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1月19日 ゲスト:なかにし礼さん

テーマ  『 光あるうちに 光の中を歩め!
 
        ――  なかにし礼

 
この日のゲストは弘兼憲史 さんが自身の漫画
『黄昏流星群』の“師”と崇める
作詞家で小説家のなかにし礼さん。
 
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なかにし礼さんが作詞を手掛けられた
数あるヒット曲をおかけするとともに
御本人から制作当時のエピソードを語っていただく
“なかにしソング”大特集!
 
また去年、切らない手術で克服された
食道がんの、がん発覚から仕事復帰までの
体験についてもお聞きしました。



レコード大賞 受賞作品 誕生秘話
 
11時台はなかにし礼さんが作詞を担当された曲の中から
「日本レコード大賞」受賞曲を中心におかけしました。
 
北酒場 / 細川たかし
  (1982年「レコード大賞」受賞)
 
 細川たかしさんのデビュー曲
 『心のこり』を作詞されたなかにし礼さんが
 7年後に細川さんの曲を担当。
 
なかにし 「演歌ですけど歌詞は七五調でもなく、
       好きなように書いた曲」

 
 
天使の誘惑 / 黛ジュン
  (1968年「レコード大賞」受賞)
 
 黛ジュンさんの曲は、デビュー曲『恋のハレルヤ』
 さらに『霧のかなたに』を作詞。
 そして4枚目のシングル『天使の誘惑』が大ヒット!
 
 レコード発売月に二十歳の誕生日を迎えるアイドルに
 “セクシー”な歌を歌わせるわけにいかない――
 という状況下、
 “口づけ”をさせずに、
 そのニュアンスを出すことに成功。
 
なかにし 「“人さし指で口づけをした人”
       そのイメージが最低、許される(範囲)

 
弘兼 「人さし指を添えて、
     その上からキスをしたということですよね」

 
なかにし 「そこがチャームポイントになって、ね」
 
弘兼 「マネしたことあります。
     大学の寮で、男とね」

  
今日でお別れ / 菅原洋一
  (1970年「レコード大賞」受賞)

 1967年に『嘆きのタンゴ』のB面としてリリース後
 1969年の暮れに再発売され大ヒット。
 翌70年の「レコード大賞」を受賞しました。
 
弘兼 「2番が心に沁みて、
     『曲がったネクタイ直させてね』って
     漫画の中でも使わせていただきました」
 
 
 菅原洋一さんの歌唱力も素晴らしい作品です。 
 
なかにし 「“ささやき系”の歌を歌わせたら
       やっぱり最高ですね」

 
  なかにしさんはこの曲がヒットした昭和40年代を
  団塊の世代が“同棲”を始めた時代と指摘。
 
弘兼 「そのあと“別れ”が来るんですよね」
 
なかにし 「そこらあたりの描写です」
 



リクエスト トップ3
 
グッド・バイ・マイ・ラブ / アン・ルイス
  (1974年発表)
 
 この日、リスナーの皆さんから番組に寄せられた
 リクエスト曲の中の第3位が
 アン・ルイスさんの初のヒット曲『グッド・バイ・マイ・ラブ』
 
 なかにし礼さんがアン・ルイスさんと出会った場所は
 なかにしさんが散歩をしていた横浜の外人墓地。
 
弘兼 「一見してスターになれるというイメージが(あった?)
 
なかにし 「だって可愛いもの」
 
弘兼 「そういう形で見つけられるんですね」
 
石川 「出会うべくして、だったんですね」
 
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みんな誰かを愛してる / 石原裕次郎
  (1979年 テレビドラマ『西部警察』エンディングテーマ)
 
 リスナーリクエスト第2位
 石原裕次郎さんが歌うテレビドラマ『西部警察』
 主題歌(エンディングテーマ)『みんな誰かを愛してる』
 
 車が大破、爆発、銀行強盗…など
 殺伐としたシーンが繰り広げられたあとに
 タイトルロールで流れるこの曲は、 
 石原裕次郎さんから電話で作詞依頼を受けたそうです。
 
 『観た人の気持ちがスーっとが和むような歌が欲しいんだよな』
 
なかにし 「平尾昌晃さんと一緒に
       この曲を書き上げたわけです。
       そういう意味で、
       企画として狙いは正しかったと思いますね」

 
 
石狩挽歌 / 北原ミレイ
  (1975年「日本作詞大賞」受賞)
 
 放送途中までリクエスト1位は
 『みんな誰かを愛してる』でしたが
 それよりも先におかけした『石狩挽歌』
 オンエア後に票を伸ばし逆転でトップに。
 
  お聴きいただいた後に
  「好きな曲」として思い出を綴った投稿や、
  「もう一度聴きたい」という声が多く寄せられ
  このような意外な結果を生み出しました。
  (番組後半でおかけした場合、断トツトップだったかもしれません)
 
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 海猫(ごめ)筒袖(つっぽ)やん衆 笠戸丸
 
 なじみの薄い言葉が盛り込まれた『石狩挽歌』
 あえて現地の言葉を用いて、説明を一切しない
 という“覚悟”を決めて書き始めたそうです。
 
なかにし 「説明は一切しない。わからなくてもいい。
       わかる言葉はたった一つ
       『オンボロロ』というニュアンスさえ
       わかってくれれば、あとはいい
       という想いで書いたんです」

 
 この曲には、なかにし礼さんのお兄さんが
 ニシン漁を始めて失敗してしまった
 幼年期の体験も詰まっています。
 
 また、歌謡曲に文学性を求めた
 クオリティの高い作品でありながら、
 ヒットさせる――
 この二つの願いを果たされた作品でもあります。
 
なかにし 「だから恋愛の歌でもなければ
       何でもない、ただ老婆が浜辺で
       昔を懐かしんでるという情景の歌ですけど
       曲もいいし、北原ミレイさんの歌もいいいし
       うまくいったな、と思ってます」

 
弘兼 「素晴らしい歌ですよね」
 


「日本作詞大賞」受賞――『櫻』
 
櫻 / 氷川きよし
  (2012年「日本作詞大賞」受賞)
 
 2011年3月11日の東日本大震災――。
 その時、作詞家・小説家として
 強い無力感を抱いたというなかにし礼さん。
 
 それ以来、人生観が変わり、 
 『櫻』を書く際には
 
なかにし“たった一人の人を励ましたい”
      ――という想いでを書いた曲。
       春に、櫻とともに
       恋しい人、大事な人が
       生き返ってくるに違いない――
       そういう想いを抱いてくださったら
       嬉しいなと、そのことを表現したんです」

 
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 “薄紅色の裸が横たわる”歌の出だし。
 (歌詞ではありません)
 
なかにし“女体”というと
       『エロチックじゃないか』と思われたら
       困っちゃうんだけど、
       書き手の僕がそれを感じたんで、
       主人公の男の子が最後は
       と一体となって眠っていく――
       “永遠との合体”というものを
       描いてみたかったんですね」

 


食道がんを克服
 
なかにし礼さんは、去年春、
食道がんを公表されました。
そして闘病生活に入り、秋には仕事復帰。 
 
なかにしさんは毎年3月に検査をしていましたが
おととし2011年は、東日本大震災が発生し
「病院に行って胃カメラを…という気分になれなくて」
検査を行いませんでした。
 
翌2012年2月末、
食欲がなくなる異変を感じて病院へ行くと
4センチ大の腫瘍が見つかりました。
 
なかにし 「前年の3月に診てもらえば、
       初期の段階だったかもしれない。
       発見された時は1年3カ月たっている
       成長したガンがあったんです」

 
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手術をすすめられましたが、
過去に心臓病を患い、
全身麻酔には耐えられない――と手術を拒否。
 
そこで出会ったのが
インターネットで独自に探した「陽子線治療」
 
なかにし 「放射線じゃなくてビームなんですね。
       患部に直接あたって、
       周囲の心臓や肺には
       極力被害を与えないで
       治療を施すことができる。
       そこで仕事を終えると消えるんですよ」

 
5月から週5回(治療自体は30分)
6週間=30回にわたる治療治療を開始。
 
「治療終わりました。多分大丈夫でしょう」と語る先生。
 
3週間後に検査をすると
「消えてるんですよ。きれいに“ない”の」
 


なかにし礼さんの最新刊
 
なかにし礼さんが、がん治療で体験されたことは、
去年12月に発売された著書に綴られています。
 
◆『生きる力 -心でがんにつ-』
 
 (2012年12月20日刊行/講談社/952円+税)
 
なかにし礼さんの最新情報は
なかにし礼 オフィシャルサイトをご覧ください。


お送りした曲目
 
AMBITIOUS JAPAN! / TOKIO
 
北酒場 / 細川たかし
 
天使の誘惑 / 黛ジュン
 
今日でお別れ / 菅原洋一
 
櫻 / 氷川きよし
 
石狩挽歌 / 北原ミレイ
 
グッド・バイ・マイ・ラブ / アン・ルイス
 
みんな誰かを愛してる / 石原裕次郎
 (テレビドラマ『西部警察』主題歌)
恋のフーガ / ザ・ピーナッツ
 
時には娼婦のように / なかにし礼
 
風の盆恋歌 / 石川さゆり
 

 
なかにし礼さんの名言・好きな言葉(PC版)はこちらをご覧ください。
 
過去の放送レポート バックナンバー(PC版)はこちら

2013年01月19日