アナ歴40年!邦丸が様々な エピソードを語る連載企画⑮

アナ歴40年!邦丸が様々な エピソードを語る連載企画⑮

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【野村邦丸 ワタシの履歴書 ~アナウンサー歴40年記念特別連載企画~】

『第15回 お前と野球中継するつもりはない。面白い中継をする』

朝5時集合、6時半スタートのメインパーソナリティを務めていることなど百も承知で、
朝4時過ぎまでガンガン飲ませ、
さらに六本木の町中で「ダッシュ5本」を命じる無邪気な王様=東尾修さん。

ある日、九州へ取材に向かうブルトレの中に、
東尾さんから着信が。嫌な予感がしましたが、
出ないわけにはいきません。

気持ちは直立不動で通話ボタンを押します。するとおなじみのあの声が…。
「オヨヨヨヨ…」(私の演じる東尾さんの物真似をご想像ください)
「はあ?」
「オヨヨヨヨ…お前いまどこにいるんだ」
「ブルトレの中です」
「何でそんなとこにいる?」
「取材ですよ」
「今から飲むぞ」
「無理ですよ」
「今どこだ?」
「どこかなあ、九州に向かってる途中なんですけど」
「俺、いま大阪! 途中下車しろ」

え! 顔面蒼白です。
スタッフに慌てて、今電車どこらへんだ?
って聞くと、小さな声で「ヤバいっすよ、もうじき大阪っすよ!」
そこで私は、良心の呵責と戦いながら、王様に小さなウソをついたのです。
「残念! もう大阪過ぎちゃいました…」

誤解を招くといけないので、改めてここで申し上げておきますが、
私、東尾修という方、ホントに大好きです。

スポーツアナ最後の年・3年目のある日、東尾さんにこんなことを言われました。
「野村。お前とは野球中継をする気はない。面白い中継をする。
ちゃんとした中継は、光裕(私と同期入社の鈴木光裕アナウンサー)とやる」

まあ、それも仕方ありません。
私ときたら、ボールは見失う、選手を間違える、
挙句の果ては、勝手にトリプルプレーを完成させちゃったりしてましたからね。

3年目の夏、東尾さんは中継ブースに扇子を持ち込んでいました。
私が何か間違えるたびに、それでパン! と私の後頭部を叩くのです。

その軽快な音も、「イテ!」とつぶやく私の声も、みんなマイクは拾ってくれます。
そんな中継を何度か繰り返した頃、
隣のニッポン放送のブースにいた胡口和雄アナウンサーが
覗きに来て「ホントにやってんだ!」と感心(?)して帰っていったことがありましたが…。

そんなお茶目な東尾さんですが、真面目な一面を見せることもあります。
西武の黄金時代を築いた森祇晶監督が辞任した1994年のオフのこと。
球団は石毛選手に引退と監督就任を打診しましたが、石毛さんはこれを固辞、
FAでダイエーに移籍することになります。

そこで次に球団が白羽の矢を立てたのが、我らが東尾修さんだったのです。
そんな渦中のある雨の日、私は東尾さんとタクシーで移動していました。

「野村、お前どう思う」
「いやあ…大エースの東尾さんに、石毛さんの後に話を持ってくるなんて、納得できないですよ」
「お前はそう思うのか」
東尾さん、しばらーく、遠くを見つめていて、ポツリとこう言ったのです。
「でもな、野球やってて、監督ってのは、一度はやってみたいものなんだ」
「東尾監督就任」の文字が新聞紙上に踊ったのは、それから数日後のことでした…。

過去の記事はこちら👇
【野村邦丸 ワタシの履歴書~アナウンサー歴40年記念特別連載企画~】

『第1回 必修単位を落としてもアナウンサーになれる!?』

『第2回 局の玄関にコタツ、トン汁食べながら生放送で県警から大目玉』

『第3回「完璧にパクった」NHK松平アナに仁義を切った話』

『第4回 主夫として生きるつもりが「いつまでそんなことやってんだ!」と一喝されて…』

『第5回 控室で爆睡、本番でスポーツのスの字も聞かれなかった入社試験に合格で「ビックリ仰天」』

『第6回 どうせ中継はないとくつろいでいたら…』

『第7回 無事野球中継デビュー、連日奮闘もバラエティへの憧れが抑えきれず…』

『第8回 「今までにないニュース番組を作る」確かにタイトルは今までになかったが…』

『第9回 棺を乗せた軽トラの車列を見て「何も喋れない…」』

『第10回 もう家業はダメかもしれん。でも従業員は全員生きとった。これだけや…』

『第11回 阪神淡路から戻った夜「ワンカップの味がしない…」』

『第12回 ゲームセット、でも解説者はとっくに消えていた』

『第13回 超高級スナックの勘定書に顔面蒼白となった若きエース』

『第14回 「ノ…ノムダクニマドゥでふ…」酩酊状態で放送開始!』

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野村邦丸:1957年1月17日生まれ。川崎生まれ、日大明誠高校・日大法学部新聞学科を経て1981年茨城放送入社、
フリーを経て1991年文化放送入社。2017年定年退職、再びフリーとなる。
「くにまるジャパン極」パーソナリティ。
家族・高校野球・シカゴ(ロックバンド)、そして酒と肴をこよなく愛する。
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「くにまるジャパン極」
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くにまるジャパン 極

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月〜金 9:00~13:00

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人生ひとまわり。 2017年1月に還暦を迎えた野村邦丸が27年間在籍した文化放送を退職し、 フリーアナウンサーの道を歩み始めています。 これに合わせて大幅リニ…

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