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12月1日 石川真紀 放送後記

◆ゲスト:逢坂 剛さんの回◆
 
直木賞受賞作『カディスの赤い星』や、
池波正太郎さんへのオマージュとして書かれた
ご自身初の時代小説『平蔵の首』など、
数作品を読ませていただいた上で
初めてお会いしましたところ、
逢坂さんから発せられる要素が
お書きになる文章そのもの、
つまり、
語り口調に文章世界が滲んでいることに、
内心驚いておりました。
 
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逢坂さんのお人柄はもちろん、
読者に楽しんでもらうご職業柄、
サービス精神が旺盛で、
弘兼さんも映画愛をグイグイ触発されていたのは
お聞きになったとおり。
 
スペインを舞台にした作品を
数多く発表していらっしゃる
逢坂さんは、
これまでに、スペイン渡航およそ20回を数え、
フラメンコギターの名手でもあります。
 
逢坂さん曰く、
 
美しく端麗であるだけでなく、
艱難辛苦、悲哀、
そして、野卑な部分も、
「007」シリーズのジェームズ・ボンドを演じる俳優には
兼ね備えていてほしい ―
これは、映画にかぎらず、
魅力的な小説、劇画にも言えることであり、
フラメンコにも共通するから惹かれる ―
 
この分析を聞いて、
フラメンコをかじったことのある私の心は、
激しく共感しております。
 
チョコレートも、ワインも、人生も、
甘いだけでは満足できない。
ほろ苦さこそ魅力と知ることが、
大人になることなのかもしれません。
  
次回は、映画談議 第2弾を楽しみにしつつ、
タブラオでフラメンコ鑑賞もご一緒したいです。
 
  
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2012年12月01日