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7月28日 石川真紀 放送後記

ブラジル音楽 ショーロ特集 ~ ゲスト:熊本尚美さんの回◆

弘兼さんがショーロに魅せられた
ブラジル出張は、去年10月。
そして、
私が尚美さんと初めてお会いしたのは、
今年3月のこと。
 
日本語で‘哀しみ’と訳される
ショーロの響きには、
もしかしたら以前も、
それと意識せずに
耳にしていたことがあるのかもしれない
と感じるような
懐かしさがあり、
聞く人の心と体に滋味深く浸透してくる
スケールの大きな音楽だというのが、
第一印象でした。
 
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リオから帰国されるたび、
日本のショーロ愛好者の皆さんに
尚美さんが指導されるワークショップでは、
フルート、ギター、カバキーニョ、
ピアニカ、バイオリン、トロンボーン、
テナーサックスなど、
大所帯の編成で輪になって演奏。
それぞれ、演奏の合間に
歌も歌うエネルギーに満ちた空間を
見学させていただきました。
もともとヨーロッパの
クラシック音楽を基盤にしていて、
やがて、
サンバ、ボサノヴァへと派生していく
ブラジル音楽の源流で、
どの音に行きたがっているか、
作曲家とメロディ自体の意思を感じながら演奏する、
いわゆるポリフォニー感と、
原曲が楽譜にしづらい為、
楽譜どおりに演奏する必要がない、
いわゆる、リングヮージンとが、
ショーロの醍醐味であることを教わり、
大切なのは、
シンコペーションのリズムと
美しいメロディの融合であることを
初心者ながら感じておりました。
 
2014年のワールドカップと、
2016年のオリンピックによって、
一足飛びに経済成長を遂げるであろうブラジル。 
その可能性に着目した諸外国が、
既に市場を開拓しつつある現状も耳にしますが、
国民が長期的に実を伴った成長を実感できるよう、
新旧を共存共栄させていってほしいものです。 
スポーツ、音楽など文化面で
世界に愛されるコンテンツを生み出してきた国には、
その土地に相応しい方策が
きっと在るはずですから。
  
2年後、4年後には、
日本でもショーロのような大人の音楽が
広く親しまれるようになっていることを期待しつつ、
まずは、
ロンドンでの各々の健闘を応援しましょう。
  
 
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2012年07月28日