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9月24日 石川真紀 放送後記

◆古今亭志ん朝特集! ~ ゲスト:古今亭志ん輔さんの回◆
 
落語における師匠と弟子の関係は、
例えば、職人や役者の世界など、
他の どの関係とも異なる
一種独特の絆なのかもしれません。 
 
ひとたび高座に上がったら、
自分1人の力で沸かせ、完結させなくてはならない ―
厳しくも たまらない悦びが、そこにあるからこそ、
昨今もまた落語が流行し、
志す人が相次いでいるのでしょう。
 
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志ん輔師匠が語る志ん朝師匠との逸話の中で
特に印象的だったのが、
「からぬけ」の稽古の時のこと。
噺は名人に習うものだと
志ん朝師匠が文蔵師匠の楽屋を訪ねて稽古を依頼し、
志ん朝師匠が習ったっものを、志ん輔師匠へ教えたのだそうです。
 
同じようなエピソードを他の噺家さんからも聞いたことがありますが、 
「この噺は、あの噺家の右に出るものはない!」と世間に言わしめる、
そういう噺と、自身が適合する時代に巡り会えるか否か、
そして、
師匠同士がお互いを認め合い、尊重し合う美学の伝統と、
落語には、もっと知りたくなる、引き寄せられる魅力が凝縮しています。
 
高座の志ん輔師匠を、次に拝見する際には、
きっと、
「お手洗いで出会った、‘花一時’」の詞が去来することでしょう。
また楽しみに参じたいと思います。
 
 
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2011年09月24日