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1月29日 エノケン特集!


テーマ『昭和の喜劇人シリーズ第四弾!
         特集 日本の喜劇王・エノケン伝説!』
     
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ゲストは、森繁久彌さん特集の回にもご登場いただいた
“ウォーキング・ディクショナリー”漫画家の黒鉄ヒロシさん。

 
 クレイジーキャッツ、初代 林家三平さん、
 森繁久彌さんに続いて
 「団塊倶楽部」がお送りする
 “昭和の喜劇人シリーズ”第四弾…
 “エノケン”の愛称で親しまれた
 昭和の喜劇王・榎本健一さんを大特集!
 
黒鉄 「父親や周囲の大人が“エノケンが出てくるだけで笑う”のを
     子供心に不思議に思っていました」

 
弘兼 「エノケンが出ることによって、
     “笑わなければならない”気持ちになっちゃうんですね」

 

  
黒鉄 「“エノケン”って言っただけで笑っちゃうんですよ。
     『ギャグ』の語源は“猿ぐつわ”らしいですね。
     “自由を奪ってくすぐる”――というような…。
     時代背景もあったでしょうけど特に“エノケン”が顕著で、
     彼が出てきたら笑わにゃいかん――ような状況でした」

 
弘兼 「“エノケン”さんはチャップリンとハロルド・ロイドを
     あわせたものを目指していたようなことを
     言っていらしたみたいですね」

 
黒鉄 「“動き”はバスター・キートンですね」
 
番組の出だしから“エノケン”トークが止まらない!
 
  榎本健一さんが誕生したのは1904年――。
  黒鉄ヒロシさん、弘兼憲史さんともに
  少年時代に“エノケン体験”をしている世代ですが、
  喜劇王が与えたインパクトは絶大――。
 
番組では“エノケン伝説”の数々、音楽的センスに裏打ちされた“エノケンソング”
そして、子役時代から榎本健一さんと共演している中村メイコさんのインタビュー、
浅草まねきねこ館で公演中「エノケン、笠置のヒットソングレヴュー」会場からの
中継など…盛りだくさんの内容でお送りしました。



中村メイコさんが語る“エノケン”
 
コメディエンヌ・中村メイコさんに
榎本健一さんの人物像
榎本健一さんから学んだ喜劇の真髄について語っていただいた
インタビューをお聴きいただきました。
 
(当時 子役で)
  生意気で失礼なんですけど『この人は すごい!』と思いました」

 
  1934年生まれの中村メイコさんは
  1940年公開の映画『エノケンの孫悟空』で榎本健一さんと初共演。
 
“エノケン”さんが“上野動物園で猿の動きを観察”した時の様子――
 
  『くつろげて楽しかったけど、ほとんどが“勉強”だったネ』
 
また、喜劇役者としての真髄を語ったエピソードをご紹介いただきました。
 
  『喜劇というものは“究極”を知らないといけないんだよ』
 
初めてこの教えを聞かされた子役時代の中村メイコさんには、
理解が困難でしたが、この言葉はメイコさんの心に引っかかっていたようで
それから数年、成長した時に再度“エノケン”さんに
“究極”の真意を尋ねたそうです。
 
中村 「うんとトイレに行きたくなったり、
     お腹が空いたり…、
     『本人は“究極”
(の状態)なんだけど、見てる人は笑うよ』――。
     笑ってもらうことを考えず、
     “本当にトイレに行きたい!”“お腹が空いちゃって死にそう!”
     ということをやったら、
     人は同情もしてくれるだろうけど“笑う”と思いますよ」

 
 
  最後に、年齢・性別問わず、
  “喜劇を追求する者に もっていてほしいもの”について話っていただきました。
 
  中村 「喜劇役者は可愛くなくちゃダメだと思う」


浪曲全盛時代に衝撃!“エノケンソング”登場
 
この日は“エノケン”榎本健一さんの楽曲の数々もお聴きいただきました。
   
黒鉄 「民謡・浪曲が王道の時代に、
     “ハイカラ”“バタ臭さ”“独特の音感”――
     これは衝撃的だったでしょうね」

 
弘兼 「聴いた方はビックリしたでしょうね」
 
石川 「歌い方に特徴がありますよね」
 
弘兼 「ダミ声だけど、音程はしっかりとっている…
     やっぱり歌のうまい方だったんでしょうね。
     (少年時代)歌ったと思います。今でもカラオケで歌います(笑)」

 

 
また“エノケン”さんがCMソングを歌った「渡辺のジュースの素」も話題に。
 
弘兼 「団塊の世代はみんな知ってますね」
 
黒鉄 「渡辺のジュースの素、水に溶かないで舐めてたよね」
 
弘兼 「“ソーダ”をご飯にかけて、緑色のご飯を作ってましたね(笑)」


『エノケン、笠置のヒットソングレヴュー』
 
現在公演中の『エノケン、笠置のヒットソングレヴュー』(3月31日まで)。
 
この日は、久々登場 西野七海さんが
会場の浅草まねきねこ館(ROX 4F) から中継リポート。
 
アミューズの創始者で最高顧問――現在64歳の大里洋吉さんが
日本の芸能の聖地ともいえる浅草で
“自分たちの世代に向けた”エンターテインメントを!――と企画されたこの公演。
 
  かつて多くの大衆文化がひしめいていた浅草に
  再び活気を取り戻す――ことも期待しているそうです。
 
大里 「お客さんがエンターテインメントを観たり、
     聴いたり、踊ったり、歌ったり、食べたり、
     もちろんお参りしたり…そういう街に戻っていくと、
     東京が元気になって、日本が元気になるんじゃないかな
     という考えもあります」

 
弘兼 「昔、浅草には高い塔(凌雲閣)があって
     それが今スカイツリーにかわって、
     浅草にシンボルができて、昔の文化が集中すると
     面白い“一大娯楽ゾーン”ができますよね」

 
黒鉄 「今の笑いは“言葉”を中心にしてますから、
     “体を動かす”…これを観られる世代を
     ぜひバトンタッチしてほしいですね」

 

 
虎姫一座のメンバー・ゆきさん(20代)にもお話を伺いました。
 
ゆき 「曲は“聴いたことがある”くらいだったんですけど
     改めて歌詞を見るとストレートに心に響いて、
     歌ってみると、難しいんですけど 私たちの世代にも伝わる歌ですね」

 
公演について詳しくはアスカシアターのホームページをご覧いただくか
電話 03 - 5826 - 0315 にお問い合わせください。(午前10時~午後6時)
 
西野七海さんの放送後記はこちら


森繁×エノケン対談
 
『今や榎本先生も国宝的存在、
 世界の“エノケン”さんになっていただきたい』
(森繁久彌)

 
番組内では、昭和30年代に文化放送でオンエアされた
『森繁ゴールデン劇場』の音源から
森繁久彌さんと榎本健一さんの対談の模様をお聴きいただきました。
 
 ※昭和36年=1961年放送の音源
 ※当時 森繁久彌さんは48歳、榎本健一さんは57歳。
 
お聴きいただいた対談の模様は
発売中のCD3枚組『文化放送アーカイブス~語り芸』森繁久彌 に収録されています。


お送りした曲目
 
エノケンのダイナ / 榎本健一
  (弘兼セレクション)
モンパパ / 榎本健一、二村定一
  (弘兼セレクション)
月光値千金 ~ ウイウイ / 榎本健一
 
孫悟空のテーマ / 榎本健一
 
パリの空の下 / エディット・ピアフ
 
渡辺のジュースの素の歌 / 榎本健一
 

黒鉄ヒロシさんの名言・好きな言葉はこちらをご覧ください。

2011年01月29日