたある母親の授乳問題について、考えを述べた。
勅使川原真衣「今日のテーマは、よく言いませんか?
『不快に思う人もいるので、やめたほうがいいですよ』みたいな言い方ですね。
これを考えていこうと思います。きっかけがあります。
先週だったと思いますが、ある、赤ちゃんを育てるお母さんが、カフェで
授乳ケープ……授乳するときに、お母さんの体を覆う布なんですけれども、
授乳ケープを使って授乳をしていたら、お店の方から
『たくさんの人がいますので……』と。
つまり『遠慮してください、やめてください』ということを注意されたという
投稿がXで話題になってたんですね。ご存知でした?」
武田「なんか見かけた……なんかパッと拡散されてましたよね」
勅使川原「そうですね、いろんな意見が出てました。
で、投稿したお母さんは、怒ってたっていう感じじゃなかったのが印象的だったんですね。
むしろ『確かに私がマナー違反だったかもしれません』というような形で、かなり自省的に書かれていた様子でした。
ただ私からすると、私も授乳してきた身でもあるので、なんかこんなに萎縮させられるんだっていうのがちょっと胸が詰まったんですね。
いや、だって赤ちゃんがお腹を空かせて泣く、そして授乳するって、めちゃくちゃ当たり前の生命維持じゃないですか」
武田「そうですよね」
勅使川原「なんだけど、それをおこなった人がなぜここまで『自分が間違ってたのかしら』という風に反省させられるのか、ちょっと違和感あります。
また、今回驚いたのが、こちらの投稿への初動というか、一時的な反応として、
同じ母親と見られる方のアカウントから『私も授乳はしていましたけれども、
公共の場でするのはケープであってもマナー違反だと思いますよ。私はやめました』っていう声が結構出てたんですよね」
武田「これは本当に、ありとあらゆるジャンルでSNSで起きることですよね。
『自分の時にはこうではなかったんですけど』っていうのが出てきますから」
勅使川原「本当に『あるある』になってるんですけども、つくづくこれを通じて
私思いました。
私たちって自分が我慢してきたことを次の人にも我慢させたくなってしまう。
まあそういう悲しい性(さが)があるのかなってことを思いました。
『私はそうしてきた』『私だったら遠慮する』『私だったらもっと全力で授乳室を
探して、それまでやらない』とかね。
こんな言葉も出てましたよ。『私はそんなはしたないことはしない』っていう
意見も出てて……」
武田「いや、はしたないことなの? それは」
勅使川原「違うと思います。はい。まあ、あの、大変な苦労があったんだとは
思いますけれども、そうやってなんとか乗り切ってきた人ほど、後から来た人が
少しでも楽になったらいいなじゃなくて、『楽すんなよ』っていう方向になる。
『ずるい』っていう風に見えてしまう。
こういう悲しい性(さが)が、社会を覆ってるような気もします。
『私は我慢したんだからあんたも我慢しなさいよ』っていう前に、
本来は問うべきことがありませんか? 例えば、『なんで私たちこんな当たり前の
生理的な活動を我慢させられてきたんだろうか』とか、
そういうことを問わないまんま我慢や苦労を連鎖させていいのかなっていう風に
思います。
傷ついた人が自分を癒やすっていうのは大事なことだし、
あとはまあ傷つきにくいように今後の社会とか組織を変えるっていうことも
大事ですけども、それをせずにですね、代わりに他者の自由、自分以外の人の自由を
侵害することで『自分は言えないんだけど、溜飲を下げようとする』みたいな現象。
これまさに、あの、砂鉄さんもよくあるっておっしゃいましたけども、
これ育児に限らず、職場でも学校でもパートナーシップでも、ありとあらゆる組織で
起きているように思います」
この後も、勅使川原真衣さんの想いの詰まった考察は続きます。気になる方は、radikoのタイムフリーでご確認ください。
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