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9月22日 ゲスト:大沢在昌さん

テーマ
  『 小説のキャラクターやプロットの作り方 教えます!
 
          ―― 大沢在昌

 
この日のゲストは『新宿鮫』シリーズでもおなじみ
小説家の大沢在昌さん。
 

▲石川アナウンサーが手にしているのは
  『小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない』
  (角川書店) (画像をクリックすると拡大します)

 
7月に発売された
『小説講座 売れる作家の全技術
  デビューだけで満足してはいけない
が大好評。
 
漫画家・弘兼憲史さんとは同じ作家の立場で
読者の心をとらえる
プロット、キャラクター作りについて
持論を展開していただきました。
 
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そして
「いつシリーズを終えるかということも考えてない」
『新宿鮫』の完結について言及していただく場面も。
 
小説のことから、
趣味の商店街巡りやゲームのことまで――
大沢流の生き方を生放送の中で時間の許す限り
存分に披露していただきました。



プロの作家も注目『売れる作家の全技術』
 
大沢 「無駄な描写、無駄な“ぜい肉”をそぎ落とす――
     描写の“ベタ塗り”は一番つまらない。
     大事な場面はきっちり書くけれども、
     そうでないところは“すとん”と(そぎ落とす)
     キャリアを積んでくると、
     そういう要領がついてくる」

 
このような技術を若い小説家(小説家志望者)に
教えられないか――と、
角川書店の文芸誌『野生時代』誌上で連載がスタート。
 
募集した生徒さんを前にしての
大沢さんの講義の模様が記録されると
連載中から、プロの作家からも注目を集めました。
 
大沢 「私の持論なんですけど、
     作家は“なること”より
     “あり続けること”の方が難しいんで、
     生き残っていくためには
     どういうことが必要なのか――。
     これが“絶対”だという気はない――。
     ただ“70%”は間違ってないはずだ、
     という信念があったんで・・・」

 
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そしてこの夏、単行本化されると
一時期、店頭で入手が困難になるほど
大きな反響を呼んでいます。


“キャラを立てる”
 
小説のプロットを作る時に
キャラクター作りから(主人公・敵役・ヒロイン・・・)
入る大沢在昌さん。
 
キャラクターを作ることよりも
作ったキャラクターの魅力を
いかに読者に見せるか、が大事なのだそうです。
 
一見すると“優しげなお父さん”が
ゴルフ場でひとたびドライバーを手にすると
300ヤードかなたに白球を飛ばす・・・かと思えば、
銀座のクラブでイスからずっこけて
メガネが半分ずり落ちる・・・
 
大沢 「そういう弘兼さんを見て“愛らしい男性だな”と
     ・・・そんなところは見たことないですけど」

 
弘兼 「パッと見た感じは違うけど、
     裏では殺し屋だったり、
     いろんな側面をもった人間が面白いですよね」

 
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▲漫画家 X 小説家 の作家対談
 
漫画のように
人物の 正面・背後・上からの俯瞰 など
複数の視点から描くことができる媒体とは異なり
小説の場合は
“ひとつの視点”で人物像を描くことが多い点で
“技術”が必要。
 
大沢 「特に一番難しいのは、
     “一人称・一視点”・・・『私』という
     自分が視点人物になっている物語の場合は、
     『私』がどんな人間かを、どうやって見せるかは
     技術がいると思うんですね」

 
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大沢在昌さんの代表作の一つ『新宿鮫』では
主人公・鮫島がロックの歌詞を書くエピソードがあります。
 
人物のリアリティが増す“技術”として、
“ありえなそう”でいて、
もしかしたら“あるかもしれない”と思える
ギリギリのところで成立させる手法を紹介。
 
大沢 「たとえば石川さんが、
     知的な雰囲気だけど、
     実は毎週末はクラブでオールで
     踊り明かしている女性だとすると、
     大胆な側面があるんだ――と
     人間の奥行きがバン!と出る」

 
弘兼 「意外な面を見せると・・・
     オバQが犬が怖い――とかね、
     完璧なのに、
     どこか弱点があるというのは必要ですよね」

 


小説家になるための第一歩
 
小説家を目指す人へのアドバイスをいただきました。
 
大沢 「とにかく本を読んでください」
 
高校時代に年間1,000冊の本を読んだという大沢さん。
プロの作家の読書量は、
普通の読書家を自任する人の10倍はあるとのこと。
 
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大沢 「読んだから書けるわけじゃない。
     だけど、読まなかったら絶対書けない」

 
弘兼 「『無』から『有』は絶対出ないんで、
     自分の中にたくさん引き出しを作って
     それから作り上げていくものですからね」

 
大沢 「オリジナリティっていうものも
     実は“蓄積”があって
     初めて出てくるものなんですよね」

 


大沢在昌さんの最新情報
 
 ◆週刊新潮の連載小説『ライアー』 
 
 ◆小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない
  (発売中/角川書店/税込み1,575円)
 
 ◆『獣眼』
  (10月22日発売/徳間書店/税込み1,890円)
 
 ◆朗読会『大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆき 自作朗読会
      リーディングカンパニー Vol.11』

 
  ■日時:2012年10月28日(日)(昼夜2回公演)
    ・昼の部 12:40開場/13:30開演
    ・夜の部 16:40開場/17:30開演
     ※公演時間は2時間予定
 
  ■会場:浜離宮朝日ホール 小ホール
  ■交通:都営地下鉄大江戸線「築地市場駅」
  ■交通A2出口から徒歩3分
 
  ■チケット料金:全席指定4,200円
  ■問い合わせ:大沢オフィス 03-3479-1559
 
 大沢在昌さんの最新情報は
 大沢オフィス 公式ホームページ
 大沢在昌 公式ブログ 大極宮をご覧ください。


お送りした曲目
 
ウイスキーが、お好きでしょ / SAYURI
 (弘兼セレクション)
Let's Never Stop Falling In Love / ピンク・マルティーニ
 (弘兼セレクション)
たどりついたらいつも雨ふり / モップス
 
ハルジョオン・ヒメジョオン / 松任谷由実
 
銀河鉄道999 (The Galaxy Express 999)  / ゴダイゴ
 (RN・プリンさんが初めて買ったレコード)
ケンとメリー ~愛は風のように~ / BUZZ
 


大沢在昌さんの名言・好きな言葉(PC版)はこちらをご覧ください。
 
過去の放送レポート バックナンバー(PC版)はこちら

2012年09月22日