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  • 香港は「今」だけ見て語るなかれ!

    「逃亡犯条例改正案」をめぐって抗議デモが相次ぐ香港。以下の写真は香港の知人からLINEで送られてきたものだ。香港大学や香港中文大学で新学期を機にボイコット運動が始まったのだ。その香港では、今月26日、最初の反政府運動=雨傘運動が起きてから5年という節目を迎える。
     しかし、香港をめぐる情勢は、この5年で語ってよいものではなく、数十年という長い文脈の中で見る必要がある。
     少なくとも香港返還という1997年の時点にさかのぼることだ。イギリスと中国は1994年に、「一国二制度」の下、香港が中国に返還されることで合意した。香港は中国の一部にはなるものの、返還から50年間は、外交と国防を除き、高い自治性を認められることになった。
    香港3.jpg 返還後の香港は香港特別行政区となり、独自の法制度や国境を持つほか、表現の自由などの権利も保障されている。私も報道スポーツセンターの鈴木敏夫部長も、1997年7月1日、返還の熱と将来への不安が交錯する香港島や九龍で、「本当にそうなるのだろうか」と式典を見つめたものだ。
     その予感は当たる。芸術家や書店員が姿を消す、立法会の議員の大半が中国寄りの面々で占められる...など、自由がどんどん奪われて現在に至っている。
    香港2.jpg 香港で中国当局や香港政府への抗議デモが始まって3か月。逮捕者は実に1000人を超えた。当局からの圧力は、自分たちを「香港人」と呼ぶ市民には耐えられないものだ。特に自由を謳歌してきた若者にこの傾向は強い。
     この先、香港はどこへ向かうのか。それを10月1日、建国70周年と言う大事な式典を迎える中国がどうガバナンスしようとするのか。番組では、歴史を把握した上で、地べたからものを見、取材ができる人材を現地に派遣することも視野に、香港の現在地をわかりやすく伝えていきたいと思っている。
                                番組責任者 清水克彦

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