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10月9日 石川真紀 放送後記

◆ゲスト:芦原 伸さんの回◆
 
ローマ(ヴァチカン)から、奈良まで、
およそ2万kmという距離を、
59泊60日間かけて、
主に鉄道だけで踏破された芦原さん。
 
地図を手指で辿り、こんな旅行ができたらいいな~と、
多くの人が憧れるであろう壮大な‘シルクロード紀行’を実現してしまう背景には、
些細なことに拘らず、
多様な文化、慣習を大らかに受け容れながら先へ進む、
人生の達人たるに必須の要素が感じられます。
 

 
一方で、
無人島に何か1つだけ持って行くとしたら?の問いに、
間髪を入れずお答えになった「時刻表」の言葉には、
心さえ自由であれば、
どんな状況でも、どんな場所に居ても、
愉しみは無限に拡がるという教えも。
 
交通手段のスピードが追求された結果、
便利さと同時に、時代進行のスピードが急上昇してしまいました。
技術的には可能な‘速さ’が、
必ずしも必要とは言えないと思うのです。
 
様々な柵から解放され、
現役世代から奪われてしまった‘時間’を
自由に使える時が来たなら、
それまで、やりたくても出来なかったことを全て実現して初めて、
人生の帳尻が合うのかもしれません。
 
 
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2010年10月09日